イラストレイテッド・チルドレンズ・ライブラリー

ロバート・ルイス・スティーヴンソン

挿絵

マイロ・ウィンター

**グラマーシー・ブックス

ニューヨーク**


購入をためらう読者へ

船乗りの節で語る船乗りの物語、

嵐と冒険、灼熱と寒気、

スクーナー船、孤島、置き去りの男、

海賊たちと埋められた黄金、

昔ながらの浪漫のすべてを、

古風な語り口そのままに、

かつての私と同じように、

今の賢い若者たちも楽しめるなら――

それでよし、さあ読みたまえ! だが、もし、

学問好きの若者が、昔の嗜好を忘れ、

もはや求めぬというのなら、

キングストンも、勇壮なるバランタインも、

森と海のクーパーも――

それもまたよし! ならば私も、

わが海賊たちも、ともに眠ろう、

彼らと、彼らの生んだ物語が眠る墓に! 


この書を

ロイド・オズボーンへ

古典を愛するアメリカ紳士

その趣味にかなうよう

以下の物語は書かれた

数々の楽しい時間への返礼として

心からの幸いを祈り、ここに捧げる

親愛なる友

著者より



第一部 老海賊


第一章 「アドミラル・ベンボー」にて

トレローニー地主、リヴジー博士、そのほかの紳士方から、宝島にまつわる一部始終を初めから終わりまで、何一つ隠さず書き残してほしいと頼まれた。ただし、島にはまだ掘り出されていない財宝が残っているため、その位置だけは伏せることにする。そこで私は西暦一七――年の今、筆を執り、父が宿屋「アドミラル・ベンボー」を営んでいたころ、頬に刀傷のある日焼けした老船乗りが初めてわが家に投宿した日のことから語り始めよう。

まるで昨日のことのように覚えている。老船乗りは宿の戸口まで重い足取りでやって来て、その後ろから手押し車に載せた船乗り箱が運ばれてきた。背が高く、頑丈で、ずっしりと太った赤銅色の男だった。汚れた青い上着の肩には、タールまみれの弁髪が垂れていた。手は荒れ、傷だらけで、爪は黒く欠けていた。片頬を横切る刀傷は、薄汚れた青白い筋になっていた。男は入り江を見回しながら口笛を吹き、やがて、のちに何度も歌うことになる古い船乗り歌を歌い出した。

「死人の箱にゃ十五人、

ヨー・ホー・ホー、ラム酒が一本!」

まるで昨日のことのように覚えている。老船乗りは宿の戸口まで重い足取りでやって来た

その声は高く、古びて震え、まるで巻揚機キャプスタンの棒に合わせて調子をつけるうちに潰れてしまったようだった。それから男は、手木のような太い杖で戸を叩き、出てきた父に荒々しくラム酒を一杯よこせと言った。運ばれた酒を、男は通人さながらゆっくり味わいながら飲み、なおも崖や、頭上の看板を眺めていた。

「使い勝手のよさそうな入り江だ」と、やがて男は言った。「それに居心地のよさそうな酒場だ。客は多いか、相棒?」

父は、いや、ほとんど来ない、それが残念でして、と答えた。

「なら決まりだ」と男は言った。「おい、そこの相棒!」と手押し車の男を呼びつけた。「横づけして、箱を運び上げるのを手伝え。しばらくここにいる。俺は気取らねえ男だ。欲しいのはラム酒とベーコンと卵、それに船を見張れる、あそこの岬だけだ。俺を何と呼ぶかって? 船長と呼べばいい。おっと、何が言いたいかわかったよ――ほら」そう言って、敷居に金貨を三、四枚投げ出した。「これを使い切ったら言ってくれ」と、司令官のような恐ろしい目つきで言った。

実際、服装はみすぼらしく、口調も粗野だったが、一介の水夫には見えなかった。むしろ命令されるより命令し、従わなければ殴りつけることに慣れた航海士か船長のようだった。手押し車の男によれば、前日の朝、郵便馬車が老船乗りを「ロイヤル・ジョージ」で降ろしたという。沿岸にどんな宿があるか尋ね、評判がよく、人里離れていると聞いて、ほかを差し置き、わが家を宿に選んだらしい。客についてわかったのは、それだけだった。

船長はもともと、ひどく無口な男だった。昼間は真鍮の望遠鏡を手に入り江や崖をぶらつき、夜は居間の暖炉脇の隅に座って、ひどく濃いラム酒の水割りを飲んだ。話しかけてもたいてい返事はせず、突然恐ろしい目で見上げ、霧笛のように鼻を鳴らすだけだった。私たちも宿の客も、やがて放っておくことを覚えた。散歩から戻るたび、道を船乗りが通らなかったかと尋ねた。初めは同業者の仲間が恋しいのだと思ったが、やがて、むしろ避けたがっているのだとわかった。ブリストルへ向かう沿岸道を旅する船乗りが、ときおり「アドミラル・ベンボー」に泊まると、船長は居間へ入る前に、カーテンの陰から相手をのぞき見た。そして船乗りがいる間は、必ず鼠のように黙り込んだ。少なくとも私には、その理由は謎ではなかった。私もいわば、船長の恐怖を分かち合っていたからだ。

ある日、船長は私を脇へ呼び、毎月一日に銀貨四ペンスをやるから、「片脚の船乗りを油断なく見張り」、現れたらすぐ知らせろと言った。月初めに賃金を求めても、鼻を鳴らしてにらみつけるばかりのことがよくあった。それでも一週間が過ぎる前には必ず考え直し、四ペンス銀貨を持ってきて、「片脚の船乗り」を見張れと命じ直した。

その男がどれほど私の夢につきまとったかは、言うまでもない。嵐の夜、風が家の四隅を揺らし、波が入り江から崖へと轟くと、男は幾千もの姿、幾千もの悪魔めいた顔つきで現れた。脚が膝からなくなっていることもあれば、腰からないこともあった。生まれつき胴の真ん中に一本しか脚のない怪物のこともあった。そんな姿で垣根や溝を飛び越え、走って私を追ってくる夢は、悪夢のなかでも最悪だった。忌まわしい幻という代償を思えば、毎月の四ペンスはずいぶん高くついた。

しかし、片脚の船乗りという考えには心底おびえていた私も、船長本人については、知り合いの誰より恐れていなかった。船長は、ときに正気を保てないほどラム酒の水割りを飲んだ。そうなると誰にも構わず、邪悪で古く、荒々しい船乗り歌を座ったまま歌うこともあれば、皆の分のグラスを注文し、震え上がる客たちに無理やり昔話を聞かせたり、歌の合唱をさせたりした。「ヨー・ホー・ホー、ラム酒が一本!」という歌で家中が震え、近所の者たちが命惜しさに加わって、目をつけられまいと互いに負けじと大声で歌うのを、私は何度も聞いた。こうした発作の最中、船長ほど人を威圧する者はいなかった。手で卓を叩いて皆を黙らせ、質問されれば激怒した。かと思えば、誰も質問しないため、話を聞いていないのだと怒ることもあった。自分が眠くなるまで飲み、ふらふら寝床へ向かうまでは、誰一人宿から出さなかった。

何より人々を恐れさせたのは、船長の話だった。首吊り、板歩きの刑、海の嵐、ドライ・トルトゥーガス、スペニッシュ・メインでの荒々しい行いと土地――どれも恐ろしい話ばかりだった。本人の話を信じるなら、神が海に浮かぶことを許した者のなかでも最悪の悪党どもに囲まれて、人生を送ってきたに違いない。その話しぶりの下品さは、語られる犯罪そのものと同じほど、素朴な田舎の人々を震え上がらせた。父はいつも、これでは宿が潰れると言っていた。横暴に扱われ、言い負かされ、震えながら寝床へ追いやられるために来る客など、じきにいなくなるというのだ。しかし実際には、船長の存在は商売の助けになっていたと思う。その場では怖がっても、あとから振り返ると、皆まんざらでもなかったらしい。静かな田舎暮らしには格好の刺激だったのだ。若者の一団などは船長を崇拝するふりをして、「生粋の海の荒くれ」「筋金入りの老水夫」などと呼び、イングランドを海の恐怖にしたのは、ああいう男だと言っていた。

もっとも、ある意味では本当に私たちを破産させかねなかった。何週間経っても、やがて何か月経っても居続け、最初の金などとうに尽きたのに、父は追加を要求する勇気を持てなかった。その話を出すたび、船長は吠えるほど大きく鼻を鳴らし、哀れな父を部屋からにらみ出した。そんな仕打ちのあと、父が両手を揉み合わせているのを見たことがある。日々の苛立ちと恐怖が、父の早すぎる不幸な死を大いに早めたに違いない。

私たちの宿にいた間、船長が服装を変えたのは、行商人から靴下を買ったときだけだった。三角帽子の角の一つが垂れ下がっても、そのままにした。風にあおられるとひどく邪魔だったのにである。上着の姿もよく覚えている。二階の部屋で自ら繕い、しまいには継ぎ当てだけになっていた。手紙を書いたことも、受け取ったこともない。話す相手は近所の者だけで、それもたいていラム酒に酔ったときだけだった。大きな船乗り箱が開くところは、誰も見たことがなかった。

船長が一度だけ屈服させられたことがある。それは滞在の終わりごろ、哀れな父の肺病がかなり進み、死が迫っていた時期だった。ある日の夕方遅く、リヴジー博士が診察に来た。母の出した軽い夕食を取り、村から馬が来るまでパイプを吸おうと居間へ入った。古い「ベンボー」には馬小屋がなかったからだ。

私もあとについて入り、清潔で明るい博士と田舎者たちとの違いに目を見張ったのを覚えている。博士は雪のように白い髪粉をつけ、黒い目は輝き、物腰も感じがよかった。まして、腕を卓に投げ出し、ラム酒にひどく酔って座る、薄汚く、鈍重で、目の濁った案山子のような海賊とは、何という違いだったことか。突然、その船長が、いつもの歌を甲高く歌い始めた。

「死人の箱にゃ十五人――

ヨー・ホー・ホー、ラム酒が一本! 

酒と悪魔が残りを始末――

ヨー・ホー・ホー、ラム酒が一本!」

初めのころ私は「死人の箱」とは、二階の表部屋にある船長の大箱のことだと思い、その想像が片脚の船乗りと混じって悪夢に現れたものだった。だがこのころには、皆とっくに歌など気にしなくなっていた。その晩、初めて聞いたのはリヴジー博士だけだったが、博士には不快だったらしい。険しい目で一瞬見上げたものの、すぐ庭師の老テイラーを相手に、新しいリウマチ治療法の話を続けた。一方、船長は自分の歌で次第に上機嫌になり、ついには卓を平手で叩いた。それが「静かにしろ」という合図であることを、私たちは知っていた。声はたちまち止んだ――リヴジー博士を除いて。博士は変わらず、明瞭で穏やかな声で話し続け、二言ごとにパイプを勢いよく吸った。船長はしばらくにらみつけ、また卓を叩き、さらに激しくにらみ、とうとう下劣な悪態とともに怒鳴った。「甲板の間で、ぺちゃくちゃうるせえぞ!」

「私に言っているのかね?」博士は言った。無頼漢がさらに悪態をつきながら、そうだと答えると、博士は言った。「ならば一つだけ言っておこう。ラム酒を飲み続ければ、世間は間もなく、実に薄汚い悪党から解放されるだろう。」

老船乗りの怒りは凄まじかった。跳び上がり、船乗り用の折り畳みナイフを抜いて開くと、掌の上で弄びながら、博士を壁に縫いつけるぞと脅した。

博士は身じろぎもしなかった。先ほどと同じく肩越しに、部屋中に聞こえるよう少し高めながら、どこまでも静かで落ち着いた声で言った。

「今すぐそのナイフを懐へしまわなければ、私の名誉にかけて約束しよう。次の巡回裁判で君は絞首刑だ。」

二人はしばらく視線で戦った。しかし船長はすぐ屈し、武器をしまって腰を下ろすと、負け犬のように唸った。

「さて」と博士は続けた。「私の管轄にこんな男がいると知った以上、昼も夜も君を見張っていると思いたまえ。私は医者であるだけでなく治安判事でもある。今夜のような無礼だけでも、君に対する訴えを一言でも耳にしたら、必ずや君を追い詰め、この土地から叩き出す。それを忘れるな。」

ほどなくリヴジー博士の馬が戸口へ着き、博士は去った。しかし船長はその晩も、それから幾晩もの間、静かにしていた。


第二章 ブラック・ドッグ、現れて消える

それからほどなく、最初の奇怪な事件が起きた。それがやがて船長本人を私たちから取り除くことになるのだが、これからわかるように、船長にまつわる厄介事までは消えてくれなかった。その冬は厳しく、長い霜と激しい嵐が続いた。哀れな父が春を迎えられそうにないことは、初めから明らかだった。父は日ごとに衰え、母と私は宿の切り盛りをすべて背負っていたから、不愉快な客に構っている暇などなかった。

一月の早朝だった。身を切るような霜の朝で、入り江は霜で一面灰色に染まり、さざ波が小石を静かに洗っていた。太陽はまだ低く、丘の頂だけを照らし、沖合遠くに光を投げていた。船長はいつもより早く起き、浜へ出かけていった。古びた青い上着の広い裾の下では舶刀カトラスが揺れ、脇には真鍮の望遠鏡を抱え、帽子を後ろへ傾けていた。大股で歩くあとには吐息が煙のように残った。大岩を回り込むとき、最後に聞こえたのは、憤慨したような大きな鼻息だった。まだリヴジー博士のことを考えていたのだろう。

さて、母は二階で父に付き添い、私は船長が戻るのに備えて朝食の卓を整えていた。すると居間の戸が開き、見たことのない男が入ってきた。青白く、脂蝋のような肌をして、左手の指が二本なかった。舶刀は差していたが、強そうには見えなかった。私は一本脚だろうと二本脚だろうと、船乗りにはいつも目を光らせていたが、この男には戸惑った。船乗りらしくないのに、どこか潮の匂いがしたからだ。

何の用かと尋ねると、ラム酒をくれと言った。私が取りに出ようとすると、男は卓に腰かけ、近くへ来いと手招きした。私は布巾を手に、その場で立ち止まった。

「こっちへ来な、坊主」と男は言った。「もっと近くへ。」

私は一歩近づいた。

「この卓は、俺の相棒ビルのためか?」男は薄笑いを浮かべて尋ねた。

ビルという相棒は知らない、これはここに泊まっている、私たちが船長と呼ぶ人のためだと答えた。

「なるほど」と男は言った。「俺の相棒ビルも、たぶん船長と呼ばれてるだろうな。片頬に傷があって、愛想のいい奴だ――特に酔うとな。まあ、仮にお前さんの船長にも片頬に傷があるとしよう。ついでに、それが右頬だとしてみようじゃねえか。ああ、やっぱりな! 言ったとおりだ。で、俺の相棒ビルはこの家にいるのか?」

散歩に出ていると答えた。

「どっちへだ、坊主? どっちへ行った?」

私は大岩を指し、船長がどちらから、あとどれほどで戻るかを話し、ほかにも二、三の質問に答えた。すると男は「ああ」と言った。「こいつは相棒ビルにとっちゃ、酒より効きそうだ。」

そう言ったときの表情は、決して愉快なものではなかった。言葉どおりの意味だとしても、この見知らぬ男は何か勘違いしている――そう思うだけの理由が私にはあった。とはいえ私には関係ないし、どうすればよいかもわからなかった。

男は宿の戸口の内側をうろつき、鼠を待つ猫のように角からのぞいていた。一度、私が道へ出ると、すぐ呼び戻した。戻るのが遅いと見るや、脂蝋のような顔がぞっとするほど変わり、思わず飛び上がるような悪態をついて、中へ入れと命じた。私が戻ると、男はまた、へつらい半分、嘲り半分の態度に戻った。肩を叩き、いい子だ、気に入ったと言った。「俺にも息子がいてな」と男は言った。「お前と瓜二つで、俺の自慢だ。だが坊主にいちばん大事なのは規律だ――規律だぞ。お前がビルと航海してたなら、二度も言われるまでそこに突っ立っちゃいなかった。ビルはそんな真似を許さねえし、ビルと船に乗った連中も同じだ。おや、やっぱり来たぞ。脇に望遠鏡を抱えた俺の相棒ビルだ。懐かしい奴め。さあ坊主、俺たちは居間へ戻って戸の陰へ隠れ、ビルをちょいと驚かせてやろうじゃねえか――まったく懐かしい奴だ。」

そう言って男は私とともに居間へ後ずさりし、私を自分の後ろの隅へ置いた。開いた戸で二人とも隠れる形になった。私はひどく不安で怖かったが、見知らぬ男自身も明らかにおびえているのを見て、いっそう恐ろしくなった。男は舶刀の柄をむき出しにし、鞘の中で刃を緩めた。待っている間じゅう、いわゆる喉に物が詰まったように、何度も唾を呑み込んでいた。

やがて船長が大股で入ってきた。左右も見ずに背後の戸を叩き閉め、朝食の待つ部屋の向こうへ真っすぐ進んだ。

「ビル」と見知らぬ男が、無理に太く勇ましくしたような声で呼んだ。

船長は踵を軸に振り向き、こちらへ向き直った。顔から赤銅色がすっかり消え、鼻まで青ざめていた。幽霊か悪魔か、もしそれ以上に恐ろしいものがあるなら、それを見たような顔だった。一瞬にしてひどく老い、病人のようになった船長を見て、私は気の毒にさえ思った。

「おいビル、俺がわかるだろう。昔の船仲間を忘れたわけじゃあるまいな」と男は言った。

船長は息を呑んだ。

「ブラック・ドッグ!」

「ほかに誰がいる?」相手は少し余裕を取り戻して答えた。「昔ながらのブラック・ドッグが、宿屋『アドミラル・ベンボー』まで古い船仲間ビリーに会いに来たのさ。ああ、ビル、ビル、この二本の爪をなくして以来、俺たちは実にいろんな目に遭ったな」そう言って、指の欠けた手を上げた。

「よく聞け」と船長は言った。「俺を見つけたんだ。俺はここにいる。なら、さっさと言え。何の用だ?」

「相変わらずだな、ビル」とブラック・ドッグは答えた。「そのとおりだ、ビリー。気に入った、このかわいい坊やにラム酒を一杯もらおう。それから座って、昔の船仲間らしく腹を割って話そうじゃねえか。」

私がラム酒を持って戻ると、二人はすでに朝食の卓を挟んで座っていた。ブラック・ドッグは戸口の近くに横向きに座り、片目で昔の仲間を、もう片方で逃げ道を見張っているようだった。

男は私に出ていき、戸は開けたままにしろと言った。「鍵穴から盗み聞きはなしだぜ、坊主」と言うので、私は二人を残して酒場へ退いた。

懸命に聞き耳を立てたが、長い間、低いぼそぼそ声しか聞こえなかった。やがて声が高くなり、船長の悪態を中心に、いくつか言葉が聞き取れた。

「いや、いや、いや、いや、それで終わりだ!」と一度は叫んだ。また、「吊られるなら、全員一緒に吊られろってんだ」とも言った。

突然、凄まじい悪態と騒音が炸裂した。椅子と卓がひっくり返り、鋼のぶつかる音、苦痛の叫びが続いた。次の瞬間、ブラック・ドッグが全速力で逃げ、船長が猛然と追いかけてきた。二人とも抜き身の舶刀を手にし、ブラック・ドッグの左肩からは血が流れていた。戸口で船長は、逃げる相手に最後の凄まじい一撃を浴びせた。もし大きな「アドミラル・ベンボー」の看板に阻まれなければ、顎まで真っ二つにしただろう。

額縁の下側には、今もその刃痕が残っている。

その一撃で戦いは終わった。道へ出ると、ブラック・ドッグは負傷しているにもかかわらず見事な俊足を見せ、半分も経たぬうちに丘の向こうへ消えた。一方、船長は途方に暮れたように看板を見つめていた。それから何度か目をこすり、ようやく宿へ戻ってきた。

「ジム」と船長は言った。「ラム酒だ」言いながら少しよろめき、片手を壁について体を支えた。

「怪我をしたの?」私は叫んだ。

「ラム酒だ」と繰り返した。「ここから逃げなきゃならねえ。ラム酒だ! ラム酒!」

私は取りに走ったが、今の出来事ですっかり動転し、グラスを一つ割り、樽の栓もしくじった。もたもたしていると、居間で大きな物音がした。駆け込むと、船長が床に長々と倒れていた。同時に叫び声と争う音を聞きつけた母が、二階から走り降りて助けに来た。二人で船長の頭を起こした。呼吸はひどく大きく苦しげだったが、目は閉じ、顔は恐ろしい色になっていた。

「まあ、なんてこと!」母は叫んだ。「宿の面汚しだわ! お父さんも病気だというのに!」

私たちには、船長を助ける方法がまるでわからなかった。見知らぬ男との争いで致命傷を負ったとばかり思った。とにかくラム酒を持ってきて喉へ流し込もうとしたが、歯は固く閉じ、顎は鉄のようだった。戸が開き、父の診察に来たリヴジー博士が入ってきたときには、心からほっとした。

「先生」と私たちは叫んだ。「どうすれば? どこを怪我しているんです?」

「怪我だって? 馬鹿を言うな!」博士は言った。「君たちと同じく怪我などしていない。私が警告したとおり、卒中を起こしたのだ。さてホーキンス夫人、二階のご主人のところへ行って、できればこの件は何も話さないでくれ。私はこの男の三重に値打ちのない命を救うため、できる限りのことをせねばならん。ジム、鉢を持ってきなさい。」

鉢を持って戻ると、博士はすでに船長の袖を裂き、大きく筋張った腕を露出させていた。何か所も刺青があった。前腕には「幸運を」「順風」「ビリー・ボーンズのお気に入り」と、実に整った鮮明な文字が彫られていた。肩近くには絞首台と、そこからぶら下がる男の絵があり、私にはなかなか勢いよく描かれているように見えた。

「予言的だな」と、博士は指で絵に触れながら言った。「さて、ビリー・ボーンズ君、それが本名なら、君の血の色を拝見しよう。ジム、血は怖いか?」

「いいえ」と私は答えた。

「では鉢を持っていなさい」そう言うと博士は瀉血刀ランセットを取り、静脈を切り開いた。

大量の血を抜いてから、船長は目を開き、ぼんやり周囲を見回した。まず博士を認め、あからさまに顔をしかめた。次に私を見て、ほっとした様子を見せた。しかし突然顔色を変え、起き上がろうとして叫んだ。

「ブラック・ドッグはどこだ?」

「ここにブラック・ドッグはいない」と博士は言った。「いるとすれば、君自身の背に取り憑いているやつだけだ。ラム酒を飲み、私が言ったとおり卒中を起こした。私は今、まったく不本意ながら、君の頭をつかんで墓から引きずり出したところだ。さて、ボーンズ君――」

「俺の名じゃねえ」と船長が遮った。

「どうでもいい」と博士は答えた。「私の知っている海賊の名で、手短だからそう呼ぶだけだ。言いたいのはこうだ。ラム酒一杯なら君を殺しはしない。だが一杯飲めば、次も、その次も飲む。私の鬘を賭けてもいい、今すぐきっぱりやめなければ、君は死ぬ。わかったか――死んで、聖書の男のように、自分にふさわしい場所へ行くのだ。さあ、努力したまえ。一度だけ寝床まで運んでやろう。」

大変な苦労の末、二人がかりで船長を二階へ運び、寝床に寝かせた。頭は気を失いかけたように枕へ沈んだ。

「よく覚えておけ」と博士は言った。「良心に従って警告する。ラム酒という言葉は、君にとって死という意味だ。」

そう言って博士は父を診察しに向かい、私の腕を取って連れていった。

「大したことではない」と、戸を閉めるなり言った。「しばらく大人しくなるだけの血は抜いた。一週間はそのまま寝かせておけ。それが本人にも君たちにも一番だ。だが、もう一度卒中を起こせば終わりだ。」


第三章 黒い印

正午ごろ、私は体を冷やす飲み物と薬を持って船長の部屋へ行った。船長は私たちが残したときとほぼ同じ姿勢で、少し上体を起こしていた。弱り切っている一方、ひどく興奮していた。

「ジム」と言った。「ここで役に立つのはお前だけだ。俺がいつもよくしてやったのも知ってるな。毎月欠かさず四ペンス銀貨をやった。今の俺を見ろ、相棒。弱り切って、みんなに見捨てられてる。なあジム、ラム酒を一杯持ってきてくれるよな?」

「でも博士が――」と私は言いかけた。

船長は弱々しくも心底から、博士への悪態をついて遮った。「医者なんざ、どいつも役立たずだ」と言った。「あの医者に船乗りの何がわかる? 俺はタールみてえに暑い土地にもいた。黄熱病で仲間がばたばた倒れ、地震で神聖な大地が海みたいにうねる土地にもな。医者がそんな土地の何を知ってる? 俺はラム酒で生きてきた。飯も飲み物も、友も女房も、全部ラム酒だった。今さら飲めねえなら、俺は風下の岸に乗り上げた古い廃船だ。俺の血はお前と、あの藪医者の責任になるぞ、ジム」船長はしばらく悪態を続けた。「見ろ、ジム、指がこんなに震えてやがる」と、今度は哀願するように言った。「止められねえ。今日という今日は、一滴も飲んでないんだ。あの医者は馬鹿だ。ラム酒を一口飲まなきゃ、恐ろしい幻覚が来る。もういくつか見た。お前の後ろの隅に、昔のフリントがいたぞ。はっきりとな。俺は荒っぽく生きてきた男だ。幻覚が来たら大暴れするぞ。あの医者だって、一杯なら害はないと言った。ラム酒一杯に金貨一ギニーやるぞ、ジム。」

船長はますます興奮していき、私は不安になった。その日は父がひどく弱っていて、静かにさせる必要があったからだ。それに博士が言ったという言葉を聞いて安心もしたし、賄賂を持ちかけられたことには少し腹が立った。

「あなたのお金なんか要らない」と私は言った。「父さんに借りている分以外はね。一杯だけ持ってくる。それ以上は駄目だ。」

持っていくと、船長は貪るようにつかみ、一息に飲み干した。

「ようし」と言った。「たしかに少しましだ。ところで相棒、あの医者は、この古い船床にいつまで寝てろと言った?」

「少なくとも一週間。」

「雷に打たれちまえ!」船長は叫んだ。「一週間だと! そんなにいたら、奴らが黒い印を持ってくる。あの間抜けどもは、今この瞬間にも俺の風上を取ろうとしてる。手にした物も守れねえくせに、他人の物を奪おうって連中だ。そんなのが船乗りの流儀か? だが俺は倹約家だ。稼いだ金を無駄にしたことも、なくしたこともねえ。また奴らを出し抜いてやる。帆をもう一段広げて、また逃げ切るぞ、相棒。」

そう話しながら、船長はひどく苦労して寝床から起き上がった。私が叫びそうになるほど強く肩をつかみ、両脚を死んだ重りのように引きずった。言葉の中身は勇ましいのに、声の弱々しさとは悲しいほど不釣り合いだった。寝台の端に座ると、動きを止めた。

「あの医者にやられた」と呟いた。「耳が鳴ってる。寝かせてくれ。」

私がろくに手を貸さないうちに、船長はもとの場所へ倒れ込み、しばらく黙って横たわった。

「ジム」と、やがて言った。「今日、あの船乗りを見たな?」

「ブラック・ドッグ?」

私は尋ねた。

「ああ、ブラック・ドッグだ」と船長は言った。「あいつも悪党だが、差し向けた奴らはもっと悪い。俺がどうしても逃げられず、奴らに黒い印を渡されたら、よく覚えとけ。狙いは俺の古い船乗り箱だ。馬には乗れるな? なら馬に乗って――よし、そうだ! ――あのいまいましい藪医者のところへ行け。それで全員集合をかけろと伝えるんだ――治安判事やら何やらにな。そして『アドミラル・ベンボー』で奴らに斬り込ませろ。昔のフリント一味、生き残った連中を、男も小僧も一人残らずだ。俺は一等航海士だった。昔のフリントの一等航海士だ。場所を知るのは俺だけだ。フリントはサバンナで死にかけたとき、今の俺みたいになって、俺に教えたんだ。だが黒い印を渡されるか、ブラック・ドッグをもう一度見るか、片脚の船乗りを見ない限り、密告するな。特に片脚の男には気をつけろ、ジム。」

「でも、黒い印って何なの、船長?」

私は尋ねた。

「あれは召喚状だ、相棒。渡されたら教えてやる。だが油断なく見張ってろ、ジム。そうすれば名誉にかけて、山分けにしてやる。」

船長はしばらく取り留めなく話し続け、声は次第に弱くなった。私が薬を飲ませると、「薬が必要な船乗りがいるとすりゃ、この俺だ」と言って子供のように素直に飲み、やがて昏睡にも似た深い眠りへ落ちたので、私は部屋を出た。何事も起こらなければ、私がどうしたかはわからない。おそらく博士にすべて話しただろう。船長が告白を後悔して私を殺すのではないかと、死ぬほど怖かったからだ。しかし実際には、その晩、哀れな父が突然亡くなり、ほかのことはすべて後回しになった。自然な悲しみ、近所の人々の弔問、葬儀の手配、その合間にも続けねばならない宿の仕事で、私は忙殺された。船長のことを考える暇すらなく、まして恐れる余裕などなかった。

翌朝、船長は案の定、階下へ降りてきて、食事もいつもどおり取った。ほとんど食べなかったが、ラム酒は普段以上に飲んだらしい。恐ろしい顔をして鼻を鳴らし、酒場から勝手に注いでいたため、誰も逆らえなかった。葬儀の前夜には相変わらず泥酔していた。喪に服す家で、醜悪な古い船乗り歌を歌うのを聞くのは耐えがたかった。しかし弱っているとはいえ、私たちは皆、船長を死ぬほど恐れていた。しかも博士は何マイル(数キロメートル)も離れた場所の急患にかかりきりとなり、父の死後は一度も宿へ来なかった。船長は弱っていたと書いたが、実際、回復するどころかますます衰えていった。階段を這うように上り下りし、居間から酒場へ、酒場から居間へ往復し、ときには戸外へ鼻を出して海の匂いを嗅いだ。壁につかまりながら歩き、険しい山を登る者のように速く苦しげな息をした。私に特別話しかけることはなく、打ち明け話もほとんど忘れていたのだと思う。しかし気分はさらに不安定になり、体の弱りを考慮しても、かつてないほど乱暴になった。酔うと舶刀を抜き、卓上にむき出しで置くという、恐ろしい癖もついた。それでも人への関心は薄れ、自分の考えに閉じこもり、時折ぼんやりしていた。あるときなど、私たちを大いに驚かせ、いつもとは違う節を歌い出した。船乗りになる前、若いころに覚えたらしい、田舎の恋歌だった。

そうして日々が過ぎ、葬儀の翌日となった。霧深く、凍えるほど寒い午後三時ごろ、私は父のことを悲しく考えながら、しばらく戸口に立っていた。すると道をゆっくり近づいてくる者が見えた。杖で前を探り、目と鼻を覆う大きな緑の庇をつけているので、明らかに盲人だった。老齢か虚弱のためか背中が曲がり、大きく古びたぼろぼろの船乗り外套をまとっていた。頭巾のせいで、まるで体が歪んでいるように見えた。これほど恐ろしい姿を、私は生まれて初めて見た。男は宿から少し離れた場所で止まり、奇妙な節回しの声を張り上げ、前方の空間へ呼びかけた。

「祖国イングランドを慈悲深く守る戦いで、かけがえのない両目の光を失った、哀れな盲人に、どなたか親切な方、今いるのがこの国のどこなのか教えてくださらんか。神よ、ジョージ王を祝福したまえ!」

「ここはブラックヒル・コーブの『アドミラル・ベンボー』です」と私は答えた。

「声が聞こえる」と男は言った。「若い声だ。親切な若い方、手を貸して、中まで連れていってくださらんか?」

私が手を差し出すと、目のない、恐ろしくも穏やかな口調の生き物は、たちまち万力のように握り締めた。驚いて引き離そうとしたが、盲人は片腕を動かしただけで私を引き寄せた。

「さあ坊主」と男は言った。「船長のところへ連れていけ。」

「でも」と私は言った。「本当に、それはできません。」

「ほう」と男は嘲った。「そういうことか! 真っすぐ連れていけ。さもなきゃ腕を折るぞ。」

そう言いながら腕を捻り上げたので、私は悲鳴を上げた。

「あなたのために言っているんです。船長は以前とは違います。抜き身の舶刀を持って座っています。別の人が――」

「さあ、歩け」と男は遮った。あの盲人ほど残酷で、冷たく、醜い声を聞いたことがない。痛み以上にその声に屈し、私はすぐ言われたとおり、戸から真っすぐ居間へ向かった。そこでは病んだ老海賊が、ラム酒に酔ってぼんやり座っていた。盲人は鉄の拳で私をつかみ、支え切れないほどの体重を預け、ぴったり離れなかった。「奴のところまで真っすぐ連れていけ。正面へ来たら、『友達が来たよ、ビル』と叫べ。言わなければこうするぞ」そう言って、気を失いそうになるほど腕を捻った。あれやこれやで盲目の物乞いがあまりにも恐ろしく、船長への恐怖さえ忘れた。居間の戸を開けると、命じられた言葉を震える声で叫んだ。

哀れな船長が目を上げた。一目見ただけで酔いは消し飛び、しらふの目で見つめた。顔に浮かんだのは恐怖というより、死に瀕した病人の苦悶だった。立とうとしたが、もう力が残っていなかったのだろう。

「さあビル、座ったままでいろ」と物乞いは言った。「目が見えなくても、指一本動けば聞こえる。仕事は仕事だ。左手を出せ。坊主、奴の左手首をつかみ、俺の右手のそばへ持ってこい。」

私たちは一言一句そのとおりにした。盲人は杖を持つ手のくぼみから何かを船長の掌へ渡し、船長は即座に手を閉じた。

「これで終わりだ」と盲人は言った。そして突然私を放すと、信じがたいほど正確ですばしこい足取りで居間を抜け、道へ出た。私は立ち尽くしたまま、杖のコツ、コツという音が遠ざかっていくのを聞いた。

私も船長も、正気を取り戻すまでしばらくかかった。やがて、ほぼ同時に、私はまだ握っていた船長の手首を放し、船長も手を引いて掌を鋭く見つめた。

「十時!」と叫んだ。「あと六時間! まだ奴らを出し抜ける!」そうして立ち上がった。

立ち上がった途端、よろめいて喉を押さえ、しばらく揺れていたが、やがて奇妙な声を漏らし、棒立ちの姿勢から顔を下にして床へ倒れた。

私は母を呼びながら、すぐ船長へ駆け寄った。しかし急いでも無駄だった。激しい卒中に襲われ、船長は死んでいた。自分でも不思議に思う。私はこの男を好きだったことなど一度もない。近ごろは気の毒に思い始めていたとはいえ、死んだとわかった途端、涙があふれて止まらなくなった。私が経験した二度目の死であり、最初の死の悲しみがまだ胸に生々しく残っていたのだ。


第四章 船乗り箱

当然、私はすぐ、知っていることをすべて母に話した。もっと早く話すべきだったのかもしれない。私たちはたちまち、困難で危険な立場に置かれていると悟った。船長に金があれば、その一部はたしかに私たちへ支払われるべきだった。しかし船長の仲間たち、なかでも私が見たブラック・ドッグと盲目の物乞いが、死者の借金を払うため獲物を手放すとは思えなかった。船長の言いつけどおり、すぐ馬に乗ってリヴジー博士のもとへ行けば、母を一人きりの無防備な状態で残すことになる。それは到底考えられない。とはいえ、どちらもこれ以上長く宿にいられそうになかった。台所の炉で石炭が崩れる音も、時計の針が刻む音さえも、私たちを震え上がらせた。近づく足音が近所中に満ちているように聞こえた。居間の床に横たわる船長の死体と、近くをうろつき、いつ戻ってくるとも知れない忌まわしい盲目の物乞いを思うと、文字どおり恐怖で飛び上がることもあった。すぐ何かを決めねばならなかった。やがて二人で外へ出て、近くの村へ助けを求めることにした。決まるや否や、帽子もかぶらず、暮れゆく凍てついた霧の中へ走り出した。

村は数百ヤード(数百メートル)も離れていなかったが、次の入り江の向こう側で、ここからは見えなかった。心強かったのは、盲人が現れ、戻っていったらしい方向とは反対側だったことだ。道中、何度か立ち止まり、互いにつかまって耳を澄ませたものの、数分もかからなかった。異常な音はなかった。聞こえるのはさざ波が低く打ち寄せる音と、森に棲む鳥たちの鳴き声だけだった。

村へ着くころには、すでに灯をともす時間になっていた。戸や窓から漏れる黄色い光を見て、どれほど勇気づけられたか、生涯忘れないだろう。だが結局、それが村で得られた最大の助けだった。恥を知れと言いたくなるが、誰一人、私たちと「アドミラル・ベンボー」へ戻ろうとはしなかったのだ。

窮状を話せば話すほど、男も女も子供も、家から出ようとしなくなった。フリント船長の名は、私には初耳だったが、村の何人かはよく知っており、恐怖の重みを帯びていた。それに「アドミラル・ベンボー」の向こうで畑仕事をしていた男たちは、道で見知らぬ者を何人も見かけ、密輸業者だと思って逃げたことを思い出した。少なくとも一人は、キッツ・ホールと呼ばれる場所に小型帆船がいるのを見ていた。いずれにせよ、船長の仲間というだけで死ぬほど怖かったのだ。結局、反対方向にあるリヴジー博士の家まで馬で行ってくれる者は何人か見つかったが、宿を守るのを手伝う者は一人もいなかった。

臆病は伝染するといわれる。しかし反対に、議論は人を大胆にする。それぞれが言い分を述べたあと、母は皆に向かって演説した。父を失った息子の金を、奪われるつもりはないと言い切った。「あなたたちの誰にも勇気がないなら」と母は言った。「ジムと私にはあります。来た道を戻ります。図体ばかり大きい臆病者のあなたたちには、礼など言いません! 死ぬことになっても、あの箱を開けてみせます。クロスリーさん、その袋を貸してください。正当に受け取るべきお金を入れて戻りますから。」

もちろん私は母と行くと言った。皆は無謀だと口々に叫んだが、それでも同行しようという男はいなかった。できるのは、襲われたときのために弾を込めた拳銃を私に持たせることと、帰りに追われた場合に備え、鞍を置いた馬を用意しておくと約束することだけだった。一人の若者が武装した援軍を求め、博士のもとへ先行することになった。

危険な試みに臨み、冷たい夜へ二人で踏み出したとき、胸は激しく高鳴った。満月が昇り始め、霧の上端から赤くのぞいていたため、私たちはますます急いだ。戻るころには昼間のように明るくなり、見張る者がいれば逃げる姿をさらすことになるのは明らかだった。垣根沿いを音もなく、素早く進んだ。恐怖を増すものは何一つ見聞きせず、とうとう「アドミラル・ベンボー」の戸が背後で閉じたときには、心底ほっとした。

私はすぐ閂をかけた。暗闇の中、船長の死体とともに二人きりで、しばらく息を切らして立っていた。母は酒場で蝋燭をともし、互いの手を握って居間へ進んだ。船長は残したときのまま仰向けに倒れ、目を開き、片腕を伸ばしていた。

「覆いを下ろして、ジム」と母は囁いた。「外から見張られるかもしれない。さあ」と、私が下ろし終えると言った。「あれから鍵を取らないと。でも誰が触るの?」そう言いながら、すすり泣くような声を漏らした。

私はすぐ膝をついた。船長の手のそばに、片面を黒く塗った小さな丸い紙が落ちていた。これが黒い印であることは疑いなかった。拾い上げると、裏には整った読みやすい字で、短い伝言が書かれていた。「今夜十時までだ。」

「十時までだったんだ、母さん」と私は言った。ちょうどそのとき、古時計が時を打ち始めた。突然の音に私たちはひどく驚いたが、知らせは悪くなかった。まだ六時だったからだ。

「さあジム」と母は言った。「鍵よ!」

私は船長のポケットを一つずつ探った。入っていたのは少額の硬貨、指貫、糸と大きな針、端を噛み切った棒状の煙草、曲がった柄の小刀、携帯用の羅針盤、火口箱だけだった。私は絶望しかけた。

「首にかけているのかもしれないわ」と母が言った。

強い嫌悪感をこらえ、船長のシャツの襟を引き裂いた。すると案の定、タールまみれの紐に鍵が下がっていたので、船長の小刀で切った。成功に希望を取り戻した私たちは、すぐ二階へ駆け上がった。船長が長く寝泊まりし、到着の日から箱が置かれていた小部屋である。

外見はどこにでもある船乗り箱だった。蓋には焼き鏝で頭文字の「B」が焼きつけられ、長年手荒く扱われたためか、角は潰れ、壊れていた。

「鍵をちょうだい」と母は言った。錠はひどく固かったが、母は瞬く間に回して蓋を開けた。

中から煙草とタールの強い匂いが立ち上った。いちばん上には、丁寧にブラシをかけ、畳んだ上等な服一式しか見えなかった。一度も着ていないようだと母は言った。その下からは雑多な品々が出てきた。四分儀しぶんぎ、ブリキの小杯、棒煙草数本、立派な拳銃二組、銀の延べ棒、古いスペイン製の時計、価値の低い外国製らしい装身具、真鍮をあしらったコンパス一組、珍しい西インド諸島の貝殻が五、六個。追われる罪深い放浪生活に、なぜ貝殻を持ち歩いていたのか、のちに何度も不思議に思った。

銀と装身具のほか、価値のある物は見つからず、どちらも私たちが求めるものではなかった。その下には、多くの港の砂州で海塩を浴び、白くなった古い船用外套があった。母が苛立たしげに引き上げると、箱の底に残った最後の品が現れた。書類らしきものを油布で包んだ束と、触れると金貨の音を立てる帆布袋だった。

「あの悪党どもに、私が正直な女だと思い知らせてやる」と母は言った。「受け取るのは支払われるべき分だけ。一ファージングだって余分には取らない。クロスリーさんの袋を持っていて。」

そして船乗りの袋から私の持つ袋へ、船長の勘定額を数えながら移し始めた。

これは長く難しい作業だった。硬貨はさまざまな国の、さまざまな大きさのものだった。ダブロン金貨、ルイドール金貨、ギニー金貨、八レアル銀貨、そのほか名も知らぬ硬貨が、でたらめに混じっていた。しかも母が計算できるのはギニー金貨だけなのに、それがいちばん少なかった。

半分ほど数えたとき、私は突然母の腕をつかんだ。静かな凍てついた空気の中で、心臓が口から飛び出しそうになる音を聞いたのだ。凍った道を叩く、盲人の杖のコツ、コツという音だった。私たちが息を殺す間にも、音は近づいてきた。やがて宿の戸を鋭く叩き、取っ手を回す音、あの忌まわしい男が入ろうとして閂をがたつかせる音が聞こえた。それから家の内外ともに長い静寂が訪れた。やがて杖の音が再び始まり、言い表せないほどの喜びと感謝のうちに、ゆっくり遠ざかり、ついに聞こえなくなった。

「母さん」と私は言った。「全部持って逃げよう」閂のかかった戸を怪しまれ、蜂の巣を突ついたような騒ぎになると確信していた。とはいえ、あの恐ろしい盲人に会ったことのない者には、閂をかけておいてよかったという私の感謝は理解できないだろう。

しかし母は、怖がりながらも、支払われる額を一銭でも超えて取ることを承知せず、逆に不足したままで済ませるのも頑として拒んだ。まだ七時にはほど遠い、自分の権利はわかっているし、受け取るべきものは受け取ると言った。なおも言い争っていると、丘のかなり遠くから低い口笛が聞こえた。それだけで十分、いや、十分すぎた。

「今ある分だけにするわ」母は跳び上がって言った。

「僕は差額の代わりにこれをもらう」と、油布の包みを拾い上げた。

次の瞬間、私たちは蝋燭を開いた箱のそばに残し、手探りで階段を降りていた。その次の瞬間には戸を開け、一目散に逃げ出していた。出発が遅すぎる寸前だった。霧は急速に晴れつつあった。両側の高台にはすでに月が明るく照り、谷の底と宿の戸口付近にだけ薄い霧の幕が切れずに残り、逃走の第一歩を隠してくれた。村まで半分にも満たない場所、丘の麓を少し越えれば、月明かりの中へ出なければならない。そればかりではない。何人もの走る足音が、すでに耳へ届いていた。振り返ると、一つの灯が上下左右に揺れながら、急速に近づいてきた。新しく来た者の一人が角灯を持っているのだ。

「ジム」と母は突然言った。「お金を持って先に逃げて。気を失いそう。」

これで二人ともおしまいだと私は思った。近所の臆病者どもをどれほど呪ったことか! 哀れな母の正直さと欲深さ、先ほどの無謀さと今の弱さをどれほど恨んだことか! 幸い、私たちはちょうど小さな橋のところにいた。よろめく母を岸の端まで支えると、母はため息をつき、私の肩へ倒れかかった。どこから力が出たのかわからないし、乱暴に扱ってしまったと思うが、どうにか母を岸の下へ引きずり降ろし、橋のアーチの下へ少し運んだ。それ以上は無理だった。橋が低く、下では這うことしかできなかったからだ。こうして私たちはそこにとどまるしかなかった。母の体はほとんど隠れておらず、しかも二人とも、宿の声が聞こえるほど近くにいた。


第五章 盲人の最期

ある意味で、好奇心が恐怖に勝った。じっとしていられず、再び岸まで這い戻った。金雀枝えにしだの茂みに頭を隠せば、宿の前の道を見渡せた。私が位置につくかつかないうちに、敵が現れ始めた。七、八人が全速力で走り、ばらばらな足音を道に響かせていた。角灯を持つ男が数歩先を走っていた。三人の男が手を取り合って並んで走っており、霧越しにも、その中央が盲目の物乞いだとわかった。次の瞬間、声を聞いて間違いないと知った。

「戸をぶち破れ!」盲人は叫んだ。

「アイ、アイ、サー!」二、三人が答え、「アドミラル・ベンボー」へ殺到した。角灯の男も続いた。すると皆が立ち止まり、小声で言葉を交わすのが聞こえた。戸が開いていたため驚いたらしい。しかし立ち止まったのはわずかな間だった。盲人が再び命令した。その声は先ほどより大きく甲高く、焦りと怒りに燃えているようだった。

「入れ、入れ、入れ!」と叫び、ぐずぐずするなと悪態をついた。

四、五人がすぐ従い、恐ろしい物乞いと二人が道に残った。しばらく沈黙があり、次に驚きの声、そして宿の中から叫び声がした。

「ビルは死んでる!」

しかし盲人は、ぐずぐずするなとまた悪態をついた。

「怠け者の間抜けども、何人かは奴の体を探せ。残りは上へ行って箱を取ってこい!」と叫んだ。

古い階段を駆け上がる足音が聞こえ、家全体が震えたに違いない。すぐに新たな驚きの声が上がった。船長の部屋の窓が割れたガラスの音とともに勢いよく開き、一人の男が月明かりの中へ頭と肩を突き出し、下の道にいる盲目の物乞いへ呼びかけた。

「ピュー!」と男は叫んだ。「先を越された」

「ピュー!」と男は叫んだ。「先を越された。誰かが箱を上から下まで荒らしてる。」

「あるのか?」ピューが怒鳴った。

「金はある。」

盲人は金などどうでもいいと罵った。

「フリントの書類のことだ!」と叫んだ。

「どこにも見当たらねえ」と男は答えた。

「下にいる奴、ビルの体にはないのか?」盲人はまた叫んだ。

すると、おそらく階下で船長の死体を探っていた別の男が宿の戸口へ現れた。「ビルはもう探られてる」と言った。「何も残ってねえ。」

「宿の奴らだ――あの小僧だ。目を潰しておけばよかった!」盲人ピューは叫んだ。「少し前までここにいた。俺が来たとき、戸には閂がかかってた。散れ、野郎ども。見つけ出せ!」

「たしかに、奴らの灯がここにある」と窓の男が言った。

「散って捜せ! 家中ひっくり返せ!」ピューは道を杖で叩きながら繰り返した。

それから古い宿の中で大騒ぎが始まった。重い足音が行き交い、家具は投げ倒され、戸は蹴破られた。岩まで反響するほどだった。やがて男たちは一人ずつ道へ戻り、どこにも私たちはいないと言った。そのとき、船長の金を数えていた母と私をおびえさせた、あの口笛が再び夜の中にはっきり響いた。今度は二度繰り返された。私は盲人が仲間を襲撃へ呼ぶ合図だと思っていたが、実際には村の方角の丘から来た合図であり、海賊たちの反応を見る限り、危険の接近を知らせるものだった。

「またダークだ」と一人が言った。「二度だ! ずらかるぞ、みんな。」

「逃げるだと、この臆病者!」ピューは叫んだ。「ダークは初めから馬鹿で腰抜けだ――気にするな。奴らはすぐ近くだ。遠くへは行けねえ。もう手が届くところにいる。散って捜せ、犬ども! ああ、ちくしょう」と叫んだ。「俺に目があれば!」

この訴えは多少効いたらしい。二人が積まれた物の間をあちこち捜し始めた。しかし腰が引け、絶えず自分たちの危険へ片目を向けているようだった。残りは決断できず、道に立っていた。

「何千もの金が目の前にあるのに、馬鹿ども、尻込みするのか! 見つければ王様のように金持ちだ。ここにあると知ってるくせに、こそこそ立ってやがる。お前らのうち、誰一人ビルに立ち向かう勇気はなかった。だが俺はやった――この盲人がだ! お前らのせいで好機を逃せっていうのか! 馬車を乗り回せる身になれるのに、ラム酒を恵んでもらう、地を這う貧乏な物乞いでいろってのか! 堅パンの虫ほどの度胸でもあれば、今からだって捕まえられる!」

「ちくしょう、ピュー。ダブロン金貨は手に入れたじゃねえか!」一人が不平を言った。

「例の物は隠したのかもしれねえ」と別の男が言った。「ジョージ金貨を持っていけ、ピュー。ここで喚くな。」

まさに喚くという言葉がふさわしかった。反論を聞くうち、ピューの怒りはますます激しくなった。ついに激情が完全に勝り、目が見えないまま左右の仲間へ殴りかかった。杖が何人もの体へ重く当たる音がした。

殴られた者たちも盲目の悪党を罵り返し、恐ろしい言葉で脅し、杖をつかんで奪おうとしたが、うまくいかなかった。

この仲間割れが私たちを救った。争いが続くなか、村側の丘の頂から別の音が聞こえた。駆ける馬の蹄の響きだった。ほぼ同時に、垣根の方で閃光が走り、拳銃が一発鳴った。それが最後の危険信号だったのは明らかで、海賊たちはたちまち逃げ出した。入り江沿いに海へ向かう者、丘を斜めに横切る者など、あらゆる方角へ散り、半分もしないうちに、ピューを除いて影も形もなくなった。単なる恐慌からか、悪口と殴打への仕返しかは知らないが、仲間はピューを見捨てた。盲人はその場に残り、狂ったように道を行き来して杖を打ち鳴らし、仲間の名を呼んだ。ついに道を間違え、私の前を数歩通り過ぎ、村の方角へ走りながら叫んだ。

「ジョニー、ブラック・ドッグ、ダーク」と次々名を呼び、「年寄りのピューを置いていくな、仲間だろ――このピューを!」

ちょうどそのとき、馬の音が坂を越え、四、五人の騎手が月明かりの中へ姿を現すと、全速力で斜面を駆け降りてきた。

そこでピューは間違いに気づいた。悲鳴を上げて向きを変え、真っすぐ溝へ走り込んで転がり落ちた。しかし一秒後には立ち上がり、今や完全に方向を失ったまま、再び駆け出した。よりによって、迫る馬の先頭へ突っ込んだ。

騎手は避けようとしたが、間に合わなかった。ピューは夜空をつんざく叫び声を上げて倒れ、四つの蹄に踏みつけられ、蹴られた。馬はそのまま走り過ぎた。ピューは横向きに倒れ、それからゆっくり顔を地面へ伏せ、二度と動かなかった。

私は跳び上がって騎手たちへ呼びかけた。彼らは事故に驚き、どのみち馬を止めようとしていた。すぐ正体がわかった。一番後ろに遅れていたのは、村からリヴジー博士のもとへ向かった若者だった。残りは途中で出会った税関吏たちで、若者は機転を利かせ、すぐ彼らと戻ってきたのだ。キッツ・ホールの小型帆船の知らせがダンス監督官へ届き、その晩、こちらへ向かわせた。母と私が命を落とさずに済んだのは、そのおかげだった。

ピューは死んでいた。完全に死んでいた。母は村へ運び込まれると、少しの冷水と気つけ薬ですぐ意識を取り戻した。恐怖で体を害することはなかったが、取り損ねた金のことを嘆き続けた。

その間に監督官は、できるだけ速くキッツ・ホールへ馬を走らせた。しかし部下たちは馬を降り、手綱を引き、ときには支えながら谷間を手探りで降りなければならなかった。絶えず待ち伏せを恐れていたこともあり、ホールへ着いたとき、小型帆船が岸近くにいたとはいえ、すでに出航していたのも不思議ではない。監督官が呼びかけると、月明かりから引っ込まなければ鉛玉を食らわせるぞ、と声が返った。同時に銃弾が腕の近くをかすめた。ほどなく船は岬を回って消えた。ダンス監督官は本人の言葉によれば、「陸に上がった魚のように」立ち尽くし、B――へ使いを送り、巡視艇へ警告することしかできなかった。「そんなことをしても、ほとんど無駄だ」と言った。「奴らはきれいに逃げおおせた。これで終わりだ。ただし」と付け加えた。「ピュー殿の足を踏みつけてやったのは嬉しいね」このときまでに、私の話を聞いていたからだ。

私は監督官と「アドミラル・ベンボー」へ戻った。これほど滅茶苦茶になった家は想像できないだろう。奴らは母と私を必死で捜し回り、時計まで投げ落としていた。実際に盗まれたのは船長の金袋と、金箱の中の少量の銀貨だけだったが、私たちが破産したことは一目でわかった。ダンス監督官は現場を見ても腑に落ちない様子だった。

「金は奴らが手に入れたんだな? ならホーキンス、いったい何を捜していたんだ? もっと金があったのか?」

「いいえ、お金ではなかったと思います」と私は答えた。「実は、たぶんその品なら胸ポケットにあります。正直に言うと、安全な場所へ預けたいんです。」

「もちろんだ、少年。それがいい」と監督官は言った。「望むなら私が預かろう。」

「リヴジー博士に――と思ったんですが」と私は言いかけた。

「まったく正しい」と監督官は陽気に遮った。「そのとおりだ――紳士であり、治安判事でもある。そう考えると、私自身がそちらへ回って、博士か地主に報告したほうがいいな。何はともあれピュー殿は死んだ。残念とは思わんが、死んだのは事実だ。何かにつけ、国王陛下の税関吏のせいにできるなら、そうしたがる連中もいる。こうしよう、ホーキンス。よければ君も連れていく。」

私は心から礼を言い、馬のいる村へ戻った。母に目的を告げ終えるころには、全員が鞍に乗っていた。

「ドッガー」とダンス監督官は言った。「お前の馬は強い。この少年を後ろへ乗せろ。」

私が馬に乗り、ドッガーの帯につかまると、監督官が号令をかけ、一行はリヴジー博士の家へ向かう道を勢いよく速歩で進んだ。


第六章 船長の書類

私たちは道中ずっと馬を飛ばし、リヴジー博士の家の前で止まった。家の正面は真っ暗だった。

ダンス監督官は私に降りて戸を叩けと言い、ドッガーは私が降りられるよう鐙を貸してくれた。戸はほとんどすぐ、女中によって開かれた。

「リヴジー博士はいらっしゃいますか?」

私は尋ねた。

「いいえ」と女中は言った。午後には帰ったが、地主と夕食を取り、晩を過ごすため屋敷へ出かけたという。

「ではそこへ行くぞ、諸君」とダンス監督官は言った。

今度は距離が近かったので、私は馬へ乗らず、ドッガーの鐙革につかまって走った。門番小屋の門を抜け、葉を落とした木々が月光を浴びる長い並木道を進むと、広大な古い庭園の両側に、屋敷の建物が白く連なって見えた。ダンス監督官はそこで馬を降り、私を連れていくと、一言告げただけで中へ通された。

召使いに敷物を敷いた廊下の奥まで案内され、大きな書斎へ通された。壁一面に本棚が並び、その上には胸像が置かれていた。明るい暖炉を挟み、地主とリヴジー博士がパイプを手に座っていた。

私はこれほど近くで地主を見たことがなかった。身長は六フィート(約一・八メートル)を超える長身で、体もそれに見合って幅広かった。長い旅で日焼けし、赤みを帯び、皺の刻まれた、率直で飾り気のない顔をしていた。眉はとても黒く、よく動くため、少し短気そうに見えた。悪い気性ではないが、かっとなりやすく、激しい性格だろうと思わせた。

「入りたまえ、ダンス君」と、地主は威厳と鷹揚さを込めて言った。

「こんばんは、ダンス」と博士は頷いた。「それに、ジム君もこんばんは。どんなよい風が君たちを運んできたのかな?」

監督官は直立不動になり、暗記した教訓のように話した。二人の紳士が身を乗り出して顔を見合わせ、驚きと興味のあまりパイプを吸うことさえ忘れた様子を、ぜひ見てもらいたかった。母が宿へ戻ったくだりでは、リヴジー博士は思わず腿を叩き、地主は「見事だ!」と叫んで長いパイプを炉格子へぶつけ、折ってしまった。話が終わるかなり前から、トレローニー氏――地主の名はそうだったのを覚えているだろう――は席を立って部屋を大股で歩き回り、博士はもっとよく聞こうとするかのように白粉をつけた鬘を外し、短く刈った黒い頭をあらわにして座っていた。その姿は実に奇妙だった。

やがてダンス監督官が話し終えた。

「ダンス君」と地主は言った。「君は実に立派な男だ。あの極悪非道の黒い悪党を馬で踏み倒した件についても、私は徳のある行いだと思う。ゴキブリを踏み潰すのと同じだ。それに、このホーキンス少年も大したものだ。ホーキンス、そこの鈴を鳴らしてくれ。ダンス君にはエールを出さねば。」

「さてジム」と博士は言った。「奴らが捜していた物を、君が持っているんだね?」

「これです」と私は言い、油布の包みを渡した。

博士は開けたくて指がうずいているように、包みをくまなく調べた。しかし開けず、静かに上着のポケットへしまった。

「地主」と博士は言った。「ダンスはエールを飲んだら、もちろん陛下の任務へ戻らねばならない。だがジム・ホーキンスは私の家に泊めるつもりだ。許してもらえるなら、冷たいパイを持ってこさせ、この子に夕食を食べさせよう。」

「好きにしたまえ、リヴジー」と地主は言った。「ホーキンスは冷たいパイ以上のものを受けるに値する。」

そこで大きな鳩肉のパイが運ばれ、脇の卓に置かれた。私は鷹のように空腹だったので、たっぷり食べた。その間もダンス監督官は褒められ、やがて辞去した。

「さて、地主」と博士が言った。

「さて、リヴジー」と地主も同時に言った。

「一人ずつ、一人ずつ」とリヴジー博士は笑った。「このフリントという男のことは聞いたことがあるだろう?」

「聞いたことがあるかだと!」地主は叫んだ。「聞いたことがあるか、だって! 海へ出た海賊のなかで、あれほど血に飢えた男はいない。黒髭などフリントに比べれば子供だ。スペイン人は奴をとてつもなく恐れていたから、正直に言えば、奴がイングランド人であることを誇らしく思うことさえあった。この目で奴の上檣帆トップスルをトリニダード沖に見たことがある。すると私の乗っていた船の、ラム樽から生まれた腰抜け船長は引き返した――引き返したんだぞ、ポートオブスペインへ!」

「私もイングランドで噂を聞いたことがある」と博士は言った。「だが問題は、奴に財産があったかどうかだ。」

「財産!」地主は叫んだ。「今の話を聞いていなかったのか? あの悪党どもが捜していたのは金に決まっている! 奴らが金以外の何を気にする? 金以外の何のために、あの卑しい体を危険へさらす?」

「それはすぐわかる」と博士は答えた。「だが君があまりにも興奮して大声を上げるので、私は一言も挟めない。私が知りたいのはこうだ。仮にこのポケットの中に、フリントが財宝を埋めた場所への手がかりがあるとして、その財宝は大した額になるだろうか?」

「大した額かだって!」地主は叫んだ。「こういう額になる。君の言う手がかりがあるなら、私はブリストル港で船を艤装し、君とホーキンスを連れていく。一年かかって捜しても、必ず財宝を手に入れる!」

「よろしい」と博士は言った。「ではジムがよければ、包みを開こう」そうして卓上へ置いた。

包みは縫い合わされていたため、博士は器具箱を取り出し、医療用の鋏で糸を切った。中には二つの物が入っていた。一冊の本と、封印された紙だった。

「まず本から調べよう」と博士は言った。

地主と私は、博士が本を開く肩越しにのぞき込んだ。リヴジー博士が親切にも、食事をしていた脇の卓からこちらへ来て、調査を楽しむよう合図してくれたのだ。最初の頁には、筆を持った者が暇潰しか練習に書いたような断片があるだけだった。一つは刺青と同じ「ビリー・ボーンズのお気に入り」。ほかには「W・ボーンズ氏、航海士」「ラム酒はもう要らない」「パームキー沖で、それを手に入れた」などがあり、大半は一語だけで意味不明だった。「それ」を手に入れたのは誰で、何を手に入れたのか、考えずにはいられなかった。おそらく背中に刺されたナイフではないか。

「役立つことはあまりないな」とリヴジー博士は言い、頁をめくった。

次の十頁か十二頁には、奇妙な記録がびっしり書かれていた。普通の帳簿のように、行の一端には日付、反対側には金額が記されていた。しかし説明の文章の代わりに、数の異なる十字印が並んでいるだけだった。たとえば一七四五年六月十二日には、明らかに誰かへ七十ポンドが支払われることになっていたが、理由を説明するのは六つの十字印だけだった。場合によっては「カラカス沖」のように地名が添えられたり、「六二度一七分二〇秒、一九度二分四〇秒」のように緯度と経度だけが記されたりしていた。

記録は二十年近くに及び、個々の金額は時が経つにつれ増えていた。最後には五、六度足し算を間違えた末に総額が出され、「ボーンズの蓄え」と書き添えられていた。

「まったく意味がわからん」とリヴジー博士は言った。

「真昼のように明白じゃないか」と地主は叫んだ。「これは腹黒い猟犬めの帳簿だ。十字印は、奴らが沈めたり略奪したりした船や町の名を表している。金額はこの悪党の取り分だ。曖昧になると思った箇所には、より明確な言葉を足してある。たとえば『カラカス沖』。あの沿岸で不運な船が襲われたということだ。乗っていた哀れな者たちを神が救いたまわんことを――もっとも、今ごろはとうに珊瑚の下だろうが。」

「そのとおり!」博士は言った。「旅をした者は違うな。そのとおりだ! しかも、地位が上がるにつれ金額も増えている。」

ほかに本に記されていたのは、終わり近くの白紙に書かれた数か所の方位と、フランス、イングランド、スペインの貨幣を共通の価値へ換算する表くらいだった。

「倹約家だ!」博士は叫んだ。「騙されるような男ではないな。」

「さて」と地主は言った。「次はもう一つだ。」

紙は何か所も、指貫を印章代わりにして封じられていた。おそらく私が船長のポケットで見つけた指貫だろう。博士が慎重に封を切ると、島の地図が出てきた。緯度と経度、水深、丘や湾、入り江の名、その沿岸へ船を安全に投錨させるため必要な情報がすべて記されていた。島は長さ約九マイル(約十四・五キロメートル)、幅五マイル(約八キロメートル)で、立ち上がった太った竜のような形をしていた。陸に囲まれた良港が二つあり、中央部の丘には「スパイグラス山」と記されていた。

後世に書き加えられた記号がいくつかあった。なかでも目立つのは赤インクの十字が三つ――島の北部に二つ、南西部に一つ。そして最後の十字のそばには、船長の震える文字とはまったく異なる、小さく整った字で、同じ赤インクを使い、「財宝の大部分、ここ」と記されていた。

裏面には同じ筆跡で、さらに次の情報が書かれていた。

「高い木、スパイグラス山の肩、北北東より北へ一点の方位。

「スケルトン島、東南東から東寄り。

「一〇フィート(約三メートル)。

「銀の延べ棒は北の隠し場所。顔のある黒い岩から南へ一〇ファゾム(約十八メートル)、東の小丘の延びる方向を見れば発見できる。

「武器は簡単に見つかる。ノース・インレットの岬北端、東から北へ四分の一の方角にある砂丘。

「J・F。」

それだけだった。短く、私には意味不明だったが、地主とリヴジー博士は大喜びした。

「リヴジー」と地主は言った。「こんなつまらん診療は今すぐやめたまえ。私は明日ブリストルへ発つ。三週間後――三週間だと! ――二週間、いや十日後には、イングランドで最高の船と選りすぐりの乗組員を揃える。ホーキンスは給仕係として来い。見事な給仕係になるぞ、ホーキンス。リヴジー、君は船医、私は提督だ。レッドルース、ジョイス、ハンターも連れていこう。順風に恵まれ、旅は短く、場所もたやすく見つかる。そして一生、食べても、転げ回っても、水切り遊びの石にしても使い切れないほどの金が手に入る。」

「トレローニー」と博士は言った。「私も同行しよう。ジムも行き、この事業の誉れとなることを保証する。ただ一人、心配な男がいる。」

「誰だ?」地主は叫んだ。「その犬の名を言いたまえ!」

「君だ」と博士は答えた。「君は口を閉じていられない。この紙のことを知るのは、私たちだけではない。今夜宿を襲った連中――大胆で捨て身の奴らであることは間違いない――小型帆船に残っていた者たち、それにおそらく、遠くない場所にいるさらに多くの仲間は、何があろうとあの金を手に入れようとしている。出航するまで、誰も一人で行動してはならない。それまでは私とジムが行動をともにする。君がブリストルへ行くときはジョイスとハンターを連れていけ。そして最初から最後まで、発見した物について誰一人、一言たりとも口にしてはならない。」

「リヴジー」と地主は答えた。「君はいつも正しい。墓のように黙っているとも。」


第二部 船の料理番


第七章 ブリストルへ

出航準備には、地主が考えていたより長くかかった。当初の計画はどれも――私をそばに置くというリヴジー博士の案さえ――予定どおりには進まなかった。博士は診療を任せる医師を探しにロンドンへ行かねばならず、地主はブリストルで忙しく働いていた。私は狩猟番の老レッドルースに預けられ、屋敷で暮らした。ほとんど囚人同然だったが、頭の中は海の夢、未知の島と冒険への胸躍る期待でいっぱいだった。細部までよく覚えていた地図を、何時間も飽かず眺めた。家政婦の部屋で暖炉のそばに座り、想像の中であらゆる方角から島へ近づいた。島の一エーカーごとを探検し、スパイグラス山と呼ばれる高い丘へ千度も登り、頂上から驚くほど変化に富んだ景色を楽しんだ。島が野蛮人で埋め尽くされ、私たちが戦うこともあった。危険な動物に満ち、追いかけられることもあった。しかしどの空想も、実際に経験した冒険ほど奇妙でも悲惨でもなかった。

こうして何週間かが過ぎた。ある晴れた日、リヴジー博士宛ての手紙が届いた。「博士不在の場合は、トム・レッドルースまたは少年ホーキンスが開封すること」と追記されていた。

指示に従い、私たち――正確には私が、というのも狩猟番は活字以外を読むのが苦手だった――は、次の重大な知らせを読んだ。

ブリストル、オールド・アンカー・イン、一七――年三月一日。

「親愛なるリヴジーへ。君が屋敷にいるのか、まだロンドンにいるのかわからないため、同じ手紙を両方へ送る。

「船は購入し、艤装も済んだ。今は投錨し、出航を待っている。これほど見事なスクーナー船は想像もできまい――子供でも操れる船だ――二百トン、名はヒスパニオラ号

「旧友ブランドリーを通じて手に入れたが、彼は驚くほど頼りになる男だった。この立派な人物は、文字どおり私のために身を粉にして働いた。いや、出航先――つまり財宝のことだ――を耳にすると、ブリストルの誰もがそうしてくれたと言ってよい。」

「レッドルース」と私は手紙を中断して言った。「リヴジー博士は気に入らないよ。地主はやっぱり喋ってしまったんだ。」

「地主様がリヴジー博士のために話しちゃいけねえってんなら、おかしな話だ」と狩猟番は唸った。

私は意見を挟むのを諦め、そのまま読み続けた。

「ブランドリー自身がヒスパニオラ号を見つけ、見事な手腕で、ただ同然の値段で手に入れた。ブリストルには、ブランドリーへ途方もない偏見を抱く一団がいる。彼らは、この正直者が金のためなら何でもする、ヒスパニオラ号はもともと彼の所有で、私に法外な値で売りつけた、とまで言っている――見え透いた中傷だ。もっとも、船のすばらしさを否定する者は一人もいない。

「ここまでは何の問題もなかった。なるほど職人たち――索具工など――は、いらいらするほど仕事が遅かったが、時間が解決した。私を悩ませたのは乗組員だ。

「原住民、海賊、あるいは忌まわしいフランス人に備え、二十人ほど欲しかった。しかし六人集めるだけでも悪魔のように苦労した。ところが驚くべき幸運によって、まさに必要な人物と出会った。

「波止場に立っていると、まったくの偶然から彼と話すことになった。話によれば、元船乗りで、今は酒場を営み、ブリストルの船乗りを皆知っている。陸に上がって健康を損ない、再び海へ出るため、料理番のよい職を探しているという。その朝は潮の香りを嗅ぎたくて、足を引きずりながら波止場まで来たそうだ。

「私はひどく心を打たれた――君もそうなったに違いない――そして純粋な同情から、その場で船の料理番として雇った。名はロング・ジョン・シルバー。片脚を失っているが、それはむしろ推薦材料だと思った。不滅のホーク提督のもと、祖国のために戦って失ったのだからな。リヴジー、彼には恩給すらない。なんと忌まわしい時代に生きていることか! 

「さて、私は料理番を一人見つけただけだと思っていたが、実は乗組員一式を発見したのだった。シルバーと私で、数日のうちに想像しうる限り屈強な老水夫たちを集めた。見栄えはよくないが、その顔には誰にも屈しない気概がある。フリゲート艦とさえ戦えると断言しよう。

「ロング・ジョンは、私がすでに雇っていた六、七人のうち、二人を追い出してくれた。重大な冒険では警戒すべき、海を知らぬ役立たずだと、たちどころに見抜いたのだ。

「私は今、壮健そのもので、気分も最高だ。雄牛のように食べ、木のように眠っている。それでも古い油布服の船乗りたちが、巻揚機の周りを踏み鳴らす音を聞くまでは、一瞬たりとも心から楽しめまい。いざ海へ! 財宝などどうでもいい! 私を夢中にしたのは海の栄光だ。だからリヴジー、早馬で来てくれ。一時間たりとも無駄にしないでくれ、私を尊重するなら。

「少年ホーキンスをすぐ母親へ会わせてやってくれ。護衛にはレッドルースをつけ、その後は二人とも全速力でブリストルへ来たまえ。

「ジョン・トレローニー。

「追伸――まだ話していなかったが、ちなみに八月末まで私たちが帰らなければ、ブランドリーが僚船を送る手筈になっている。その彼が、航海長として立派な男を見つけた。頑固な人物なのは残念だが、それ以外は得難い人材だ。ロング・ジョン・シルバーは、アローという有能な一等航海士も探し出した。リヴジー、号笛を吹ける甲板長もいる。したがって、立派なヒスパニオラ号では軍艦式に物事を進められる。

「言い忘れていたが、シルバーは相当な資産家だ。銀行口座を持ち、一度も残高不足になったことがないと、私は確かに知っている。酒場は妻に任せてくる。妻は有色人種の女性だ。君や私のような老独身者なら、健康問題と同じくらい妻から離れることが、彼を再び放浪へ駆り立てたのだろうと想像しても許されるだろう。

「J・T

「追々伸――ホーキンスは母親のもとに一泊してよい。

「J・T。」

この手紙で私がどれほど興奮したか、想像できるだろう。嬉しさで半ば我を忘れ、誰かを軽蔑したことがあるとすれば、それは不平と嘆きしか口にしない老トム・レッドルースだった。下働きの狩猟番なら誰でも、喜んで彼と代わっただろう。しかし地主の意向は違い、皆にとって地主の意向は法律同然だった。老レッドルース以外、不平を口にする勇気のある者さえいなかっただろう。

翌朝、私たちは歩いて「アドミラル・ベンボー」へ出発した。母は元気で、気持ちも明るかった。長い間、数々の悩みの種だった船長は、悪人が人を煩わせるのをやめる場所へ去った。地主がすべて修理し、客室と看板を塗り直し、家具もいくつか加えてくれていた。なかでも酒場に置かれた母用の美しい肘掛け椅子は見事だった。私がいない間も母が困らぬよう、見習いの少年まで雇ってくれていた。

その少年を見て、私は初めて自分の置かれた状況を理解した。それまでは目前の冒険ばかり考え、離れようとしている故郷のことなど少しも考えていなかった。ところが、自分に代わってここに残り、母のそばにいる不器用な見知らぬ少年を見た途端、初めて涙があふれた。その少年にはずいぶん辛く当たってしまったと思う。仕事に慣れていないため、間違いを直し、やり込める機会はいくらでもあり、私はすかさずそれを利用したからだ。

夜が過ぎ、翌日の昼食後、レッドルースと私はまた歩いて旅立った。母に別れを告げ、生まれてから暮らしてきた入り江へ別れを告げ、懐かしい「アドミラル・ベンボー」へも別れを告げた――塗り直されてからは、昔ほど懐かしい姿ではなかったが。最後に思い浮かべたものの一つは船長だった。三角帽子をかぶり、刀傷のある頬を見せ、古い真鍮の望遠鏡を抱えて、何度も浜を大股に歩いた男。次の瞬間、私たちは角を曲がり、故郷は見えなくなった。

夕暮れごろ、荒野の「ロイヤル・ジョージ」で郵便馬車に拾われた。私はレッドルースと恰幅のよい老紳士の間に押し込まれた。馬車は速く、夜気も冷たかったが、初めから何度もうとうとし、やがて丸太のように眠り込んだらしい。丘を越え、谷を渡り、宿駅から宿駅へ進んだ。ようやく脇腹を突かれて目を覚ますと、馬車は町の通りにある大きな建物の前に止まっており、夜はとうに明けていた。

「ここはどこ?」

私は尋ねた。

「ブリストルだ」とトムは言った。「降りろ。」

トレローニー氏はスクーナー船の作業を監督するため、港の奥にある宿を滞在先にしていた。そこまで歩いていく必要があり、道は波止場沿いを通った。私は嬉しくてたまらなかった。大小さまざまな船、あらゆる帆装、あらゆる国の船が、数え切れないほど並んでいた。一隻では水夫たちが仕事をしながら歌い、別の船では男たちが私の頭上高く、蜘蛛の糸ほどの太さにも見えない綱へつかまっていた。生まれてからずっと海辺に暮らしてきたのに、そのとき初めて海のそばへ来たように感じた。タールと潮の匂いさえ新鮮だった。大海原をはるかに越えてきた、実に見事な船首像をいくつも見た。また、耳に輪をつけ、頬髭を巻き毛にし、タールまみれの弁髪を垂らし、不格好ながら威勢よく船乗り歩きをする老水夫も大勢いた。同じ数の王や大司教を見ても、これほど嬉しくはなかっただろう。

そして私自身も海へ出るのだ。号笛を吹く甲板長と、弁髪を垂らして歌う水夫たちと、スクーナー船で海へ出る。未知の島を目指し、埋められた財宝を探すのだ。

なおも楽しい夢に浸っていると、突然、大きな宿の前へ出た。ちょうど戸口から、海軍士官のような厚手の青い服で身を固め、満面に笑みを浮かべたトレローニー地主が出てきた。船乗りの歩き方を実にうまく真似ていた。

「来たな!」地主は叫んだ。「博士も昨夜ロンドンから到着したぞ。見事だ! ――これで乗組員は全員揃った。」

「旦那様」と私は叫んだ。「いつ出航するんです?」

「出航!」地主は言った。「明日だ。」

第八章 「スパイグラス」の看板の下で

朝食を終えると、地主は「スパイグラス」の看板を掲げる店のジョン・シルバー宛ての手紙を一通、僕に持たせた。波止場沿いに歩き、大きな真鍮製の望遠鏡を看板にした小さな酒場を探せば、すぐ見つかるという。もっとたくさんの船や船乗りを見られるとあって、僕は大喜びで出かけた。波止場は一日でいちばん混み合う時間を迎えており、大勢の人や荷車、積み荷の梱包の間を縫うように進んで、ようやく目当ての酒場にたどり着いた。

なかなか明るく、感じのよい小さな酒場だった。看板は塗り直されたばかりで、窓には小ぎれいな赤いカーテンが掛かり、床には清潔な砂が撒かれている。両脇を通りに挟まれ、どちら側にも扉が開いていたので、煙草の煙が雲のように立ちこめているにもかかわらず、天井の低い広間の中はかなり明るかった。

客のほとんどは船乗りで、あまりに大声で話しているものだから、僕は中へ入るのが怖くなり、戸口でもじもじしていた。

そうして待っていると、脇の部屋から一人の男が出てきた。一目見ただけで、これがロング・ジョンに違いないとわかった。左脚は付け根近くからなく、左の脇に松葉杖を挟んでいる。それを驚くほど巧みに操り、鳥のようにひょいひょいと店内を動き回っていた。非常に背が高く、がっしりした体つきで、顔はハムほども大きかった。器量はよくなく、青白かったが、知性が感じられ、いつも笑みを浮かべていた。実際、たいそう上機嫌らしく、口笛を吹きながらテーブルの間を行き来し、気に入りの客には陽気に声をかけたり、肩をぽんと叩いたりしていた。

正直に言えば、トレローニー地主の手紙でロング・ジョンの名を初めて目にしたときから、僕はひそかに恐れていた。もしかすると、長いあいだ警戒し続けてきた、あの一本脚の船乗りではないかと思っていたのだ。

けれど、目の前の男を一目見れば、それで十分だった。僕は船長も、ブラック・ドッグも、盲目のピューも見ている。海賊とはどういう人間か、わかっているつもりだった。そして、この清潔で愛想のよい亭主は、僕の思い描く海賊とはまるで別物だった。

たちまち勇気を取り戻した僕は、敷居をまたいで店内に入り、松葉杖に寄りかかって客と話している男のところまで、まっすぐ歩いていった。

「シルバーさんですか?」

僕はそう尋ね、手紙を差し出した。

「ああ、坊主。たしかに俺がシルバーだ。それで、おまえさんは?」

ところが地主の手紙を目にした瞬間、男はぎくりとしたように見えた。

「おお!」と声を上げ、手を差し出した。「なるほど。新しい給仕係の坊主か。会えてうれしいぞ。」

そして、大きく力強い手で僕の手を握った。

そのとき、店のいちばん奥にいた客の一人が、不意に立ち上がって扉へ向かった。すぐそばに扉があったので、たちまち通りへ飛び出してしまった。しかし、その慌てぶりが僕の注意を引き、一目で正体がわかった。脂のように青白い顔をし、指が二本欠けている男――最初にアドミラル・ベンボーへやって来た男だった。

「あっ!」と僕は叫んだ。「捕まえて! ブラック・ドッグだ!」

「そいつが何者だろうと知ったことか」とシルバーは怒鳴った。「だが、勘定を払ってねえ。ハリー、追いかけて捕まえろ!」

扉のそばにいた別の客が跳び上がり、追跡に飛び出した。

「たとえホーク提督だろうが、勘定は払ってもらうぞ!」とシルバーは叫び、それから僕の手を放した。「今、何と言った? ブラック何だって?」

「ドッグです」と僕は答えた。「トレローニーさんから、海賊たちの話を聞いていないんですか? あいつはその一人です。」

「何だと!」とシルバーは叫んだ。「俺の店に! ベン、走ってハリーを手伝え。あのろくでなしたちの仲間だったのか? おい、モーガン。あいつと飲んでいたのはおまえだな? こっちへ来い。」

モーガンと呼ばれた男――白髪頭で、マホガニー色の顔をした老水夫――は、噛み煙草を口の中で転がしながら、ひどくおどおどした様子で前へ出た。

*「さあ、モーガン」とロング・ジョンは厳しい口調で言った。「あのブラック・ドッグを

以前に見たことはないんだな?」*

「さあ、モーガン」とロング・ジョンは厳しい口調で言った。「あのブラック――ブラック・ドッグを以前に見たことはないんだな?」

「ありません、旦那」とモーガンは敬礼して答えた。

「名前も知らなかったんだな?」

「へい、旦那。」

「まったく、トム・モーガン、おまえにとっちゃ幸運だったぞ!」と亭主は叫んだ。「もしあんな連中とつるんでいたなら、二度と俺の店の敷居はまたがせねえところだ。よく覚えておけ。それで、あいつは何を話していた?」

「さっぱりわかりません、旦那」とモーガンは答えた。

「おまえの肩に載っているのは頭か、それともただの舷窓げんそうか!」とロング・ジョンは怒鳴った。「さっぱりわからねえだと? 話していた相手が誰かも、たまたまさっぱりわからなかったってのか? さあ、何をくっちゃべってた――航海か、船長か、船か? はっきり言え! 何の話だ?」

「船底くぐりの刑について話してやした。」

「船底くぐりだと? そいつにはまったくお似合いの話だ、間違いねえ。さあ、席へ戻れ、この間抜け、トム。」

モーガンが口の中の煙草を転がしながら席へ戻ると、シルバーは僕に顔を寄せた。ひどく信頼されているようで、僕にはうれしく思える囁き声だった。

「トム・モーガンは正直な男なんだ。ただ、頭が鈍いだけでな。それで」と、今度はまた声を張り上げた。「ブラック・ドッグか? いや、そんな名前は知らねえ。だが、待てよ、たしか――そうだ、あの野郎を見たことがある。盲目の乞食と一緒に、この店へ来ていたやつだ。」

「ええ、そうですとも」と僕は言った。「僕はその盲人も知っています。名前はピューです。」

「そうだ!」とシルバーは興奮して叫んだ。「ピュー! たしかにその名前だった。ああ、まるで人食い鮫みてえな面をしていた! 今度こそブラック・ドッグを捕まえりゃ、トレローニー船長にいい土産話ができるぞ! ベンは足が速い。船乗りでベンより速いやつは、そうはいねえ。みるみる追いついて捕まえるはずだ、まったく! 船底くぐりの話をしていただと? 俺があいつを船底にくぐらせてやる!」

そうした言葉を吐き出すあいだも、シルバーは松葉杖を突いて店内を行ったり来たりし、手でテーブルを叩き、盛大に興奮してみせた。その様子なら、オールド・ベイリーの判事だろうと、バウ・ストリートの捕吏だろうと、すっかり信じ込んだことだろう。スパイグラスでブラック・ドッグを見つけたため、僕の疑いは完全に蘇り、料理番の様子を注意深く見張っていた。しかしシルバーは、僕などには底を見抜けないほど抜け目なく、機転が利き、頭が切れた。やがて追跡に出た二人が息を切らして戻り、人混みの中で見失ったと白状し、泥棒同然にこっぴどく叱られるころには、僕はロング・ジョン・シルバーの潔白を保証してもいいとさえ思っていた。

「なあ、ホーキンス」とシルバーは言った。「俺みてえな男にとっちゃ、まったくひどい話じゃねえか? トレローニー船長はどう思う? この忌々しいオランダ人のせがれが、俺の店に座り込んで、俺のラム酒を飲んでいた! そこへおまえが来て、正体をはっきり教えてくれた。なのに俺ときたら、みすみすあいつを逃がしちまった! なあ、ホーキンス、船長にはどうか公平に話してくれ。おまえはまだ坊主だが、目から鼻へ抜けるほど利口だ。入ってきたときから、そうとわかっていた。だがな、この古い丸太一本でよたよた歩く俺に、何ができた? 俺がまだ一人前の熟練船乗りだったころなら、たちまち追いついて横へ並び、あっという間に身動きできなくしてやったものだが、今じゃ――」

そこで突然、何かを思い出したように口をつぐみ、顎を落とした。

「勘定!」といきなり叫んだ。「ラム酒三杯分だ! 何てこった、勘定を忘れていたぞ!」

そして長椅子に倒れ込み、頬に涙が流れるほど笑いだした。僕もつられて笑わずにはいられず、二人で何度も何度も大笑いし、ついには酒場中に笑い声が響き渡った。

「いやはや、俺ときたら、何という老いぼれの海豹あざらしだ!」ようやく頬を拭いながら、シルバーは言った。「おまえと俺とは、きっと気が合うぞ、ホーキンス。俺なんざ、どう考えても船の小僧に格下げされるのがお似合いだ。だが、さあ、そろそろ針路を変えよう。このままじゃいけねえ。務めは務めだ、仲間たち。古い二角帽をかぶって、おまえと一緒にトレローニー船長のところへ行き、この一件を報告しよう。いいか、若いホーキンス、こいつは深刻な話だ。おまえも俺も、面目を保ったとはお世辞にも言えねえ。いや、おまえもだって? 利口じゃなかった――二人とも利口じゃなかったってな。だが畜生め、勘定の話は傑作だったな!」

そう言ってまた笑いだした。あまりに心の底から笑うものだから、僕にはそれほど面白い冗談とは思えなかったのに、またも一緒になって笑わずにはいられなかった。

波止場沿いの短い道中、シルバーはじつに愉快な道連れだった。通り過ぎる船ごとに、その帆装や積載量、船籍を教え、船上で行われている仕事――こちらは荷を下ろし、あちらは積み込み、その向こうでは出航準備をしていると説明してくれた。ときには船や船乗りにまつわるちょっとした逸話を聞かせたり、僕が完全に覚えるまで船乗り言葉を何度も繰り返したりもした。この人なら最高の船仲間の一人になるだろうと、僕は思い始めていた。

宿へ着くと、地主とリヴジー博士は一緒に腰掛け、スクーナー船へ検分に行く前に、乾杯しながら一クォート(約〇・九五リットル)のエールを飲み終えようとしていた。

ロング・ジョンは、最初から最後まで、たいそう生き生きと、しかも事実どおりに話して聞かせた。ときどき「そうだったよな、ホーキンス?」と確認を求め、僕もそのたびに、すべてそのとおりだと証言した。

二人の紳士はブラック・ドッグを逃したことを残念がったが、もうどうしようもないという点では全員の意見が一致した。褒め言葉を受けたあと、ロング・ジョンは松葉杖を取り、立ち去った。

「今日の午後四時までに、全員乗船だ!」と地主が背中へ向かって叫んだ。

「了解です、旦那!」と、通路から料理番の声が返った。

「さて、地主殿」とリヴジー博士は言った。「普段なら、あなたが見つけてくる人間をそれほど信用はしないのだが、これだけは言っておこう――ジョン・シルバーは気に入った。」

「あの男は文句なしの切り札だ」と地主は断言した。

「それでは」と博士は続けた。「ジムも我々と一緒に船へ連れていってよかろう?」

「もちろんだ」と地主は答えた。「帽子を取れ、ホーキンス。船を見に行こう。」


第九章 火薬と武器

ヒスパニオラ号は岸からいくらか離れたところに停泊していた。僕たちは何隻もの船の船首像の下をくぐり、船尾を回り込んで進んだ。ときには船をつなぐ太い綱が僕らの竜骨の下をこすり、ときには頭上で揺れた。ようやくヒスパニオラ号の舷側へ近づくと、乗船した僕らを一等航海士のアローが出迎え、敬礼した。日に焼けた老水夫で、耳飾りをつけ、斜視だった。アローと地主はたいそう親しげだったが、トレローニー氏と船長の間は同じではないと、僕はすぐに気づいた。

船長は鋭い顔つきの男で、船内の何もかもに腹を立てているように見えた。なぜなのかは、すぐにわかった。僕らが船室へ降りるや否や、一人の水夫が追ってきたからだ。

「スモレット船長が、お話ししたいとのことです」と水夫が言った。

「船長の命令なら、いつでも従う。通してくれ」と地主は答えた。

使いのすぐ後ろまで来ていた船長は、ただちに入室し、背後の扉を閉めた。

「さて、スモレット船長、話とは何だね? 万事順調であってほしいが。船も航海の準備も万全かね?」

「地主殿」と船長は言った。「お気を悪くされるのを承知で、率直に申し上げるのがよいと思います。この航海は気に入りません。乗組員も、一等航海士も気に入りません。手短に言えば、それだけです。」

「ひょっとすると、船もお気に召さないのかな?」地主は明らかに腹を立てて尋ねた。

「まだ実際の働きを見ておりませんので、その点は何とも申せません」と船長は答えた。「優秀な船には見えます。それ以上は言えません。」

「もしや、雇い主までお気に召さないのでは?」と地主は言った。

だが、ここでリヴジー博士が割って入った。

「待ちたまえ、少し待て。そんな質問をしても、互いに感情を害するだけだ。船長の言葉は多すぎたか、さもなくば少なすぎた。いずれにせよ、説明してもらわねばならない。この航海が気に入らないと言われたな。なぜかね?」

「私は、この船をあの紳士が命じる場所まで運ぶという、いわゆる封印命令で雇われました」と船長は答えた。「そこまではよろしい。ところが今になってみれば、平水夫の誰もが私以上に事情を知っている。そんな話があるでしょうか?」

「ないな」とリヴジー博士は言った。

「次に」と船長は続けた。「我々が宝探しに向かっていることを知りました。それも、ほかならぬ部下たちの口から聞いたのです。宝というのは危険な代物です。私は、どんな場合であれ宝探しの航海は好みません。まして秘密の仕事でありながら――失礼ながら、トレローニーさん――その秘密をオウムにまで話してしまったとなれば、なおさらです。」

「シルバーのオウムか?」と地主が尋ねた。

「もののたとえです」と船長は答えた。「つまり、秘密が筒抜けだということです。お二人とも、自分たちがどんな危険に足を踏み入れているのか、おわかりでないと私は思います。私に言わせれば、生きるか死ぬか、しかも紙一重の賭けです。」

「話はよくわかったし、おそらくそのとおりだろう」とリヴジー博士は答えた。「我々が危険を冒しているのは承知している。だが、君が思うほど無知ではない。次に、乗組員が気に入らないと言ったな。腕のよい船乗りではないのか?」

「気に入りません」とスモレット船長は答えた。「そもそも乗組員は、私自身が選ぶべきだったと思います。」

「そうすべきだったかもしれん」と博士は言った。「友人も君を連れて人選すべきだったのだろう。ただし、もしそれが侮辱になったとしても、故意ではない。それから、アロー氏も気に入らないのか?」

「はい。腕のよい船乗りだとは思いますが、部下となれ合いすぎていて、優れた士官とは言えません。一等航海士は節度を保つべきです。平水夫と一緒に酒を飲んではならない。」

「酒を飲むというのか?」と地主が声を上げた。

「いいえ」と船長は答えた。「ただ、親しくしすぎるという意味です。」

「では船長、結局のところ、どうしてほしいのだ?」と博士は尋ねた。「要求を言ってくれ。」

「皆さん、この航海を続ける決意は変わりませんか?」

「鉄より固い」と地主は答えた。

「承知しました」と船長は言った。「証拠もない話を辛抱強く聞いていただいたのですから、もう少しだけお聞きください。火薬と武器は今、船首側の船倉へ積み込まれています。しかし船室の下に格好の場所がある。なぜそこへ置かないのです? これが第一点。次に、皆さんは自分たちの使用人を四人連れてきておられる。そのうち何人かは船首側で寝泊まりすると聞きました。なぜ船室の隣に寝床を与えないのです? これが第二点です。」

「まだあるのか?」とトレローニー氏が尋ねた。

「もう一つ」と船長は言った。「すでに秘密が漏れすぎています。」

「まったくだ」と博士も同意した。

「私自身が耳にした話を申し上げましょう」とスモレット船長は続けた。「皆さんは島の地図を持っている。宝の場所を示す十字印がついている。そして島の位置は――」船長は、緯度と経度を寸分違わず口にした。

「私は誰にも言っていないぞ!」と地主は叫んだ。

「船員たちは知っています」と船長は答えた。

「リヴジー、君かホーキンスに違いない!」と地主は叫んだ。

「誰が話したかなど、大した問題ではない」と博士は答えた。博士も船長も、トレローニー氏の抗議をほとんど信じていないようだった。正直に言えば、僕も同じだった。地主はあまりにも口が軽かったからだ。ただし、この件に限っては、本当に地主の言うとおりで、島の位置を教えた者はいなかったのだと思う。

「さて、皆さん」と船長は続けた。「誰が地図を持っているかは知りません。しかし私にもアロー氏にも、その内容は秘密にしていただきたい。さもなければ、辞任させてください。」

「なるほど」と博士は言った。「この件を秘密にし、船尾側を要塞に変え、友人の使用人たちを配置して、船内の武器と火薬をすべて備えよというのだな。つまり、君は反乱を恐れている。」

「博士」とスモレット船長は言った。「お気を悪くするつもりはありませんが、私の口から出てもいない言葉を押しつける権利は、あなたにはありません。そこまで言える根拠があるなら、そもそも出航する船長などいません。アロー氏については、完全に正直な人間だと思っています。乗組員にも正直な者はいるでしょう。ひょっとすると全員そうかもしれない。しかし私は、この船の安全と、乗船する一人残らずの命に責任を負っています。どうも物事が正しく進んでいないように見える。だから一定の用心をするか、私を辞任させるか、どちらかをお願いしているのです。それだけです。」

「スモレット船長」と博士は微笑みながら言った。「山がネズミを産んだという寓話を聞いたことはあるかね? 失礼ながら、君を見ているとその話を思い出す。ここへ入ってきたときには、もっと大きなことを考えていた。私のかつらを賭けてもいい。」

「博士、さすがに鋭い」と船長は言った。「ここへ入ったときは、解雇してもらうつもりでした。トレローニーさんが一言でも聞き入れるとは思いませんでした。」

「私一人なら聞かなかったとも!」と地主は叫んだ。「リヴジーがいなければ、君を地獄へ追い払っていた。だが今は話を聞いた。望みどおりにしよう。ただし、君への評価は下がったぞ。」

「それはご自由です」と船長は言った。「私が務めを果たすことは、いずれおわかりになるでしょう。」

そう言って、船長は退出した。

「トレローニー」と博士は言った。「私の予想に反して、どうやら君は二人の正直者を船に乗せることができたらしい。あの男とジョン・シルバーだ。」

「シルバーなら同意しよう」と地主は叫んだ。「だが、あの鼻持ちならない大ぼら吹きは別だ。あの態度は男らしくも、船乗りらしくもない。まったくイングランド人らしくない!」

「まあ」と博士は言った。「いずれわかる。」

甲板へ出ると、船員たちはすでに掛け声を上げながら武器と火薬を運び始め、船長とアロー氏がそばで監督していた。

新しい配置は、僕にはたいへん気に入った。スクーナー船は全体が改装され、もともと主船倉後部だった場所に六つの寝床が設けられていた。この一画と調理室や船首楼を結ぶのは、左舷側の格子状の通路だけだった。当初は船長、アロー氏、ハンター、ジョイス、博士、地主が、この六つの寝床を使う予定だった。ところが今度は、レッドルースと僕が二つをもらい、アロー氏と船長は甲板上の昇降口で眠ることになった。そこは左右へ拡張され、ほとんど甲板室と呼べるほどになっていた。もちろん天井は相変わらず低いが、ハンモックを二つ吊るすだけの余裕はあり、一等航海士もこの変更に満足しているようだった。ひょっとするとアロー氏さえ、乗組員に疑いを抱いていたのかもしれない。ただし、それは僕の推測にすぎない。やがてわかるように、彼の意見を聞ける時間は長く残されていなかったからだ。

僕ら全員が、火薬や寝床の配置換えに忙しく働いていると、最後の一、二人がロング・ジョンとともに、岸からのボートでやって来た。

料理番は猿のような身軽さで舷側を上り、作業を目にするや言った。「おいおい、仲間たち! こいつは何だ?」

「火薬を移してるんだ、ジョン」と一人が答えた。

「何てこった」とロング・ジョンは叫んだ。「そんなことをしていたら、朝の潮に乗り遅れるぞ!」

「私の命令だ!」と船長は短く言った。「おまえは下へ行け。皆が夕食を欲しがるころだ。」

「了解です、船長」と料理番は答え、額に手を当てると、ただちに調理室の方角へ姿を消した。

「あれはよい男だ、船長」と博士は言った。

「おそらくは」とスモレット船長は答えた。「ゆっくりだ、皆、ゆっくり運べ」と、火薬を移す者たちに続けて声をかけた。それから、船の中央部に備えられた長い真鍮製の九ポンド旋回砲を僕が眺めているのに気づき、突然怒鳴った。「おい、そこの給仕係! そこをどけ! 料理番のところへ行って、何か仕事をもらってこい。」

慌てて立ち去る僕の背後で、船長が博士に聞こえよがしに言うのが聞こえた。

「私の船では、えこひいきは許しません。」

正直に言って、僕は地主とまったく同意見で、船長が心底嫌いになった。


第十章 航海

その夜は一晩中、荷物を所定の位置へ収めるための大騒ぎが続いた。ブランドリー氏をはじめとする地主の友人たちも、何艘ものボートでやって来て、よい航海と無事な帰還を祈った。アドミラル・ベンボーにいたころでさえ、その半分も働かされた夜はなかった。夜明け少し前、甲板長が笛を吹き、乗組員たちが巻揚機キャプスタンの棒につき始めたころには、僕は犬のようにくたくただった。それでも、たとえ二倍疲れていたとしても、甲板を離れはしなかっただろう。何もかもが新鮮で面白かったのだ。短く飛ぶ号令、甲高い笛の音、船灯の薄明かりの中で持ち場へ走る男たち。

「おい、バーベキュー、一曲やってくれ!」と誰かが叫んだ。

「いつものやつだ!」と別の声が言った。

「ようし、仲間たち」と、松葉杖を脇に挟んで立っていたロング・ジョンが言い、たちまち僕にもなじみ深い旋律と歌詞を歌いだした。

「死人の箱には十五人――」

すると全員が声をそろえた。

「ヨー・ホー・ホー、ラム酒一本!」

三度目の「ホー!」と同時に、皆は力を込めて巻揚機の棒を押した。

胸の躍るその瞬間でさえ、僕の心はたちまち昔のアドミラル・ベンボーへ引き戻され、船長の声が合唱に混じっているような気がした。だが間もなく錨は海面近くまで巻き上げられ、やがて船首から雫を垂らしてぶら下がった。帆が風をはらみ始め、陸地や停泊中の船が左右を流れ去っていく。一時間ほど眠ろうと横になる間もなく、ヒスパニオラ号は宝島へ向けて航海を始めていた。

航海の一部始終を詳しく語るつもりはない。おおむね順調だった。船は優秀で、乗組員は有能な船乗りたち、船長も仕事を完全に心得ていた。しかし宝島に到着するまでに、知っておいてもらわねばならない出来事が二、三あった。

まずアロー氏は、船長が恐れていた以上にひどい男だと判明した。部下に対する威厳がまるでなく、船員たちは彼を相手に好き勝手に振る舞った。しかし、それよりはるかに悪いことがあった。出航して一、二日もすると、目を霞ませ、頬を赤らめ、舌をもつれさせるなど、酔っていることを示す姿で甲板に現れ始めたのだ。そのたびに不名誉な形で下へ追いやられた。転んで怪我をすることもあれば、昇降口脇の狭い寝台で一日中寝ていることもあった。ときには一、二日ほど、ほとんど素面に戻り、どうにか及第点といえる程度には仕事をした。

その間、どこから酒を手に入れているのかは、とうとうわからなかった。それが船内最大の謎になった。どれだけ見張っても解けず、面と向かって問いただせば、酔っているときは笑うばかり、素面のときは水以外のものを口にしたことなどないと厳粛に否定した。

士官として役に立たず、部下たちにも悪い影響を与えていただけではない。この調子では、遠からず自分で命を縮めるのは明らかだった。だから、向かい波の立つ暗い夜、アロー氏が跡形もなく姿を消し、二度と見つからなかったときも、それほど驚く者も、深く悲しむ者もいなかった。

「海へ落ちたな」と船長は言った。「まあ皆さん、これで鎖につなぐ手間が省けた。」

とはいえ、一等航海士がいなくなった以上、当然ながら船員の一人を昇格させる必要があった。甲板長のジョブ・アンダーソンが最適任者だったので、肩書こそ以前のままだったが、事実上一等航海士として働いた。トレローニー氏には航海経験があり、その知識もたいそう役に立った。穏やかな天候のときは、しばしば自ら当直に立った。また、操舵長のイスラエル・ハンズは、慎重で抜け目なく、経験豊富な老水夫であり、いざというときには、たいていのことを任せられた。

ハンズはロング・ジョン・シルバーの腹心だった。その名前が出たところで、船員たちがバーベキューと呼んでいた船の料理番について話そう。

まるで安全な陸の上にいるかのように料理する姿は、見ものだった

船上では両手をなるべく自由にするため、松葉杖に綱をつけ、首から提げていた。杖の先を隔壁に押し当て、そこへ体を支えながら船のあらゆる揺れに身を任せ、まるで安全な陸の上にいるかのように料理する姿は、見ものだった。荒天のさなかに甲板を横切る姿は、なおさら不思議だった。広い場所を渡るため、何本かの綱を張ってあり、それらは「ロング・ジョンの耳飾り」と呼ばれていた。杖を使ったり、杖を綱で脇に引きずったりしながら、その綱を手繰って場所から場所へ移り、普通の人間が歩くのと変わらない速さで進んだ。それでも、以前一緒に航海したことのある船員の中には、これほど不自由になった姿を見て哀れむ者もいた。

「バーベキューは並の男じゃねえ」と操舵長が僕に言った。「若いころにはちゃんと教育を受けていて、その気になりゃ本みてえな話し方だってできる。それに勇敢だ。ロング・ジョンに比べりゃ、獅子だって猫みてえなものさ! 武器も持たずに四人を組み伏せ、頭と頭をぶつけ合うのを、この目で見たことがある。」

乗組員は皆、シルバーを尊敬し、命令にまで従った。相手ごとに話し方を変え、誰に対しても、その人間に合った親切をするすべを知っていた。僕にもたゆまず親切にしてくれ、いつも喜んで調理室へ迎え入れてくれた。そこは新品の針のようにぴかぴかで、磨き上げた食器が吊るされ、片隅の籠にはオウムがいた。

「おいで、ホーキンス」とシルバーはよく言った。「ジョンと話をしようじゃねえか。おまえほど歓迎したい客はいないぞ、坊や。そこへ座って、最新の知らせを聞け。こちらはフリント船長――有名な海賊にちなんで、俺はこのオウムをフリント船長と呼んでる――フリント船長が、俺たちの航海は成功すると予言してくださってる。そうだよな、船長?」

するとオウムは、「八レアル銀貨! 八レアル銀貨! 八レアル銀貨!」と、息切れしないのが不思議になるほど猛烈な勢いで繰り返した。しまいにはジョンが籠にハンカチをかぶせた。

「この鳥はな、ホーキンス、二百歳くらいかもしれねえ。オウムってのは、たいてい永遠に生きるからな。こいつより多くの悪事を見てきたやつがいるとすりゃ、悪魔くらいのものだ。こいつはイングランド――大海賊イングランド船長――と航海した。マダガスカルにも、マラバールにも、スリナムにも、プロビデンスにも、ポルトベロにも行った。沈んだ財宝船を引き揚げる現場にもいたんだ。『八レアル銀貨』って言葉は、そこで覚えた。そりゃ無理もねえ、三十五万枚もあったんだからな、ホーキンス! ゴアから来たバイサラオ・オブ・ジ・インディーズ号へ乗り込んだときにもいた。こうして見りゃ、まるで赤ん坊みてえだろう。だが火薬の匂いは嗅いだよな、船長?」

「針路変更、用意!」とオウムは金切り声を上げた。

「ああ、じつに見事な船だ」と料理番は言って、ポケットから砂糖を出して与えた。すると鳥は籠の棒をくちばしでつつきながら、信じがたいほど悪辣な罵り言葉を延々と吐き続けた。「ほらな」とジョンは続けた。「瀝青ピッチに触れりゃ、汚れずにはいられねえんだ、坊や。この哀れで無邪気な老鳥は、自分でも意味がわからねえまま、恐ろしい悪態をついている。間違いねえ。牧師の前に出たって、同じように悪態をつくだろうよ。」

そしてジョンは、いつもの厳かな仕草で額へ手を当てた。そんな姿を見ると、僕には世界でいちばん立派な人間に思えた。

一方、地主とスモレット船長の関係は、相変わらずかなり冷え込んでいた。地主はそれを隠そうともせず、船長を軽蔑していた。船長の方は、話しかけられないかぎり決して口を開かず、返事も鋭く、短く、素っ気なく、一言たりとも無駄にしなかった。問い詰められた末に、乗組員については自分が間違っていたらしいと認めた。何人かは望みどおり敏捷に働き、全員の振る舞いもまずまずだという。船については、すっかり気に入っていた。「この船は、自分の女房に期待してよい以上に、風上へ一ポイント近く切り上がれます。ですが」と、必ず付け加えた。「まだ帰り着いたわけではありません。それに私は、この航海が気に入りません。」

それを聞くと地主は顔を背け、顎を上げて甲板を行ったり来たりした。

「あの男の話をもう少し聞かされたら、私は爆発するぞ」と地主は言った。

何度か荒天に見舞われたが、それはヒスパニオラ号の優秀さを証明しただけだった。乗船者は皆、たいそう満足していた。もし不満があったなら、よほど気難しい連中だったに違いない。ノアが海へ出て以来、これほど甘やかされた船員たちはいなかっただろう。わずかな口実でもラム酒を倍量支給し、特別な日――たとえば誰かの誕生日だと地主が耳にした日――にはプディングまで出た。船の中央部には、いつも蓋を開けたリンゴ樽が置かれ、欲しい者は誰でも自由に取れた。

「こんなことをして、よい結果になったためしはない」と船長はリヴジー博士に言った。「船首楼の連中を甘やかせば、悪魔になる。それが私の考えです。」

だが、やがてわかるように、そのリンゴ樽がよい結果をもたらした。あの樽がなければ、僕らは警告を得られず、裏切りによって全員殺されていたかもしれない。

事の次第はこうだ。

目指す島の風上側へ出るため、僕らは貿易風帯をさかのぼった――これ以上詳しいことは明かせない――そして今や、昼夜を問わず見張りを立てながら、島へ向かって走っていた。どれほど長く見積もっても、往路最後の日だった。その夜のうち、遅くとも翌日の正午前には、宝島を発見できるはずだった。船は南南西へ向かい、真横から安定した風を受け、海は穏やかだった。ヒスパニオラ号は規則正しく横揺れし、ときおり船首斜檣を波しぶきへ突っ込んだ。上も下もすべての帆が風をはらんでいた。冒険の第一段階が間もなく終わるとあって、誰もが意気揚々としていた。

日没直後、仕事をすべて終え、寝床へ向かっていた僕は、急にリンゴが食べたくなった。甲板へ駆け上がると、当直の者たちは全員、船首で島を探していた。舵を取る男は帆の風上縁を見つめ、静かに口笛を吹いていた。聞こえるのは、その音と、船首や舷側を洗う海のざわめきだけだった。

僕は全身をリンゴ樽の中へ滑り込ませた。だが、リンゴはほとんど残っていなかった。暗闇の中に座っていると、水音と船の揺れのせいで、眠り込んだか、あるいは眠りかけていた。そのとき、重い男がすぐそばへ、どさりと腰を下ろした。男が肩を樽にもたせかけたので、樽全体が揺れた。僕が跳び起きようとした瞬間、その男が話し始めた。シルバーの声だった。そして十数語も聞かないうちに、何があろうと姿を見せまいと決め、激しい恐怖と好奇心に震えながら、じっと耳を澄ませた。そのわずかな言葉から、船にいる正直者全員の命が、僕一人に懸かっているのだと悟ったからだ。


第十一章 リンゴ樽の中で聞いたこと

「いや、俺じゃねえ」とシルバーは言った。「船長はフリントで、俺は操舵長だった。この丸太脚を失ったのと同じ砲撃で、老いぼれピューは目玉を失った。俺の脚を切ったのは一流の外科医でな――大学出で、ラテン語を樽一杯ぶちまけるような男だった。だが、ほかの連中と同じように犬みてえに吊るされ、コルソ城で日に干された。あれはロバーツの一味だった。船の名前を変えたのが運の尽きさ――ロイヤルフォーチュン号だの何だのとな。船は洗礼を受けた名前のままにしておけ、というのが俺の考えだ。カッサンドラ号もそうだった。イングランドがバイサラオ・オブ・ジ・インディーズ号を奪ったあと、俺たち全員をマラバールから無事に帰した船だ。フリントの古い船、ウォルラス号もそうだった。甲板を真っ赤な血でぬかるませ、金の重みで沈みかけているのを、俺は見たことがある。」

「ああ!」別の声が叫んだ。船でいちばん若い水夫の声で、明らかに感服しきっていた。「フリントこそ海賊の中の海賊だったんだな!」

「話に聞くかぎりじゃ、デイヴィスも大した男だった」とシルバーは言った。「俺は一緒に航海したことはねえ。最初はイングランド、その次はフリント、俺の経歴はそれだ。そして今は、言ってみりゃ自分のためにここにいる。イングランドと航海したときの九百ポンドと、フリントのあとで手に入れた二千ポンドは、安全に取ってある。一水夫としちゃ悪くねえ――全部銀行の中だ。稼ぐことじゃねえ、貯めることが大事なんだ。よく覚えておけ。イングランドの連中は今どこにいる? 知らねえ。フリントの連中は? 大半はこの船に乗って、プディングにありつけたと喜んでる。それまでは乞食をしてたやつまでいる。目を失った老いぼれピューは、少しは恥を知ってもよさそうなものを、議会の貴族みてえに一年で千二百ポンドも使い果たした。今どこにいる? もう死んで、甲板の下だ。だがその前の二年間、畜生め、あの男は飢えていた。物乞いをし、盗みをし、人の喉を切り、それでも飢えていたんだ。まったく!」

「結局、あまり役には立たないんだな」と若い水夫が言った。

「馬鹿には何だって役に立たねえ。当たり前だ」とシルバーは叫んだ。「だがな、よく聞け。おまえは若いが、抜け目がない。最初に目をつけたときから、そうとわかっていた。だから一人前の男として話してやる。」

この忌まわしい老悪党が、僕に使ったのとまったく同じお世辞で別の人間に語りかけるのを聞いて、僕がどんな気持ちになったか想像できるだろう。できるものなら、樽越しに殺してやりたかった。シルバーは誰かに聞かれているなど夢にも思わず、話を続けた。

「海賊稼業ってのは、こういうものだ。暮らしは荒っぽく、縛り首になる危険もあるが、闘鶏みてえに飲み食いできる。航海が終われば、ポケットに入っているのは何百ファージングどころか何百ポンドだ。大半のやつはラム酒とどんちゃん騒ぎで使い果たし、着の身着のまま、また海へ戻る。だが俺のやり方は違う。ここに少し、あそこに少しと、全部しまっておく。疑われねえよう、一か所には置きすぎない。いいか、俺は五十だ。この航海から戻ったら、今度こそ本物の紳士として暮らす。もう十分な年だって? ああ、だが今までも楽に暮らしてきた。心の望むものを我慢したことはねえし、海にいるとき以外は柔らかい寝床で寝て、うまい物を食ってきた。それで最初は何だった? おまえと同じ、平水夫だ!」

「でも」と相手が言った。「ほかの金はもうなくなったんだろう? こんなことをしたあとじゃ、ブリストルには顔を出せない。」

「じゃあ、金はどこにあると思う?」とシルバーは嘲るように尋ねた。

「ブリストルの銀行とか、そういうところだろう」と相手は答えた。

「あったさ」と料理番は言った。「錨を上げたときまではな。だが今ごろは、うちのかみさんが全部持っている。スパイグラスも、借地権も、のれんも、備品も、すっかり売った。かみさんは俺と落ち合うために旅立っている。おまえを信用してるから、場所を教えてもいいんだが、仲間たちが嫉妬するからな。」

「かみさんは信用できるのか?」と相手が尋ねた。

「海賊仲間ってのは、たいてい互いをほとんど信用しねえ。それで正しいんだ」と料理番は答えた。「だが俺には俺のやり方がある。俺を知っている仲間が裏切ろうものなら、老ジョンと同じ世界には長くいられねえ。ピューを恐れるやつもいれば、フリントを恐れるやつもいた。だがフリント本人は俺を恐れていた。恐れながらも誇りに思っていた。フリントの一味は海でいちばん荒っぽい連中だった。悪魔だって一緒に船へ乗るのを怖がっただろう。だが言っておくが、俺は自慢するような男じゃねえし、気さくに付き合っているのは、おまえも知ってるだろう。だが俺が操舵長だったころのフリントの海賊どもは――子羊なんて言葉じゃ足りねえほどおとなしかった。老ジョンの船なら安心だぞ。」

「わかった」と若者は答えた。「あんたと話すまでは、この仕事がほんの少しも気に入らなかった。でも今は、これが俺の手だ。」

「勇敢で利口な若者だ」とシルバーは答え、樽全体が揺れるほど力強く握手した。「海賊稼業にこれほど立派な船首像は、今まで見たことがねえ。」

このころには、彼らが使う言葉の意味もわかってきた。「幸運の紳士」とは、どう見ても普通の海賊以外の何者でもない。僕が盗み聞きした小さな場面は、正直な水夫の一人――ひょっとすると船に残った最後の一人――が堕落する、その最終幕だった。しかし、この点についてはすぐに安心させられた。シルバーが小さく口笛を吹くと、三人目の男がぶらりとやって来て、仲間のそばに腰を下ろしたからだ。

「ディックも仲間になった」とシルバーが言った。

「ああ、ディックなら仲間になるとわかってた」と、操舵長イスラエル・ハンズの声が答えた。「ディックは馬鹿じゃねえ。」

ハンズは噛み煙草を口の中で転がし、唾を吐いた。「だがな」と続けた。「俺が知りたいのはこうだ、バーベキュー。いつまで忌々しいはしけみてえに、行ったり来たりしてるんだ? スモレット船長にはもううんざりだ。さんざんこき使われたからな! 俺は船室へ乗り込みたい。あいつらの漬物も、葡萄酒も欲しいんだ。」

「イスラエル」とシルバーは言った。「おまえの頭は昔から大した代物じゃねえ。だが耳は聞こえるはずだ。少なくとも、耳だけは十分でかい。よく聞け――俺が合図するまで、船首側で寝て、粗末な物を食い、静かに話し、酒を断て。いいな、坊や。」

「嫌だとは言ってねえだろう?」と操舵長は唸った。「俺が聞いてるのは、いつだってことだ。それだけだ。」

「いつだと! まったく!」とシルバーは叫んだ。「どうしても知りたいなら教えてやる。できるだけ最後の瞬間までだ。それが答えだ。ここには一流の船乗り、スモレット船長がいて、俺たちのためにこの忌々しい船を動かしてくれている。地主と博士は地図やら何やらを持っている――俺はその地図がどこにあるか知らねえ。そうだろ? おまえも知らねえ。だったら、地主と博士に宝を見つけさせ、船まで運ばせる。それからだ。もしおまえら、二重オランダ人のせがれども全員を信用できるなら、スモレット船長に帰り道の半分まで操船させてから事を起こすんだがな。」

「ここにいるのは全員、船乗りじゃねえのか?」と若いディックが言った。

「平水夫ばかりだと言いたいんだろう」とシルバーは鋭く言い返した。「舵は取れても、針路を決めるのは誰だ? おまえら自称紳士は、いつもそこでしくじる。俺の思いどおりにできるなら、少なくともスモレット船長に貿易風帯まで戻らせる。そうすりゃ計算を間違えて、一日スプーン一杯の水で生き延びる羽目にもならねえ。だが俺は、おまえらがどんな連中か知っている。宝を積み込んだら、島であいつらを片づけるしかねえ。残念なことだ。だが、おまえらは酔わなきゃ満足できねえ。畜生、こんな連中と航海してると思うと胸が悪くなる!」

「落ち着け、ロング・ジョン」とイスラエルは叫んだ。「誰があんたに逆らってる?」

「俺がこれまで、何隻のでかい船へ乗り込んだと思う? エグゼキューション・ドックで、何人の威勢のよい若者が日に干されてるのを見たと思う?」とシルバーは叫んだ。「全部、この急げ、急げ、急げのせいだ。聞いてるか? 俺は海でいろいろ見てきた。きちんと針路を定めて、少し風上へ向かうだけで、馬車に乗れる暮らしができるんだ。だが、おまえらには無理だ! わかってるぞ。明日にはラム酒を腹いっぱい飲んで、首を吊られるのが落ちだ。」

「誰だって、ジョンが牧師みてえな男だとは知ってるさ。だが、あんたと同じくらい帆を扱い、舵を取れるやつはほかにもいた」とイスラエルは言った。「連中は、ちょっとした楽しみが好きだった。あんたみてえに堅苦しくなく、陽気な仲間らしく、皆で羽目を外したんだ。」

「そうか?」とシルバーは言った。「で、その連中は今どこにいる? ピューもそういうやつで、乞食のまま死んだ。フリントもそうで、サバンナでラム酒のせいで死んだ。ああ、じつに愉快な連中だった! だが、今はどこにいる?」

「でも」とディックが尋ねた。「いよいよあいつらを始末するとき、どうするんだ?」

「そうこなくちゃ!」と料理番は感心して叫んだ。「それが仕事の話ってものだ。で、どうしたい? 島へ置き去りにするか? それがイングランドのやり方だった。それとも豚肉みてえに切り刻むか? そいつはフリントかビリー・ボーンズのやり方だ。」

「ビリーはその手だった」とイスラエルが言った。「『死人は噛みつかねえ』が口癖でな。だが本人も、今じゃ死んじまった。あの世で話の裏も表も知っただろう。荒っぽい男が港へ入ったことがあるとすりゃ、それはビリーだった。」

「そのとおり」とシルバーは言った。「乱暴で、手っ取り早い。だがよく聞け。俺は穏やかな男だ――まさに紳士だろう? だが今回は重大だ。務めは務めだ、仲間たち。俺は死刑に一票だ。俺が議会に入り、馬車を乗り回しているとき、こいつら海の弁護士が、祈りの最中に現れる悪魔みてえに、予告もなく船室から帰ってくるのはごめんだ。待て、と俺は言う。だが時が来たら、徹底的にやれ!」

「ジョン」と操舵長は叫んだ。「あんたこそ本物の男だ!」

「いずれわかるさ、イスラエル」とシルバーは言った。「ただ一人、俺に譲ってもらう。トレローニーだ。この両手で、あの子牛みてえな頭を胴体からねじ切ってやる。ディック!」話を途中で切って、シルバーは続けた。「いい子だから、さっと立って、口直しにリンゴを一つ取ってきてくれ。」

僕の恐怖がどれほどだったか、想像できるだろう。力さえ出たなら、樽から跳び出して逃げていた。だが手足にも心臓にも力が入らなかった。ディックが立ち上がりかける音がした。すると誰かが止めたらしく、ハンズの声が響いた。

「よせ! そんな汚水を吸うことはねえ、ジョン。ラム酒を一杯やろう。」

「ディック」とシルバーは言った。「おまえを信用するぞ。樽には目盛りをつけてあるからな。ほら、鍵だ。金属杯パニキンに一杯ついで持ってこい。」

これほど怯えていながらも、アロー氏を破滅させた強い酒は、こうして手に入れていたのだろうと考えずにはいられなかった。

ディックはすぐに戻ってきたが、その留守中、イスラエルは料理番の耳元で、ひっきりなしに囁いていた。聞き取れたのは一言二言にすぎなかったが、それでも重要な情報を得られた。同じ意味を示す断片の中に、はっきりこう聞こえたのだ。「もう仲間になるやつはいねえ。」

つまり、船にはまだ忠実な者たちが残っていた。

ディックが戻ると、三人は次々に杯を取って飲んだ。一人は「幸運に」、もう一人は「老フリントに」と乾杯し、シルバー自身は歌うように言った。「俺たちに乾杯、風上を保て。分捕り品は山ほど、プディングも山ほど。」

そのとき、樽の中へ淡い光が差し込んだ。見上げると月が昇り、ミズンマストの檣楼を銀色に染め、前帆の風上縁を白く照らしていた。ほとんど同時に、見張りの声が響いた。

「陸だ!」


第十二章 作戦会議

甲板を大勢の足がどっと駆けていった。船室や船首楼から人々が転がるように上がってくる音が聞こえた。僕は一瞬で樽の外へ滑り出ると、前帆の陰へ飛び込み、船尾へ向かって回り込み、ハンターとリヴジー博士に合流するのに間に合うよう、風上側の船首へ駆けつけた。

そこにはすでに全員が集まっていた。月が現れるのとほとんど同時に、霧の帯が持ち上がっていた。はるか南西の方角に、二マイル(約三・二キロメートル)ほど離れて並ぶ二つの低い丘が見え、その一つの背後には、頂をまだ霧に包まれた、さらに高い三つ目の丘がそびえていた。どれも鋭く尖った円錐形に見えた。

僕が夢見心地で見て取れたのは、それくらいだった。ほんの一、二分前の恐ろしい体験から、まだ立ち直っていなかったのだ。やがてスモレット船長が命令を出す声が聞こえた。ヒスパニオラ号は二ポイントほど風上へ向きを変え、島の東側をかすめて通る針路を進み始めた。

「さて、皆」と船長は言った。すべての帆脚綱を引き終えたあとだった。「前方の陸地を、以前見たことのある者はいるか?」

「あります、船長」とシルバーが答えた。「俺が料理番をしていた商船で、あそこで水を補給しました。」

「停泊地は南側、小島の陰だったと思うが?」と船長は尋ねた。

「そのとおりです。スケルトン島と呼ばれています。昔は海賊どもの根城で、以前うちの船にいた水夫が、あそこにある地名を全部知っていました。北側の丘はフォアマスト山。南へ向かって三つの丘が並んでいて、フォア、メイン、ミズンと呼ばれています。ですがメイン――雲のかかっている、あのでかいやつ――は、たいていスパイグラス山と呼ばれます。停泊地で船底を掃除するとき、あそこに見張りを置いたからです。あそこで船を掃除していたんです、失礼しました。」

「ここに海図がある」とスモレット船長は言った。「その場所かどうか、見てくれ。」

海図を受け取ったロング・ジョンの目は、頭の中で燃えるように輝いた。だが紙の新しさを見て、期待外れに終わったと僕にはわかった。それはビリー・ボーンズの箱から見つけた地図ではなく、正確な写しだった。地名も、高さも、水深も、すべて完全に記されている。ただし、赤い十字印と手書きの覚え書きだけはなかった。ひどく落胆したに違いないが、シルバーはそれを隠すだけの自制心を備えていた。

「そうです、船長」とシルバーは言った。「たしかにここです。それに、じつに見事に描かれている。誰が作ったんでしょうな? 海賊どもは、こんなことができるほど学がなかったはずです。ああ、ここだ。『キッド船長の停泊地』――昔の船仲間も、そう呼んでいました。南側には強い潮が流れ、それから西海岸沿いに北へ向かいます。風上へ切り上がり、島の風上側を保ったのは正解でした。少なくとも停泊して船底を掃除するおつもりなら、この海域であそこ以上の場所はありません。」

「ありがとう」とスモレット船長は言った。「いずれ案内を頼む。もう下がってよい。」

ジョンが平然と島の知識を披露したことに、僕は驚いた。こちらへ近づいてくるのを見たときには、正直、半ば恐怖に駆られた。もちろんシルバーは、僕がリンゴ樽の中で会議を盗み聞きしたとは知らない。それでも今の僕は、その残酷さ、二枚舌、力に強い恐怖を抱いており、腕に手を置かれたときには、震えを隠すのがやっとだった。

「ああ」とシルバーは言った。「この島はいいところだ――坊主が上陸して遊ぶには最高だぞ。泳いだり、木に登ったり、山羊を狩ったりできる。それに丘へ登れば、おまえ自身が山羊みてえになれる。若返った気分だ。もう少しで、この丸太脚のことまで忘れるところだった。若くて、足の指が十本あるってのは、まったく結構なことだ。探検に出たくなったら、老ジョンに言え。道中の軽食を用意してやるからな。」

僕の肩をいかにも親しげに叩くと、シルバーは足を引きずって船首へ向かい、下へ降りていった。

スモレット船長、地主、リヴジー博士は、後甲板で話し合っていた。僕は一刻も早く事情を伝えたかったが、公然と割り込む勇気はなかった。もっともらしい口実はないものかと考えていると、リヴジー博士が僕を呼んだ。パイプを下に置き忘れ、煙草なしではいられない博士は、僕に取ってこさせるつもりだったのだ。だが、誰にも聞かれずに話せる距離まで近づくや、僕はたちまち切り出した。「博士、話を聞いてください。船長と地主さんを船室へ連れていって、それから何か口実を作って僕を呼んでください。恐ろしい知らせがあります。」

博士の顔色がわずかに変わったが、次の瞬間には平静を取り戻した。

「ありがとう、ジム」と、まるで何か質問したあとのように、わざと大声で言った。「知りたかったのはそれだけだ。」

そう言うと踵を返し、ほかの二人のもとへ戻った。三人は少しのあいだ話し合った。誰も飛び上がらず、声を荒らげず、口笛一つ吹かなかったが、博士が僕の頼みを伝えたことは明らかだった。次に聞こえてきたのは、船長がジョブ・アンダーソンへ命令する声だった。笛が吹かれ、全員が甲板へ召集された。

「皆に話がある」とスモレット船長は言った。「我々が発見した陸地こそ、目指して航海してきた場所だ。ご存じのように、トレローニーさんはたいへん気前のよい紳士だ。たった今、私に船員諸君の働きぶりを尋ねられた。上でも下でも全員が申し分なく務めを果たしており、これ以上を望めないと答えることができた。そこで地主殿と私と博士は、船室へ降りて、諸君の健康と幸運を祈って乾杯する。諸君にもラム酒を支給し、我々の健康と幸運を祈って乾杯してもらう。私の考えを言おう。これはじつに気前のよい計らいだ。もし諸君も同意見なら、そのように取り計らった紳士に、船乗りらしい立派な歓声を送ってくれ。」

当然のように歓声が上がった。だが、その響きがあまりに力強く、心のこもったものだったので、この同じ連中が僕らの血を流そうと企んでいるとは、とても信じられないほどだった。

「スモレット船長にも、もう一度!」最初の歓声が静まると、ロング・ジョンが叫んだ。

それにも全員が力いっぱい応えた。

それから三人の紳士は下へ降り、ほどなくして、ジム・ホーキンスを船室へ寄こせという伝言が船首へ届いた。

船室へ行くと、三人はテーブルを囲んで座っていた。目の前にはスペイン産葡萄酒の瓶と干し葡萄があり、博士はかつらを膝に置いてパイプをふかしていた。かつらを外しているのは動揺している印だと、僕は知っていた。暖かい夜だったので船尾の窓が開き、その向こうでは月光が船の航跡を照らしていた。

「さあ、ホーキンス」と地主は言った。「話があるそうだな。言ってみろ。」

僕は命じられたとおり、できるかぎり手短に、シルバーたちの会話を一部始終語った。僕が話し終えるまで、誰も口を挟まなかった。三人とも身動き一つせず、最初から最後まで僕の顔を見つめ続けた。

「ジム」とリヴジー博士が言った。「座りなさい。」

三人は僕を同じテーブルへ座らせ、葡萄酒を一杯ついでくれ、両手いっぱいに干し葡萄を持たせた。それから一人ずつ順番に、僕へ向かって頭を下げ、幸運と勇気を称え、僕の健康を祈って乾杯し、恩に着ると言ってくれた。

「さて、船長」と地主が言った。「君が正しく、私が間違っていた。自分が大馬鹿者だったと認めよう。君の命令を待つ。」

「私も大馬鹿者という点では変わりません」と船長は答えた。「反乱を企む乗組員は、それに先立って必ず兆候を見せるものです。目のある人間なら危険に気づき、相応の手を打てるほどの兆候を。ところが、この連中にはお手上げです。」

「船長」と博士は言った。「失礼ながら、それがシルバーなのだ。まったく並外れた男だ。」

「帆桁に吊るせば、さぞ並外れて見事でしょうな」と船長は答えた。「しかし、こんな話をしても何も進みません。私には三つか四つ、要点が見えています。トレローニーさんのお許しがあれば申し上げます。」

「君が船長なのだ。君が話すべきだ」とトレローニー氏は重々しく言った。

「第一点」とスモレット船長は始めた。「引き返すことはできないため、進むしかありません。向きを変えろと命令すれば、連中はただちに反乱を起こすでしょう。第二点、時間にはまだ余裕があります――少なくとも宝が見つかるまでは。第三点、忠実な者たちも残っています。さて、遅かれ早かれ、いずれ戦いになる。そこで私が提案したいのは、ことわざどおり好機を逃さず、連中が最も予想していない日に、こちらから戦いを始めることです。トレローニーさん、あなたの使用人たちは信用できますな?」

「私自身と同じくらいに」と地主は断言した。

「三人」と船長は数えた。「我々に、ここにいるホーキンスを加えて、合計七人。それでは正直な船員については?」

「おそらく、トレローニーが自分で雇った者たちだ」と博士は言った。「シルバーを見つける前に選んだ連中だ。」

「いや」と地主は答えた。「ハンズは私が選んだ。」

「ハンズなら信用できると思ったのですが」と船長も付け加えた。

「しかも、あいつらは皆イングランド人だというのに!」と地主は突然叫んだ。「船ごと吹き飛ばしてやりたいくらいだ!」

「さて、皆さん」と船長は言った。「残念ながら、名案はありません。辛抱して待ち、注意深く見張るしかないでしょう。つらいことは承知しています。さっさと戦う方が気分はよい。しかし、味方が誰かわかるまでは仕方ありません。船を止め、風が吹くのを待つ――それが私の考えです。」

「ここにいるジムは、誰よりも我々の役に立つ」と博士は言った。「船員たちはジムを警戒していない。それにジムは観察力のある少年だ。」

「ホーキンス、私は君を大いに頼りにしているぞ」と地主も付け加えた。

そう言われて、僕は絶望的な気持ちになった。自分には何もできないと思ったのだ。ところが奇妙な成り行きによって、実際に皆を救うことになったのは僕だった。ともあれ、その時点で信用できるとわかっていたのは、二十六人中わずか七人。その七人のうち一人は少年だったから、こちらの成人男性は六人、相手は十九人だった。


第三部 僕の陸上での冒険


第十三章 陸上での冒険の始まり

翌朝、甲板へ出たときには、島の印象はすっかり変わっていた。風は完全に止んでいたものの、夜のあいだにかなり進み、今は低い東海岸の南東、半マイル(約八百メートル)ほどのところで無風状態になっていた。島の大部分は灰色の森に覆われている。低地には黄色い砂地が何本も走り、松の仲間と思われる背の高い木々が、一本ずつ、あるいは群れをなして、ほかの木より高く突き出ていたため、その一様な色合いはいくらか破られていた。それでも全体としては、変化に乏しく、陰気な色彩だった。丘は植生の上へくっきり突き出し、裸の岩の尖塔となってそびえていた。どれも奇妙な形をしていたが、島で最も高く、ほかより三、四百フィート(約九十~百二十メートル)も抜きん出たスパイグラス山は、形もひときわ奇怪だった。ほぼすべての面が垂直に切り立ち、頂上だけは像を載せる台座のように、突然平らに断ち切られていた。

ヒスパニオラ号は外洋のうねりに翻弄され、排水口が海へ沈むほど大きく横揺れしていた。帆桁は滑車を激しく引っ張り、舵は左右へばたつき、船全体が工場のように軋み、呻き、跳ね回っていた。僕は後方支索へしっかりつかまらねばならず、目の前では世界がめまぐるしく回った。船が進んでいるときなら、僕もまずまずの船乗りだったが、停止したまま瓶のように揺さぶられるのには、いくら経っても気分を悪くせず耐えられなかった。とりわけ朝、空腹のときにはなおさらだった。

そのせいだったのかもしれない。あるいは、灰色で物悲しい森や荒々しい岩の尖塔、急な浜辺で泡立ち、轟くのが目にも耳にも伝わる磯波など、島の姿のせいだったのかもしれない。少なくとも、太陽は明るく暑く照りつけ、海鳥は周囲で魚を捕りながら鳴き交わしていた。長い船旅のあとなら、誰でも陸へ上がれることを喜びそうなものだった。それなのに僕は、俗にいう「心臓が靴まで落ちる」ような気分になり、その最初の一目から、宝島という考えそのものが嫌いになった。

僕らの前には、気の滅入る午前中の仕事が待っていた。風の兆しがまったくないため、ボートを下ろして人員を配置し、船を綱で引いて島の角を三、四マイル(約五~六・四キロメートル)回り込み、スケルトン島の陰にある泊地まで狭い水路を進めなければならなかった。僕は何の役にも立たないくせに、ボートの一艘へ志願して乗り込んだ。うだるような暑さで、男たちは作業をしながら激しく不平をこぼした。僕のボートではアンダーソンが指揮を執っていたが、部下を取り締まるどころか、誰よりも大声で文句を言った。

「まあ」と、アンダーソンは悪態をついて言った。「永遠に続くわけじゃねえ。」

これは非常に悪い兆候だと僕は思った。その日までは、男たちはきびきびと、進んで仕事に励んでいた。それなのに島を目にしただけで、規律の綱が緩んでしまったのだ。

水路を進むあいだ、ロング・ジョンはずっと操舵手のそばに立ち、船を導いた。水路のことを手のひらのように知り尽くしていた。測鉛を下ろす者が、海図に記されたより深い水深をどこでも報告したが、ジョンは一度も迷わなかった。

「引き潮のときには強い流れがある」と言った。「この水路は、言ってみりゃ、その流れが鋤で掘ったようなものだ。」

僕らは海図に錨の印がついた場所へ、ぴたりと船を止めた。両岸からそれぞれ三分の一マイル(約五百四十メートル)ほど離れ、片側には島本体、反対側にはスケルトン島がある。海底はきれいな砂地だった。錨が水へ飛び込むと、森から鳥の群れが雲のように舞い上がり、旋回しながら鳴き騒いだ。だが一分も経たないうちに戻っていき、再びすべてが静かになった。

その場所は陸地に完全に囲まれ、深い森に埋もれていた。木々は満潮線ぎりぎりまで生え、岸はおおむね平らだった。離れた場所には、あちこちの丘の頂が円形劇場のように周囲を取り囲んでいた。二本の小川――というより二つの沼――が、この池とも呼べる水域へ流れ込んでいる。その付近の岸辺に茂る葉は、毒々しいほど鮮やかだった。家も防柵も木々の中にすっかり埋もれていたので、船からはまったく見えなかった。昇降口の海図がなければ、島々が海から生まれて以来、そこへ錨を下ろしたのは僕らが初めてだと思っただろう。

そよ風一つ吹かず、物音といえば、半マイル(約八百メートル)先の浜や外海の岩礁に打ちつける磯波の轟きだけだった。停泊地には、濡れた落ち葉と腐った木の幹を思わせる、独特の淀んだ臭いが漂っていた。博士が腐った卵を味見する人のように、何度も鼻をひくつかせているのに気づいた。

「宝があるかどうかは知らん」と博士は言った。「だが、ここに熱病があることなら、私のかつらを賭けてもいい。」

ボートの中での男たちの態度が不穏だったとすれば、乗船後には、はっきり脅威を感じさせるものになった。甲板のあちこちへ寝そべり、皆で唸るように不満を言い合っている。どんな小さな命令にも険しい目を向け、渋々と、しかも投げやりに従った。正直な船員まで影響を受けていたに違いない。互いをたしなめる者は、一人もいなかった。反乱が雷雲のように僕らの頭上へ垂れ込めているのは明らかだった。

危険を感じていたのは、船室側の僕らだけではなかった。ロング・ジョンは集団から集団へ忙しく移動し、懸命に忠告を与えていた。模範という点でも、あれ以上の振る舞いはできなかっただろう。本人でさえこれまでにないほど意欲的かつ丁重で、誰に対しても笑顔を絶やさなかった。命令が出れば、世界一陽気な声で「了解です、船長!」と答え、松葉杖を突いてたちまち駆けつけた。ほかにすることがなければ、次から次へと歌を歌い、まるでほかの者たちの不満を覆い隠そうとしていた。

陰鬱な午後に見られた、あらゆる不吉な兆候の中でも、ロング・ジョンが明らかに不安を抱いていることこそ、最悪に思えた。

僕らは船室で会議を開いた。

「地主殿」と船長は言った。「もう一つ命令を出せば、船全体が一瞬で我々の頭上へ崩れ落ちるでしょう。状況はこうです。私が命令すると、乱暴な返事が返ってくる。そこで言い返せば、たちまち槍が飛び交う。黙っていれば、何か裏があるとシルバーに気づかれ、それでおしまいです。今、頼れる人間は一人しかいません。」

「それは誰だ?」と地主が尋ねた。

「シルバーです」と船長は答えた。「あの男も我々と同じくらい、騒ぎを抑えたがっています。これは一時的な苛立ちです。機会さえあれば、すぐに連中を説得して収めるでしょう。そこで、その機会を与えようと思います。午後のあいだ、船員を上陸させるのです。全員が行くなら、我々は船を守って戦う。誰も行かないなら、船室へ立てこもり、正しい者を神に守っていただく。一部だけが行くなら――覚えておいてください、地主殿――シルバーが羊のようにおとなしくして連れ戻してきます。」

その案に決まった。信用できる全員へ、弾を込めた拳銃が配られた。ハンター、ジョイス、レッドルースにも事情を打ち明けたが、三人は僕らが予想したほど驚かず、意気も盛んだった。それから船長が甲板へ出て、乗組員に告げた。

「皆」と船長は言った。「暑い一日で、全員が疲れ、不機嫌になっている。少し陸へ上がっても害にはなるまい。ボートはまだ水に浮かべてある。短艇を使い、希望する者は何人でも、午後のあいだ上陸してよい。日没の三十分前に砲を撃って合図する。」

愚かな連中は、上陸した途端に宝につまずくとでも思ったのだろう。たちまち不機嫌さを忘れ、歓声を上げた。その声は遠くの丘にこだまを起こし、停泊地の鳥たちを再び飛び立たせ、鳴き騒がせた。

船長は邪魔にならぬよう、実に機敏に姿を消した。上陸組を決める仕事はシルバーへ任せたのだが、そうしたのは正解だったと思う。甲板に残っていたなら、船長はもはや状況がわからないふりさえできなかっただろう。すべては明々白々だった。船長はシルバーであり、その配下には筋金入りの反乱者たちがいた。正直な船員――実際にそのような者がいることは、間もなく証明された――は、よほど鈍い人間だったに違いない。いや、むしろ真相はこうだろう。首謀者たちの悪影響は全員に及んでいたが、その程度には差があった。そして根は善良な数人は、それ以上先へ進むよう誘われても、脅されても従わなかった。怠けたり、仕事をさぼったりするのと、船を乗っ取り、罪のない人々を何人も殺すのとは、まるで別の話なのだ。

やがて上陸組が決まった。六人が船に残り、シルバーを含む残りの十三人がボートへ乗り始めた。

そのとき、僕らの命を救うのに大いに役立つことになる、最初の無鉄砲な思いつきが頭に浮かんだ。シルバーが六人を残した以上、こちらが船を奪って守り抜くのは無理だと明らかだった。一方、残ったのが六人だけなら、船室側も今すぐ僕の助けを必要としてはいない。そこで、ただちに上陸しようと思いついた。僕は一瞬で舷側を滑り降り、いちばん近いボートの船首座席へ身を丸めた。ほとんど同時に、ボートは船を離れた。

誰も僕に注意を払わなかった。船首の漕ぎ手が言っただけだった。「ジムか? 頭を下げてろ。」

だが別のボートにいたシルバーは、鋭くこちらを見て、乗っているのは僕かと大声で尋ねた。その瞬間から、自分のしたことを後悔し始めた。

二艘のボートは浜へ向かって競争した。僕の乗ったボートは先に出たうえ、軽く、漕ぎ手も優秀だったので、もう一艘を大きく引き離した。船首が岸辺の木々へ突っ込むと、僕は枝をつかみ、体を持ち上げて飛び移り、最寄りの茂みへ飛び込んだ。シルバーたちは、まだ百ヤード(約九十一メートル)も後ろにいた。

「ジム、ジム!」

シルバーが叫ぶのが聞こえた。

だが、もちろん僕は耳を貸さなかった。跳び越え、身をかがめ、藪をかき分けながら、走れなくなるまで、ひたすらまっすぐ走り続けた。


第十四章 最初の一撃

ロング・ジョンをまいたことがうれしくてたまらず、僕は次第に楽しい気分になり、自分が足を踏み入れた見知らぬ土地を興味深く眺め始めた。柳や蒲、見たこともない異国めいた湿地の木々が生える沼沢地を通り抜け、起伏のある開けた砂地の端へ出ていた。そこは長さ一マイル(約一・六キロメートル)ほどで、松が数本と、樫に似た枝ぶりをしながら柳のように青白い葉をつけた、ねじくれた木々が数多く点在していた。開けた土地の向こうには丘が一つあり、奇妙な形をした二つの岩峰が、太陽の下で鮮やかに輝いていた。

そのとき初めて、僕は探検の喜びを感じた。島には誰も住んでいない。船の仲間たちは後に残してきた。目の前に生きているのは、口の利けない獣と鳥だけだった。僕は木々の間をあちらこちらへ歩き回った。ところどころに見知らぬ花が咲いていた。蛇も何匹か見かけた。そのうち一匹は岩棚から頭をもたげ、独楽が回るような音を立てて僕を威嚇した。それが命に関わる敵で、鳴らしていたのが有名な尾の警音器ラトルだとは、思いもしなかった。

やがて樫に似た木々が長く茂る場所へ来た。あとで聞いたところでは、ライブオーク、つまり常緑樫というらしい。木々は茨のように砂地を低く這い、枝は奇妙にねじれ、葉は藁葺き屋根のように密集していた。その茂みは砂丘の一つの頂から下へ延び、進むにつれて広がり、背も高くなり、ついには広大な葦の沼の縁へ達していた。いちばん近い小川は、その沼をゆっくり染み通るように流れ、停泊地へ注いでいた。強い日差しの下、沼からは蒸気が立ち上り、陽炎を通してスパイグラス山の輪郭が揺れていた。

突然、蒲の間にざわめきが起こった。一羽の野鴨が鳴き声を上げて飛び立ち、続いてもう一羽が飛び立った。たちまち沼全体の上空を、鳥の大群が鳴きながら旋回し、雲のように覆った。仲間の船員の何人かが、沼の縁をこちらへ近づいているに違いないと、僕はただちに判断した。そしてそのとおりだった。やがて、はるか遠くから低い人声が聞こえ始め、耳を澄ませているうちに、しだいに大きく、近くなってきた。

僕はひどく怖くなり、いちばん近い常緑樫の陰へ這っていき、鼠のように音を立てず、しゃがんで耳を澄ませた。

別の声が答えた。すると最初の声――今ではシルバーだとわかっていた――が再び長々と話し始め、ときおり相手に遮られながらも、途切れなく続いた。声の調子からすると、真剣に、それもほとんど激しく言い争っているようだったが、はっきりした言葉は聞き取れなかった。

やがて二人は立ち止まり、ひょっとすると腰を下ろしたらしい。声が近づかなくなっただけでなく、鳥たちも次第に静かになり、再び沼の元いた場所へ戻り始めたからだ。

そこで僕は、自分の務めを怠っているように感じた。この無法者たちと上陸するほど無鉄砲な真似をしたのだから、せめて会議を盗み聞きすべきだ。そして低く茂った木々を隠れ蓑にして、できるかぎり近づくことこそ、明白な務めだと思った。

声の方向だけでなく、侵入者たちの頭上で怯えながら飛び続ける鳥の動きからも、二人のいる場所をかなり正確に見定められた。

僕は四つん這いになり、ゆっくり、しかし着実に二人へ近づいた。やがて葉の隙間から頭を上げると、沼のそばにある小さな緑の窪地を、はっきり見下ろすことができた。周囲は木々に密に囲まれ、その中でロング・ジョン・シルバーともう一人の船員が、向き合って話していた。

太陽が二人をまともに照らしていた。シルバーは帽子を傍らの地面へ放り出していた。大きく滑らかな色白の顔は汗に光り、嘆願するように相手を見上げていた。

「なあ、仲間」とシルバーは言っていた。「俺がおまえを金の粉ほど大切に思っているからだ――本当だぞ! 膠みてえにおまえへ惚れ込んでなけりゃ、こうして警告しに来たと思うか? もう決まったことだ――今さらどうにもならねえ。俺はおまえの首を救いたくて話している。もし荒くれどもの誰かが知ったら、俺はどうなる、トム? さあ、俺がどうなるか言ってみろ。」

「シルバー」と相手は言った。その顔は赤く、声は烏のように嗄れていた。ぴんと張った綱のように、声まで震えている。「シルバー、あんたは年長で、正直だ――少なくとも、そういう評判だ。それに、貧しい船乗りにはない金も持っている。勇敢でもある。さもなきゃ俺の見込み違いだ。そんなあんたが、あのろくでなしどもに引きずられるっていうのか? まさか! 神が俺を見ておられるかぎり、俺は腕を失う方を選ぶ。もし務めに背くくらいなら――」

そのとき突然、物音がして話は遮られた。正直な船員を一人見つけたばかりだったが、まさに同じ瞬間、もう一人の消息が届いたのだ。遠く離れた沼地から、突然、怒りの叫びのような声が上がった。それに続いてもう一声、そして恐ろしく長く尾を引く悲鳴が響いた。スパイグラス山の岩はそれを二十回も反響させた。沼の鳥たちは一斉に飛び上がり、羽音とともに空を暗くした。その断末魔の叫びが僕の頭の中で長く鳴り続けたあと、再び静寂が辺りを支配し、降りてくる鳥の羽音と、遠い磯波の轟きだけが、午後の気怠さを乱していた。

トムはその音を聞くと、拍車をかけられた馬のように跳び上がった。しかしシルバーは瞬き一つしなかった。その場に立ったまま、松葉杖へ軽くもたれ、今にも飛びかかる蛇のように相手を見つめていた。

「ジョン!」と水夫は言い、手を差し出した。

「触るな!」とシルバーは叫び、訓練された曲芸師のような速さと確かさで、一ヤード(約〇・九メートル)ほど後ろへ跳び退いたように見えた。

「触るなと言うなら、そうしよう、ジョン・シルバー」と相手は言った。「俺を怖がるのは、あんたの良心が黒いからだ。だが後生だから、今のは何だったのか教えてくれ。」

「あれか?」とシルバーは答えた。笑顔は崩さないが、これまで以上に用心深く、大きな顔の中で針の先ほどになった目が、ガラス片のように光っていた。「あれか? ああ、たぶんアランだろう。」

その言葉を聞くと、哀れなトムは英雄のように怒りを爆発させた。

「アラン!」と叫んだ。「ならば、真の船乗りだったあいつの魂に安らぎを! それから、ジョン・シルバー。長いこと仲間だったが、もう仲間じゃない。犬のように死ぬとしても、俺は務めを果たして死ぬ。アランを殺したんだな? できるものなら俺も殺せ。だが俺は、あんたに屈しない!」

勇敢な男はそう言い放つと、料理番へまっすぐ背を向け、浜へ向かって歩き始めた。しかし遠くまでは行けなかった。ジョンは叫び声とともに木の枝をつかみ、脇から松葉杖を引き抜くと、その不格好な武器を空中へ投げつけた。杖は先端から、凄まじい勢いで哀れなトムの背中、両肩の間へ突き刺さった。トムは両手を跳ね上げ、息を呑むような声を漏らして倒れた。

傷が重かったのか軽かったのかは、永遠にわからない。音から判断するかぎり、おそらくその場で背骨が折れたのだろう。だが立ち直る時間は与えられなかった。脚も松葉杖もないというのに猿のように素早いシルバーは、次の瞬間にはトムへ飛びかかり、無防備な体へ、柄まで深くナイフを二度突き立てた。隠れ場所にいる僕の耳にも、刺すたびに荒い息を吐く音が聞こえた。

気を失うというのが正確にはどんなものか、僕にはわからない。だが、しばらくのあいだ、世界全体が渦巻く霧の中へ消えていったことは覚えている。シルバーも、鳥も、高くそびえるスパイグラス山の頂も、目の前でぐるぐる回り、天地が逆さになった。あらゆる鐘が鳴り響き、遠い叫び声が耳元で轟いた。

意識を取り戻したとき、怪物はすでに身なりを整えていた。松葉杖を脇に挟み、帽子を頭に載せている。目の前の草地にはトムが身動きせず横たわっていたが、殺人者は一顧だにせず、血に染まったナイフを草の束で拭っていた。そのほかは何も変わらない。太陽は今も蒸気の立つ沼と、山の高い岩峰を容赦なく照らしていた。ほんの一瞬前、自分の目の前で実際に殺人が行われ、一人の命が残酷に断ち切られたのだとは、ほとんど信じられなかった。

だがそのとき、ジョンはポケットへ手を入れ、笛を取り出し、高低をつけて何度か吹いた。その音は熱い空気を遠くまで渡っていった。もちろん、その合図の意味はわからなかったが、たちまち恐怖が蘇った。ほかの男たちがやって来る。見つかるかもしれない。すでに正直者を二人殺したのだ。トムとアランの次は、僕ではないのか? 

僕はただちに茂みから抜け出し、できるかぎり速く、音を立てず、開けた林の方へ這い戻り始めた。その途中、老海賊と仲間たちが呼び交わす声が聞こえた。危険の音が僕に翼を与えた。茂みを抜けるや、これまでにないほど速く走った。殺人者たちから遠ざかる方向でさえあれば、どこへ向かっているかなど気にも留めなかった。走るほど恐怖は膨れ上がり、ついには狂気に近いものとなった。

実際、僕以上に完全に途方に暮れた者がいただろうか? 砲声が鳴ったとき、血なまぐさい罪を犯したばかりの悪鬼どもが待つボートへ、どうして戻れる? 最初に僕を見つけた者が、田鷸たしぎのように首をねじ切るのではないか? 僕がいないこと自体、恐れて逃げた証拠となり、したがって秘密を知った証拠になるのではないか? すべて終わった、と僕は思った。ヒスパニオラ号よ、さようなら。地主も、博士も、船長も、さようなら。残されたのは、飢え死にするか、反乱者に殺されるかだけだった。

そんなことを考えながらも、僕は走り続けていた。いつの間にか、二つの峰を持つ小さな丘の麓へ近づき、常緑樫がまばらに生え、姿も大きさもいっそう普通の森の木らしく見える一帯へ入り込んでいた。その中には松も数本交じり、高さは五十フィートから七十フィート(約十五~二十一メートル)近くあった。空気も沼のそばより、ずっと爽やかな匂いがした。

そこで新たな恐怖に襲われ、僕は心臓を激しく打たせながら立ち止まった。


第十五章 島の男

丘の斜面はこの辺りで急になり、石だらけだった。そこから砂利が崩れ落ち、音を立てて木々の間を跳ねながら転がってきた。僕の目は本能的にそちらへ向き、何者かが凄まじい速さで松の幹の陰へ跳び込むのを見た。それが熊なのか、人間なのか、猿なのか、まるで見当もつかなかった。黒く、毛むくじゃらに見えた。それ以上は何もわからない。だが新たに現れたものへの恐怖で、僕はその場から動けなくなった。

どうやら今や、両側から挟まれてしまった。背後には殺人者たち、前方には正体不明の何かが潜んでいる。すると僕は、たちまち未知の危険より既知の危険の方がましだと思い始めた。この森の生き物と比べれば、シルバーさえ恐ろしくなくなった。僕は踵を返し、肩越しに背後へ鋭く目を配りながら、ボートの方角へ来た道を戻り始めた。

ただちに姿が再び現れ、大きく回り込んで、僕の行く手を遮ろうとした。僕はすでに疲れていたが、たとえ起きたばかりのように元気だったとしても、速さでこの相手に対抗するのは無理だとわかった。その生き物は鹿のように木の幹から幹へ飛ぶように移り、人間と同じく二本脚で走っていた。だが僕がこれまで見たどんな人間とも違い、ほとんど体を二つに折るほど前屈みになっていた。それでも、人間なのだ! もはや疑う余地はなかった。

僕は人食い人種について聞いた話を思い出した。危うく助けを求めて叫びそうになった。だが、どれほど野蛮であれ人間には違いないとわかったことで、いくらか安心し、それに比例してシルバーへの恐怖が蘇ってきた。そこで立ち止まり、逃げる手段はないかと考えた。そのとき、拳銃を持っていることが突然頭に浮かんだ。丸腰ではないと思い出した途端、再び勇気が胸に湧いた。僕は断固として島の男へ向き直り、足早に近づいていった。

男はそのとき別の木の幹に隠れていたが、僕を注意深く見張っていたに違いない。僕がそちらへ歩き始めると再び姿を現し、一歩こちらへ踏み出した。次いでためらい、後退し、また近づいた。そして僕を驚かせ、当惑させたことに、ついには地面へ膝をつき、両手を組んで差し伸べ、哀願する姿勢を取った。

それを見て、僕は再び立ち止まった。

「あなたは誰?」

僕は尋ねた。

「ベン・ガン」と男は答えた。その声は錆びた錠前のように嗄れ、ぎこちなかった。「哀れなベン・ガンだ。この三年間、キリスト教徒とは一言も話してねえ。」

近くで見ると、僕と同じ白人で、顔立ちもむしろ好ましいことがわかった。肌は露出したところすべてが日に焼け、唇まで黒くなっていた。黒い顔の中で、明るい色の目が驚くほど目立った。僕が実際に見た、あるいは想像したあらゆる乞食の中でも、これほどぼろぼろの者はいなかった。古い帆布や船員服の切れ端をまとい、その異様な継ぎはぎの衣服は、真鍮のボタンや木切れ、タールの染みた細綱の輪など、ばらばらで不釣り合いな留め具によって辛うじて一つにまとめられていた。腰には古い真鍮の留め金がついた革帯を巻いており、身につけた物の中で、まともなのはそれだけだった。

「三年!」

僕は叫んだ。「難破したの?」

「いや、仲間」と男は言った。「島流しにされた。」

その言葉なら聞いたことがあった。海賊の間では珍しくない恐ろしい刑罰で、罪を犯した者にわずかな火薬と弾丸だけを持たせ、遠く離れた無人島へ置き去りにするのだ。

「三年前に島流しにされてから」と男は続けた。「ずっと山羊と木の実と牡蠣で生きてきた。人間ってのは、どこにいようが自分で何とかできるもんだ。だがな、仲間、俺の心はキリスト教徒の食べ物を求めて苦しんでる。ひょっとして、チーズの一切れくらい持ってねえか? ない? そうか。長い夜、何度チーズの夢を見たことか――たいてい焼いたチーズだ――それで目を覚ますと、やっぱりここにいるんだ。」

「もし船へ戻れたら」と僕は言った。「一ストーン(約六・四キログラム)だってチーズを食べさせてあげる。」

その間ずっと、男は僕の上着の生地に触れ、手を撫で、靴を眺め、話の合間にも、人間と出会えたことへの子供のような喜びを表していた。だが最後の言葉を聞くと、驚きと狡猾さの入り混じった表情で、さっと顔を上げた。

「もし船へ戻れたら、と言ったな?」と繰り返した。「おい、誰がおまえの邪魔をする?」

「少なくとも、あなたじゃない」と僕は答えた。

「そのとおりだ!」と男は叫んだ。「ところで、おまえ――何て名前だ、仲間?」

「ジム」と僕は教えた。

「ジム、ジム」と男は、いかにもうれしそうに言った。「なあ、ジム、俺は聞けばおまえが恥ずかしくなるほど、荒んだ暮らしをしてきた。たとえば、俺に信心深い母親がいたなんて、見ただけじゃ思わねえだろう?」と尋ねた。

「うん、特には」と僕は答えた。

「だろうな」と男は言った。「だが、いたんだ――ものすごく信心深い母親だった。俺も礼儀正しく、信心深い子供で、教理問答を一つ一つ聞き分けられねえほど速く暗唱できた。それがこんなことになったんだ、ジム。始まりは、ありがたい墓石の上でやった銭投げ遊びだった! そこから始まった。だが、それだけじゃ済まなかった。母親はちゃんと教えてくれたし、すべてこうなると予言もしていた。あの信心深い女はな。だが俺をここへ置いたのは神の摂理だ。この寂しい島で、俺は何もかも考え抜き、信仰へ戻った。もうラム酒には口をつけねえ――まあ、もちろん最初の機会には、景気づけに指ぬき一杯くらい飲むがな。俺は善人になる。なる方法もわかってる。それから、ジム」男は周囲を見回し、声を囁きまで落とした。「俺は金持ちだ。」

僕は、哀れな男が孤独のせいで気が狂ったのだと確信した。おそらくその気持ちが顔に出たのだろう。男はむきになって繰り返した。

「金持ちだ! 金持ちだと言ってるんだ。それから教えてやる、ジム。俺はおまえを一人前の男にしてやる。ああ、ジム、おまえは自分の幸運に感謝するぞ。最初に俺を見つけたのがおまえだったことにな!」

そこで突然、男の顔に暗い影が差した。僕の手をつかむ力を強め、人差し指を脅すように目の前へ立てた。

「さあ、ジム、正直に言え。あれはフリントの船じゃねえだろうな?」と尋ねた。

そのとき、うまい考えが浮かんだ。味方を見つけたのかもしれないと思い始め、すぐに答えた。

「フリントの船じゃないし、フリントは死んだ。でも正直に言うと――僕らにとっては運の悪いことに、フリントの手下が何人か乗っている。」

「一本――脚の男はいねえだろうな?」と男は息を呑んだ。

「シルバー?」

僕は尋ねた。

「ああ、シルバー!」と男は言った。「それが名前だった。」

「料理番で、首謀者でもある。」

男はまだ僕の手首をつかんでおり、その言葉を聞くと、強くねじった。「もしロング・ジョンに送り込まれたんなら」と言った。「俺は豚肉になったも同然だ。それはわかってる。だが、おまえは一体どういう立場なんだ?」

僕は一瞬で決心し、答えの代わりに航海の一部始終と、僕らが陥っている窮地をすべて話した。男は強い関心を示して聞き、話し終えると僕の頭を軽く叩いた。

「おまえはいい子だ、ジム」と言った。「それに、皆そろって巻結びクローブ・ヒッチに締め上げられたような窮地にいるんだな? だったらベン・ガンを信用しろ――ベン・ガンこそ、この仕事をやれる男だ。そこでだ、助けてもらった場合、おまえの地主は気前のよいところを見せると思うか? おまえが言うように、やつも窮地にいるんだからな。」

僕は地主がこの上なく気前のよい人だと教えた。

「ああ、だがな」とベン・ガンは答えた。「俺が言ってるのは、門番の仕事をくれとか、召使いのお仕着せをくれとか、そういう話じゃねえ。それは俺の望みじゃない、ジム。言いたいのはだ、ほとんど自分の物も同然の金の中から、たとえば千ポンドくらい出す気があるかってことだ。」

「きっと出すよ」と僕は言った。「もともと、乗組員全員が分け前をもらうことになっていたんだ。」

「それに帰りの船も?」と、ひどく抜け目のない目つきで付け加えた。

「だって」と僕は叫んだ。「地主さんは紳士だよ。それに、ほかの連中を片づけたら、船を故郷まで動かすのに、あなたの助けが必要になる。」

「ああ」と男は言った。「たしかにな。」

ひどく安心したようだった。

「じゃあ、教えてやろう」と続けた。「ここまでなら話す。それ以上はまだ話さねえ。俺は、フリントが宝を埋めたとき、あの船に乗っていた。フリントと六人――屈強な船乗りが六人だ。連中は一週間近く上陸し、俺たちは古いウォルラス号で沖を行ったり来たりして待っていた。ある晴れた日、合図が上がった。見ると小さなボートで、フリントが一人きりで戻ってくる。頭には青い布を巻いていた。太陽が昇りかけていて、船首のあたりに現れた顔は死人みてえに白かった。だが、そこにいたのはフリント一人だけ。六人は全員死んだ――死んで、埋められた。どうやったのか、船にいた誰にもわからなかった。戦い、殺人、突然の死――少なくとも一対六だった。ビリー・ボーンズは一等航海士、ロング・ジョンは操舵長で、二人は宝がどこにあるかフリントへ尋ねた。するとフリントは、『上陸したけりゃ、勝手にしろ。そしてそこにいろ』と言った。『だが船は、畜生、もっと宝を探しに出るぞ!』とな。そう言ったんだ。

「それで三年前、俺は別の船に乗っていて、この島を見つけた。『皆』と俺は言った。『ここにはフリントの宝がある。上陸して見つけよう』。船長は嫌がったが、仲間たちは全員同じ意見で、上陸した。十二日間探し続け、日を追うごとに俺への悪口がひどくなった。とうとうある朝、全員が船へ戻った。『おまえはどうするかというと、ベンジャミン・ガン』と連中は言った。『ここにマスケット銃と、鋤と、つるはしがある。ここに残って、自分でフリントの金を探せ』とな。

「それから三年だ、ジム。あの日から今日まで、キリスト教徒らしい食べ物は一口も食ってねえ。だが、よく見ろ。俺を見てみろ。平水夫に見えるか? 見えねえ、とおまえは言う。実際、俺は平水夫じゃなかった、と俺は言う。」

そう言うと、片目をつぶり、僕の腕を強くつねった。

「今の言葉を地主へ伝えてくれ、ジム」と続けた。「『平水夫じゃなかった』――それが言葉だ。三年間、昼も夜も、晴れの日も雨の日も、あの男はこの島の主だった。ときには祈りのことを考えたかもしれない、とおまえは言う。ときには、まだ生きているなら、年老いた母親を思ったかもしれない、とも言え。だがガンは時間の大半を――ここが大事だ――別のことに使っていた。それから、俺がやったように、地主をちょっとつねるんだ。」

そして、いかにも秘密を打ち明けるような様子で、再び僕をつねった。

「それから」と続けた。「こう言うんだ。『ガンは善人です。それに自分も海賊だったくせに、海賊どもよりも、生まれながらの紳士をはるかに――いいか、はるかに――信用しています』とな。」

「ええと」と僕は言った。「あなたが言っていることは、一言もわからない。でも、それは今どうでもいい。僕はどうやって船へ戻ればいいの?」

「ああ」と男は言った。「たしかに、そこが難しい。だが俺が両手で作ったボートがある。白い岩の下へ隠してあるんだ。いざとなれば、暗くなってから、そいつで試してみよう。おい!」突然声を上げた。「今のは何だ?」

その瞬間、まだ日没まで一、二時間あるというのに、島のあらゆるこだまが目を覚まし、大砲の轟音を響かせた。

「戦いが始まった!」

僕は叫んだ。「ついてきて!」

恐怖をすべて忘れ、停泊地へ向かって走りだした。山羊皮をまとった島流しの男も、すぐ脇を軽々と走った。

「左、左だ」と男は言った。「左へ行け、ジム! 木の下を通れ! あそこは、俺が最初の山羊を仕留めた場所だ。今じゃ山羊どもは、ここまで下りてこねえ。ベンジャミン・ガンを怖がって、山の頂に登ったままだ。ああ! あそこにはセテメリーもある」――セメタリー、つまり墓地と言いたかったのだろう。「盛り土が見えるか? たまに、おそらく日曜ごろだと思ったとき、ここへ来て祈った。礼拝堂とは少し違うが、何となく厳かな感じがした。それに、つまりだ、ベン・ガンは人手不足だった――牧師もいなけりゃ、聖書も、旗さえなかった、とおまえは言うんだ。」

僕が走るあいだも、男はそうして話し続け、返事を期待もせず、実際に返事を受けることもなかった。

砲声からかなり間を置いて、小銃の一斉射撃が続いた。

再び間が空き、それから四分の一マイル(約四百メートル)も離れていない前方で、森の上にユニオンジャックが翻っているのが見えた。


第四部 防柵


第十六章 医師の手記の続き――船を捨てるまで

ヒスパニオラ号から二艘のボートが岸へ向かったのは、一時半ごろ――船乗りの言い方で三点鐘のころだった。船室では、船長と地主と私が今後の策を練っていた。ほんの少しでも風があれば、船内に残った六人の反逆者を襲い、錨綱を切って、そのまま沖へ逃れるところだった。だが風はない。おまけに、ただでさえ身動きの取れぬわれわれのもとへハンターが駆け下りてきて、ジム・ホーキンスがボートに忍び込み、ほかの連中と一緒に上陸してしまったと告げた。

ジム・ホーキンスを疑うなど、われわれには思いもよらなかった。ただ、少年の身が心配だった。連中のあの殺気立った様子では、ジムと再会できる見込みは五分五分に思えた。われわれは甲板へ駆け上がった。継ぎ目ではタールが泡立ち、辺りのひどい悪臭に私は吐き気を催した。熱病と赤痢の臭いというものがあるなら、まさしくこの忌まわしい泊地に漂う臭いだった。六人の悪党は船首楼で帆の陰に座り、不平をこぼしていた。岸を見ると、川の流れ込む場所のすぐ近くに二艘のギグがつながれ、それぞれに一人ずつ見張りが残っている。その一人が「リリブーレロ」を口笛で吹いていた。

ただ待つのは耐えがたかったので、情報を集めるため、ハンターと私がジョリーボートで上陸することになった。

二艘のギグは右手へ進んでいたが、ハンターと私は海図に記された柵砦を目指して、まっすぐ奥へ漕いだ。ボートの番をしていた二人は、われわれの姿を見て慌てたらしい。「リリブーレロ」はぴたりと止まり、どうするべきか相談しているのが見えた。二人がシルバーに知らせに走っていれば、その後の成り行きはまったく違ったものになっていたかもしれない。だが、おそらく命令どおり持ち場を離れぬことにしたのだろう。やがて腰を落ち着け、また「リリブーレロ」を吹き始めた。

海岸線がわずかに曲がっていたので、私はその岬がわれわれとの間に入るよう舵を取った。こうして上陸前には、もうギグが見えなくなった。私は船から飛び降り、帽子の下には暑さよけの大きな絹のハンカチを挟み、念のため二挺の拳銃に火薬を込め、危険を冒さぬ範囲でほとんど駆け足になった。

百ヤード(約91メートル)も行かぬうちに、柵砦へ出た。

砦はこういう造りだった。小高い丘の頂から、澄んだ水の泉が湧いている。その丘の上に泉を囲むように、いざとなれば四十人は収容できる頑丈な丸太小屋が建てられ、四方の壁にはマスケット銃用の銃眼が開けられていた。小屋の周囲は広く木が切り払われ、その外側を高さ六フィート(約1.8メートル)の杭柵が取り囲んでいる。門も出入口もなく、時間と手間をかけなければ壊せないほど頑丈な一方、外から攻める者が身を隠せないほど隙間が多い。丸太小屋に立て籠もる側が、どう見ても有利だった。守備側は物陰にじっとして、敵をヤマウズラのように撃てばよい。必要なのは十分な見張りと食糧だけである。完全な不意打ちさえ受けなければ、一個連隊が相手でも守り通せそうだった。

何より私の心を引いたのは泉だった。ヒスパニオラ号の船室は居心地がよく、武器も弾薬も食糧も、上等な酒までたっぷりあったが、ただ一つ見落とされていたものがある――水がなかったのだ。そのことを考えていたとき、断末魔の男の叫びが島じゅうに響き渡った。私は非業の死に慣れていないわけではない。カンバーランド公爵殿下に仕え、フォントノワでは自らも傷を負った。だが、そのときは心臓が飛び跳ねるほど動揺した。「ジム・ホーキンスがやられた」――真っ先にそう思った。

老兵であることは役に立つ。だが医者であることは、なおさら役に立つ。われわれの仕事には、ぐずぐずしている暇などない。私は即座に決断し、一刻も無駄にせず岸へ戻って、ジョリーボートに飛び乗った。

幸い、ハンターは櫂の扱いが達者だった。水しぶきを上げて漕ぎ、たちまち船へ横づけし、私はスクーナーに乗り移った。

当然ながら、皆はひどく動揺していた。善良なトレローニー地主は、自分がわれわれをこんな災難へ巻き込んだと思い、死人のように青ざめて座っていた。そして船首楼の六人のうち一人も、似たような有り様だった。

「あの男は」とスモレット船長がそちらへ顎をしゃくって言った。「こういう荒事には慣れておらん。あの叫びを聞いたときは、危うく気絶するところでしたぞ、先生。舵をもうひと押しすれば、こちらへ寝返るでしょう。」

私は船長に計画を話し、二人で実行の細部を詰めた。

老レッドルースを船室と船首楼の間の通廊に配置し、弾を込めたマスケット銃を三、四挺と、盾代わりのマットレスを持たせた。ハンターがボートを船尾窓の下へ回し、ジョイスと私は火薬、缶詰、マスケット銃、ビスケットの袋、塩漬け豚肉の小樽、コニャックの樽、そして何物にも代えがたい私の薬箱を積み込んだ。

その間、地主と船長は甲板に残り、船長は船内の反逆者たちの中心人物である操舵手に呼びかけた。

「ハンズ君」と船長は言った。「こちらには二人いて、それぞれ拳銃を二挺持っている。お前たち六人のうち、誰であろうと何らかの合図を送れば、そいつは死ぬ。」

連中はかなり面食らったようだった。少し相談したあと、一人残らず船首の昇降口へ転がり込んだ。おそらく、後ろからわれわれを襲うつもりだったのだろう。だが通廊でレッドルースが待ち構えているのを見るや、すぐさま引き返し、再び甲板へ頭が一つ突き出された。

「引っ込め、犬め!」と船長が怒鳴った。

頭はたちまち引っ込み、それきり当分、この臆病な六人の船乗りからは何の音沙汰もなかった。

手当たり次第に荷を放り込んだため、ジョリーボートはすでに限界まで積み込まれていた。ジョイスと私は船尾窓から外へ出ると、櫂の出せるかぎりの速さで、再び岸へ向かった。

二度目の往復には、さすがに岸の見張りも警戒した。「リリブーレロ」はまた止まり、小さな岬に隠れて姿が見えなくなる直前、一人が岸へ飛び上がって、そのまま姿を消した。敵のボートを壊してしまおうかとも考えたが、シルバーたちが近くにいるかもしれず、欲張ったせいですべてを失う恐れがあった。

ほどなく前と同じ場所へ着岸し、丸太小屋へ物資を運び込んだ。最初は三人とも重い荷を抱えて往復し、物資を杭柵の内側へ投げ込んだ。それからジョイスを見張りに残し――一人きりとはいえ、マスケット銃が半ダースある――ハンターと私はジョリーボートへ戻って、また荷を担いだ。ひと息入れることもなく、すべてを運び終えるまでそれを繰り返した。二人の従者が丸太小屋に陣取り、私は力のかぎり櫂を操ってヒスパニオラ号へ戻った。

もう一艘分を運ぼうとしたのは、実際以上に無謀に思えるかもしれない。たしかに数では敵が勝っていたが、武器ではこちらが優位だった。岸にいる連中は一人もマスケット銃を持っていない。拳銃の射程に入る前に、少なくとも半ダースは片づけられると踏んでいた。

地主が船尾窓で私を待っていた。先ほどの気弱さは、もう跡形もない。もやい綱を受け取って結びつけると、われわれは命懸けでボートへ荷を積んだ。積荷は豚肉、火薬、ビスケット。武器は地主、私、レッドルース、船長がそれぞれマスケット銃とカトラスを一振りずつ持つだけにした。残りの武器と火薬は、水深二ファゾム半(約4.6メートル)の海中へ投げ捨てた。澄んだ砂地の海底で、鋼の刃がはるか下の陽光を受けて輝いているのが見えた。

そのころ潮は引き始め、船は錨を中心に向きを変えつつあった。二艘のギグがいる方角から、かすかに呼び交わす声が聞こえた。東寄りにいるジョイスとハンターの身が無事だと知って安心した一方で、われわれも急いで出発せねばならないという警告でもあった。

レッドルースは通廊の持ち場を離れてボートへ降り、われわれはスモレット船長が乗り込みやすいよう、船尾楼の下へ回った。

「おい、聞こえるか」と船長が言った。

船首楼から返事はなかった。

「エイブラハム・グレイ、お前だ。お前に話している。」

依然として返事はない。

「グレイ」とスモレット船長は少し声を張った。「私はこの船を離れる。お前には、船長である私についてくるよう命じる。根はまともな男だと知っているし、あの一味も、やつが言うほど全員が悪党ではあるまい。ここに時計を持っている。三十秒だけ待つ。その間にこちらへ来い。」

しばし沈黙があった。

「さあ、しっかりしろ」と船長は続けた。「いつまでも迷っているな。一秒ごとに、私とこの立派な方々の命が危険にさらされているんだぞ。」

突然、激しく揉み合う音と殴打の音がし、頬をナイフで切られたエイブラハム・グレイが飛び出してきた。呼び笛を聞いた犬のように、まっすぐ船長のもとへ駆けてくる。

「ご一緒します、船長」とグレイは言った。

次の瞬間、グレイと船長はわれわれのボートへ飛び降り、われわれは岸を蹴って漕ぎ出していた。

船からは離れた。だが柵砦の岸へは、まだたどり着いていなかった。


第十七章 医師の手記の続き――ジョリーボート最後の航行

五度目の航行は、それまでとはまるで違っていた。何より、われわれが乗った小さな薬壺のようなボートは、危険なほどの過積載だった。成人男性が五人、そのうちトレローニー、レッドルース、船長の三人は六フィート(約1.8メートル)を超える大男で、それだけでも本来の定員を上回っている。そこへ火薬、豚肉、パン袋まで積んだ。船尾では舷縁が水面すれすれだった。何度か水が入り込み、百ヤード(約91メートル)も進まぬうちに、私の半ズボンも上着の裾もびしょ濡れになった。

船長の指示で荷重を調整し、どうにか少しは水平に浮くようになった。それでも、息をすることさえ恐ろしかった。

さらに、すでに引き潮が勢いを増していた。強く波立つ流れが泊地を西へ抜け、そこから南へ折れ、朝に入ってきた海峡を通って沖へ向かっている。小波さえ過積載の船には危険だったが、何より悪いことに、われわれは本来の針路から西へ流され、岬の陰にある上陸地点から遠ざかっていた。このまま潮に任せればギグのそばへ打ち上げられ、いつ海賊たちが現れてもおかしくない。

「船長、砦へ船首を向けておけません」と、舵を取っていた私は言った。船長とレッドルースという、まだ疲れていない二人が櫂を握っていた。「潮に押し流されます。もう少し強く漕げませんか。」

「それでは船が沈む」と船長は答えた。「少し風上へ向けてください。進めるようになるまで、もっと風上へ。」

やってみると、船首を真東――つまり進むべき方向とほぼ直角――へ向けるまで、潮はわれわれを西へ押し流し続けた。

「こんな調子では、いつまでたっても上陸できません」と私は言った。

「保てる針路がそれしかないなら、その針路を保つほかありません」と船長は答えた。「上流側へ踏ん張らねばならんのです。いいですか。上陸地点の風下へ流されれば、どこへ漂着するかわからないうえ、ギグに乗り込まれる恐れもある。だがこのまま行けば、やがて潮が弱まる。そうしたら岸沿いに引き返せます。」

「もう流れが弱くなってきました、船長」と、船首座に座っていたグレイが言った。「少し針路を戻せますぜ。」

「ありがとう」と私は答えた。まるで何事もなかったかのような口調だった。われわれは黙って、グレイを最初から仲間だった者のように扱うと決めていたのだ。

突然、船長がまた声を上げた。少し声色が変わったように思えた。

「大砲だ!」

「それなら考えました」と私は言った。てっきり砦への砲撃を心配しているのだと思った。「大砲を岸へ下ろすことなどできません。たとえ下ろしても、森の中を引いてはいけないでしょう。」

「船尾を見てください、先生」と船長は答えた。

われわれは長身九ポンド砲のことをすっかり忘れていた。振り返ると、恐ろしいことに、五人の悪党が大砲に群がり、「上着」と呼ばれる航海中用の分厚い防水布を外していた。それだけではない。砲弾と装薬を船内へ残してきたことも同時に思い出した。斧をひと振りすれば、船にいる悪党どもの手にすべて渡ってしまう。

「イスラエルはフリントの砲手でした」とグレイがしわがれ声で言った。

危険を承知で、われわれは船首を上陸地点へまっすぐ向けた。このころには潮の本流からかなり外れていたため、どうしてもゆっくりとしか漕げないものの舵は利き、目標へ船首を保てた。だが最悪なのは、この針路ではヒスパニオラ号に船尾ではなく横腹をさらし、納屋の扉のような大きな標的になってしまうことだった。

酒焼けした悪党イスラエル・ハンズが、甲板へ砲弾をどすんと置くのが、見えるばかりか耳にも聞こえた。

「一番の射手は誰だ」と船長が尋ねた。

「断然、トレローニー地主です」と私は答えた。

「トレローニーさん、あの連中を一人、撃ち落としていただけますか。できればハンズを」と船長が言った。

トレローニーは鋼のように冷静だった。銃の火皿を確かめる。

「いいですか」と船長が叫んだ。「銃の扱いは慎重に。船をひっくり返しますぞ。狙いをつけたら、全員、反対側へ体重を移せ。」

地主が銃を上げると、櫂が止まり、われわれは均衡を保つため反対側へ身を傾けた。すべて見事に運び、一滴の水も入らなかった。

そのころには、連中も旋回台の上で大砲をこちらへ向けていた

そのころには、連中も旋回台の上で大砲をこちらへ向けていた。ハンズは槊杖を手に砲口に立っていたため、最も狙いやすかった。ところが運に見放された。トレローニーが撃った瞬間、ハンズは身をかがめ、弾丸は頭上を唸って通り過ぎ、倒れたのはほかの四人のうち一人だった。

男の悲鳴に、船上の仲間だけでなく岸からも大勢の声が応じた。そちらを見ると、ほかの海賊たちが木立の間からぞろぞろ現れ、慌ただしくボートへ乗り込んでいた。

「ギグが来ます、船長」と私は言った。

「ならば漕げ」と船長が命じた。「今は沈むことを気にするな。岸へ着けなければ、すべておしまいだ。」

「人を乗せているのは一艘だけです」と私はつけ加えた。「もう一艘の連中は、岸伝いに先回りして、われわれを遮るつもりでしょう。」

「骨の折れる駆け足になりますな」と船長は答えた。「陸へ上がった水夫など、あんなものです。あいつらは怖くない。問題は砲弾だ。絨毯の上のボウル遊びも同然だ! 奥方の侍女にだって外せまい。地主さん、火縄が見えたら知らせてください。櫂を止めます。」

その間も、過積載の船にしてはかなりの速さで進み、水もさほど入らなかった。もう岸は近い。あと三十か四十漕ぎで浜へ乗り上げられる。引き潮によって、木々の下には細い砂地が現れていた。ギグはもはや脅威ではない。小さな岬がすでに姿を隠してくれていた。あれほど無慈悲にわれわれを遅らせた引き潮が、今度は償いをするように襲撃者を遅らせている。残る危険は大砲だけだった。

「できることなら」と船長は言った。「船を止め、もう一人撃ちたいところだ。」

だが敵が砲撃を何より優先しているのは明らかだった。倒れた仲間はまだ死んでおらず、這って逃げようとしていたのに、誰一人そちらを見ようともしなかった。

「来ます!」と地主が叫んだ。

「止めろ!」と船長が即座に叫び返した。

船長とレッドルースが力いっぱい櫂を逆に掻くと、船尾が丸ごと水中へ沈んだ。同時に砲声が轟いた。これがジムの耳に届いた最初の銃声で、地主が撃った銃声は彼のところまで届いていなかった。砲弾がどこを通ったのか、誰にも正確にはわからなかった。おそらく頭上を越え、その風圧も事故の一因になったのだと思う。

ともあれ、ボートは水深三フィート(約91センチ)の場所で、船尾からゆっくり沈んだ。船長と私は水中に立ち、向かい合っていた。残る三人は完全に頭から突っ込み、びしょ濡れになって、水を吐きながら浮かび上がった。

ここまでは大した被害ではなかった。命を落とした者はなく、安全に岸まで歩いていける。だが物資はすべて水底へ沈み、さらに悪いことに、五挺の銃のうち使えるのは二挺だけになった。私は反射的に膝から銃をひったくり、頭上へ掲げていた。船長は用心深く、負い革で肩に掛け、銃の機関部を上にしていた。残り三挺はボートとともに沈んでしまった。しかも岸沿いの森から、すでに声が近づいてくる。われわれは満足に武器もないまま砦への道を断たれる危険に加え、ハンターとジョイスが半ダースの敵に襲われたとき、持ち場を守るだけの分別と胆力があるかという不安まで抱えていた。ハンターが落ち着いた男なのは知っている。だがジョイスは心もとない。従僕としては愛想がよく礼儀正しく、服にブラシをかけるには申し分ない男だが、戦士には向いていない。

そうした不安を胸に、われわれはできるだけ急いで岸へ歩いた。哀れなジョリーボートと、火薬と食糧の半分以上を水中に残して。


第十八章 医師の手記の続き――初日の戦闘の終わり

われわれは砦との間を隔てる細い林を、全速力で突っ切った。一歩進むごとに海賊たちの声が近づいてくる。やがて走る足音や、藪を押し分ける枝の折れる音まで聞こえ始めた。

本格的な一戦になると悟り、私は銃の火皿を確かめた。

「船長」と私は言った。「トレローニーは百発百中です。あなたの銃を渡してください。彼の銃は使えません。」

二人は銃を交換した。騒ぎが始まってからずっと沈着だったトレローニーは、いったん足を止め、銃が確実に使えるか調べた。同時に、グレイが丸腰なのに気づき、私は自分のカトラスを渡した。グレイが手のひらに唾を吐き、眉を寄せ、刃に唸りを上げさせて宙を切る姿を見て、われわれは皆、頼もしさを感じた。新たな仲間が十分に役立つ男なのは、全身から明らかだった。

さらに四十歩進むと林の端へ出て、目の前に砦が見えた。われわれは南側のほぼ中央で柵へ達した。それとほぼ同時に、七人の反逆者が――先頭は甲板長ジョブ・アンダーソン――南西の角へ喚声を上げながら現れた。

連中は不意を突かれたように足を止めた。立ち直る前に、地主と私だけでなく、丸太小屋のハンターとジョイスも発砲する時間があった。

四発はばらばらの一斉射撃になったが、効果はあった。敵の一人が実際に倒れ、残る者たちはためらいもせず反転して木立へ飛び込んだ。

弾を込め直してから、われわれは倒れた敵を調べるため、杭柵の外側を歩いていった。男は心臓を撃ち抜かれ、完全に死んでいた。

上首尾を喜びかけた、その瞬間だった。藪の中で拳銃が鳴り、弾丸が私の耳元を唸って通り過ぎ、哀れなトム・レッドルースがつまずくように、長々と地面へ倒れた。地主と私は撃ち返したが、狙う相手も見えなかったので、おそらく火薬を無駄にしただけだろう。それから再装填し、トムのもとへ向かった。

船長とグレイがすでに容体を調べていた。ひと目で、もう助からないとわかった。

われわれが即座に撃ち返したため、反逆者たちはまた散り散りになったのだろう。さらなる妨害を受けることなく、哀れな老猟場番を杭柵の内側へ引き上げ、呻き、血を流す彼を丸太小屋へ運び込めた。

不憫な老人だった。災難が始まってから、死ぬために丸太小屋へ寝かされた今に至るまで、驚きも、不平も、恐怖も、諦めの言葉すら一言も口にしなかった。通廊ではトロイの勇士のようにマットレスの陰に伏せ、どんな命令にも黙々と頑固に、そして確実に従った。仲間の誰より二十歳も年上だった。そして今、気難しく年老いた忠実な使用人が、真っ先に死のうとしていた。

地主はそばに膝をつき、子供のように泣きながら、その手に口づけした。

「先生、おらはもう逝くんですか」とトムが尋ねた。

「トム」と私は言った。「故郷へ帰るんだ。」

「その前に、やつらを銃で一発ぶん殴ってやりたかったですな」と彼は答えた。

「トム」と地主が言った。「私を許すと言ってくれないか。」

「地主様にそんなことを言うのは、あっしの立場では無礼じゃありませんか」とトムは答えた。「ですが、そういうことなら。アーメン!」

しばらく黙ったあと、誰かに祈りを読んでもらいたいと言った。「そうするのが習わしですから、旦那様」と申し訳なさそうにつけ加えた。それから間もなく、二度と言葉を発することなく息を引き取った。

その間、胸元やポケットが妙に膨らんでいた船長は、そこからさまざまな物資を取り出していた。英国旗、聖書、丈夫なロープ一巻き、ペン、インク、航海日誌、それに何ポンドもの煙草である。船長は砦の中に、枝を払った長いモミの倒木を見つけ、ハンターの助けを借りて、丸太が交差して角を作る小屋の隅に立てた。それから屋根へ登り、自ら旗を結びつけて掲げた。

これで船長は大いに気が晴れたようだった。丸太小屋へ戻ると、ほかに何も存在しないかのように物資を数え始めた。それでもトムの最期は気にかけており、すべてが終わると、もう一枚の旗を持ってきて、敬意を込めて遺体へかけた。

「どうかお嘆きにならず」と船長は地主の手を握って言った。「この男なら大丈夫です。船長と船主への務めを果たして撃たれた船乗りに、恐れるものなどありません。神学的には正しくないかもしれませんが、これは真実です。」

それから私を脇へ呼んだ。

「リヴジー先生」と船長は言った。「あと何週間で、地主さんと先生は救援船が来るとお考えですか。」

私は、何週間ではなく何か月という問題だと答えた。八月末になっても戻らなければ、ブランドリーが捜索隊を送る手はずだが、それより早くも遅くもない。「あとはご自分で計算してください」と私は言った。

「ええ、まあ」と頭を掻きながら船長は答えた。「神のご加護を最大限に見積もっても、相当ぎりぎりの状況ですな。」

「どういう意味です?」

私は尋ねた。

「二度目の積荷を失ったのが痛い、という意味です」と船長は答えた。「火薬と弾丸は足りるでしょう。だが食糧は少ない。あまりに少ない――リヴジー先生、余計な口が一つ減ったのは、むしろ幸いだったかもしれないほどです。」

船長は旗の下の遺体を指さした。

そのとき、轟音と唸りとともに砲弾が丸太小屋の屋根を高々と越え、はるか後方の林へ落ちた。

「ほう!」と船長は言った。「どんどん撃て! もともと火薬はろくにないんだろう、諸君。」

二発目は狙いがよくなり、砲弾は砦の中へ落ちて砂煙を巻き上げたが、それ以上の被害はなかった。

「船長」と地主が言った。「船からは小屋がまったく見えないはずです。狙っているのは旗でしょう。降ろした方が賢明ではありませんか。」

「旗を降ろせと!」と船長は叫んだ。「とんでもない。」

その言葉を聞くや、われわれ全員が賛同したと思う。それは誇り高い船乗りらしい心意気であるばかりか、敵の砲撃など物ともしないと示す、優れた戦術でもあった。

連中は夕方じゅう砲撃を続けた。砲弾は次々と頭上を越え、手前へ落ち、砦内の砂を跳ね上げた。だが高い弾道で撃たねばならないため、砲弾は勢いを失い、柔らかな砂へ埋まった。跳弾を恐れる必要はなかった。一発が丸太小屋の屋根を突き破り、床から抜けていったものの、われわれはすぐにそんな馬鹿騒ぎにも慣れ、球技のボールほどにも気にしなくなった。

「この騒ぎにも一つだけよい点がある」と船長が言った。「正面の林には敵がいないらしい。潮はかなり前から引いている。物資が水面から出ているはずだ。豚肉を回収しに行く志願者は?」

グレイとハンターが真っ先に進み出た。十分に武装して砦を抜け出したが、結局は無駄足だった。反逆者たちはわれわれが思うより大胆だったのか、あるいはイスラエルの砲術を信頼していたのだろう。四、五人が物資を運び去り、すぐ近くのギグへ水中を歩いて運んでいた。ギグでは一、二本の櫂を漕ぎ、流れに逆らって船体を安定させている。船尾座にはシルバーが陣取り、指揮を執っていた。しかも全員、どこか秘密の武器庫から持ち出したマスケット銃で武装していた。

船長は航海日誌に向かい、次のように記し始めた。

「船長アレクサンダー・スモレット、船医デイヴィッド・リヴジー、船大工助手エイブラハム・グレイ、船主ジョン・トレローニー、船主の従者にして陸者ジョン・ハンターおよびリチャード・ジョイス――以上、本船乗組員中、忠誠を保った者のすべて――本日、節約して十日分の物資とともに上陸し、宝島の丸太小屋に英国旗を掲揚す。船主の従者にして陸者トーマス・レッドルース、反逆者の銃撃により死亡。給仕係ジェームズ・ホーキンス――」

その同じころ、私も哀れなジム・ホーキンスの運命を案じていた。

陸側から呼び声がした。

「誰かが呼んでいます」と見張り中のハンターが言った。

「先生! 地主様! 船長! おーい、ハンター、君か?」という叫び声が聞こえた。

私が扉へ駆けつけると、ちょうど無傷のジム・ホーキンスが杭柵を乗り越えてくるところだった。


第十九章 ジム・ホーキンスの手記に戻る――柵砦の守備隊

ベン・ガンは旗を見るなり立ち止まり、僕の腕をつかんで引き止めると、地面へ座り込んだ。

「ほら」とベンは言った。「間違いねえ。ありゃ、お前さんの仲間だ。」

「反逆者たちの可能性の方が高いよ」と僕は答えた。

「あれがか!」とベンは叫んだ。「こんなところへ寄るのは海賊衆くらいのもんだ。シルバーなら、間違いなくジョリー・ロジャー[訳注:海賊旗の通称]を掲げるだろうが。いや、ありゃお前さんの仲間だ。ひと戦あったらしいし、お前さんの仲間が勝ったんだろう。そんでもって、フリントが何年も昔に造った古い砦へ上陸したんだ。ああ、フリントの頭の切れ味ときたら大したもんだった! ラム酒のことを除けば、並ぶ者なんざいなかった。何者も恐れなかった――ただしシルバーだけは別だ。シルバーは、それだけ上品な男だった。」

「そうかもしれない」と僕は言った。「それならなおさら、急いで仲間のところへ行かなきゃ。」

「いや、待てよ、相棒」とベンは答えた。「お前さんはいい子だ。おれの見当違いでなけりゃな。だが、しょせんは子供だ。ベン・ガンは抜け目がねえ。お前さんが行こうとしてる場所へは、ラム酒を積まれたって行かねえぞ。生まれついての紳士に会って、名誉に懸けた約束をもらうまではな。おれの言葉を忘れるんじゃねえぞ。『ずっと多く』――こう言うんだ――『ずっと多くの信頼を』ってな」そう言って相手の腕をつねるんだ。」

ベンはまた、ひどく利口ぶった様子で、三度目に僕をつねった。

「ベン・ガンが必要になったら、どこへ来りゃいいかわかってるな、ジム。今日、お前さんがおれを見つけた場所だ。来るやつは白い物を手に持ち、一人で来ること。それから、こうも言え。『ベン・ガンには、ベン・ガンなりの理由がある』とな。」

「うん」と僕は言った。「たぶんわかった。君には提案があって、地主さんか先生に会いたい。僕が君を見つけた場所にいる。それで全部?」

「いつならいいか、とお前さんは聞く」とベンはつけ加えた。「そうだな、太陽が真上に来るころから六点鐘までだ。」

「わかった。それじゃ、もう行っていい?」

「忘れねえな?」とベンは心配そうに尋ねた。「『ずっと多く』と、『ベン・ガンなりの理由』だぞ。ベン・ガンなりの理由――そいつが肝心だ。男と男の約束としてな。よし、それじゃ」――まだ僕をつかんだまま――「行っていいぞ、ジム。それからジム、もしシルバーに会っても、ベン・ガンを売ったりしねえだろうな? どんな目に遭わされたって口を割らねえな? そうだろ。もし海賊どもが上陸してきたら、ジム、明日の朝には後家ができる、としか言いようがねえだろ?」

そこで突然、凄まじい轟音が話を遮った。砲弾が木々を引き裂いて飛来し、僕たちが話していた場所から百ヤード(約91メートル)も離れていない砂地へ落ちた。次の瞬間、僕たちは別々の方向へ一目散に逃げ出していた。

それからたっぷり一時間、砲声が何度も島を揺るがし、砲弾が森を打ち砕き続けた。僕は隠れ場所から隠れ場所へ移り、その恐ろしい砲弾に追い回されているような気がしてならなかった。だが砲撃が終わりに近づくころには、砲弾が最も多く落ちる砦の方向へ進む勇気こそなかったものの、少しずつ気力を取り戻していた。僕は東へ大きく回り道し、海岸沿いの木々の中へ忍び下りた。

日はちょうど沈んだところだった。海風が森をざわめかせて枝葉を揺すり、泊地の灰色の水面にさざ波を立てていた。潮も大きく引き、広い砂地が姿を現している。昼間の暑さが過ぎたあとの空気は、上着を通して肌寒く感じられた。

ヒスパニオラ号は錨を下ろした場所にまだいた。だが案の定、マスト頂にはジョリー・ロジャー――海賊の黒旗――が翻っていた。見ているうちにも赤い閃光が走り、砲声が轟いて反響を呼び、さらに一発の砲弾が空中を唸っていった。それが最後の砲撃だった。

僕はしばらく伏せたまま、砲撃後の騒ぎを眺めた。砦に近い浜では、男たちが何かを斧で壊していた。あとで知ったが、あれは哀れなジョリーボートだった。遠く川口近くの木立では大きな焚き火が赤々と燃え、そこから船まで、一艘のギグが何度も往復していた。前には陰気だった男たちが、子供のように叫びながら櫂を漕いでいる。だがその声には、ラム酒の酔いが感じられた。

ようやく僕は、砦へ戻ってもよさそうだと思った。僕は泊地の東側を囲み、半潮時にはスケルトン島とつながる低い砂州の、かなり先まで来ていた。立ち上がると、さらに向こうの低い灌木の間から、かなり背が高く、異様に白い一個の岩が突き出しているのが見えた。あれがベン・ガンの言っていた白い岩かもしれない。いつかボートが必要になったら、どこを捜せばいいかわかる――そう思った。

それから森の縁を回り、砦の裏側、つまり海岸側へ出た。ほどなく、忠実な仲間たちから温かく迎えられた。

僕はすぐにこれまでの出来事を話し終え、辺りを見回した。丸太小屋は、屋根も壁も床も、角材にしていないモミの幹で造られていた。床は場所によって砂地から一フィートないし一フィート半(約30~46センチ)も浮いている。扉の前には張り出しがあり、その下で小さな泉が、風変わりな人工の水溜めへ湧き出していた。それは底を打ち抜いた大きな鉄製の船釜を、船長の言葉で言えば「喫水線まで」砂へ埋めたものだった。

建物には骨組み以外ほとんど何も残っていなかったが、一隅には炉床代わりの石板が敷かれ、その上に火を入れる古びた鉄籠が置かれていた。

丘の斜面と砦の内側では、小屋を建てるために木が切り払われていた。切り株を見るだけで、かつて見事な高木の森があったことがわかる。木を切ったあと、土はほとんど流されるか、漂砂に埋もれていた。釜から流れ出す小川の周りだけは、厚い苔やシダ、小さな匍匐性の灌木が、砂の中でまだ青々としていた。杭柵のすぐ外――防御上は近すぎるとのことだった――には高く密な森が残り、陸側はすべてモミ、海側には常緑のカシが多く混じっていた。

先ほど触れた冷たい夕風が、粗末な建物のあらゆる隙間から吹き込み、細かな砂を絶えず床へまき散らした。目にも砂、歯にも砂、夕食にも砂。釜底の泉でも砂が踊り、まるで粥が煮立ち始めたようだった。煙突は屋根に開けた四角い穴だったが、煙のごく一部しか外へ抜けず、残りは小屋の中で渦巻いて、僕たちを咳き込ませ、涙を流させた。

しかも新たに仲間となったグレイは、反逆者たちから逃げるときに頬を切られ、顔へ包帯を巻いていた。そしてまだ埋葬されていない哀れな老トム・レッドルースは、ユニオンジャックの下、壁際で硬く冷たくなって横たわっていた。

何もせず座っていることを許されていたら、全員が気落ちしていただろう。だがスモレット船長は、そんなことを許す男ではない。全員を呼び集め、二組の当直に分けた。先生、グレイ、僕が一組。地主、ハンター、ジョイスがもう一組だった。皆くたくただったが、二人は薪集めに出され、別の二人はレッドルースの墓を掘り、先生は料理係、僕は扉の歩哨を命じられた。船長自身はあちこちを回って皆を励まし、必要なところでは手を貸した。

先生はときどき、新鮮な空気を吸い、煙で潰れそうな目を休ませるため扉へやってきた。そのたびに僕へ何かしら声をかけた。

「あのスモレットという男は」と、あるとき先生は言った。「私より立派な男だ。私がこう言うのだから、相当なものだぞ、ジム。」

またあるときは、やってきてしばらく黙っていた。それから首を傾げ、僕を見た。

「そのベン・ガンというのは、人間なのか?」と先生は尋ねた。

「わかりません」と僕は答えた。「正気かどうかも、あまり自信がありません。」

「疑わしい程度なら、正気だ」と先生は答えた。「無人島で三年間、爪を噛んで暮らした人間が、君や私と同じほどまともに見えると期待する方が無理だ。人間の性質からして、そんなことはありえない。好物はチーズだと言ったかね?」

「はい、チーズです」と僕は答えた。

「ではジム、食べ物にうるさいことが、どんな役に立つか見せてやろう。私の嗅ぎ煙草入れを見たことがあるな? 私が嗅ぎ煙草を使うところは、一度も見たことがないだろう。実はあの箱には、パルメザンチーズを一切れ入れてある。イタリア産の、栄養たっぷりのチーズだ。よし、あれはベン・ガンにやろう!」

夕食前に老トムを砂地へ埋葬し、風の中、皆で帽子を脱いでしばらく墓を囲んだ。薪もかなり集まったが、船長にはまだ不十分だったらしい。首を振り、「明日はもっときびきび集めねばならん」と言った。

それから豚肉を食べ、一人一人が濃いブランデーの水割りをたっぷり一杯飲むと、三人の指導者は今後について話し合うため、一隅へ集まった。

どうやら三人とも、打つ手に困り果てていたらしい。食糧が少なすぎて、救援が来るはるか前に飢え、降伏せざるをえなくなる。そこで最善の望みは、海賊たちが旗を降ろすか、ヒスパニオラ号で逃げ出すまで、その人数を減らし続けることだと決まった。敵は十九人からすでに十五人へ減り、さらに二人が負傷している。そのうち少なくとも一人――大砲のそばで撃たれた男――は、死んでいなければ重傷だった。撃てる機会があれば、こちらの命を最大限に守りながら必ず撃つ。さらに、われわれには頼もしい味方が二つあった――ラム酒と、この島の気候である。

ラム酒について言えば、半マイル(約800メートル)ほど離れていても、夜遅くまで連中が喚き、歌う声が聞こえた。気候については、薬も持たず、あの湿地に野営しているのだから、一週間もしないうちに半数が病床につくと、先生は自分の鬘を賭けてもよいと言った。

「だから」と先生はつけ加えた。「われわれが先に皆殺しにされなければ、連中は喜んでスクーナーへ荷物をまとめるだろう。船には違いないから、また海賊稼業に戻れるはずだ。」

「私が失う最初の船だな」とスモレット船長は言った。

想像できるだろうが、僕は死ぬほど疲れていた。さんざん寝返りを打った末にようやく眠りにつくと、丸太のように眠り込んだ。

ほかの皆はとっくに起きて朝食も済ませ、薪の山をさらに半分ほど増やしていたころ、僕は騒がしい物音と話し声で目を覚ました。

「休戦旗だ!」

誰かがそう言うのが聞こえ、その直後、驚いた声が続いた。

「シルバー本人だ!」

僕は跳ね起き、目をこすりながら壁の銃眼へ駆け寄った。


第二十章 シルバーの使節

たしかに、杭柵のすぐ外には二人の男がいた。一人は白い布を振り、もう一人はほかならぬシルバー本人で、平然とそばに立っていた。

まだかなり早い時刻で、僕が外で経験した朝のうち、最も寒かったと思う。冷気が骨の髄まで突き刺さった。頭上の空は明るく雲一つなく、木々の梢は朝日に赤く輝いていた。だがシルバーと副官の立つ場所はまだ影の中で、二人は夜の間に沼から這い出してきた白く低い霧へ、膝まで浸かっていた。寒気と霧は、この島がどんな場所かを如実に物語っていた。見るからに湿っぽく、熱病を招く、不健康な土地だった。

「全員、屋内にいろ」と船長が言った。「十中八九、罠だ。」

それから海賊へ呼びかけた。

「何者だ! 止まれ、さもなくば撃つぞ。」

「休戦旗だ!」とシルバーが叫んだ。

船長は張り出しの中に立ち、敵がだまし討ちを企んでいた場合に備え、射線から慎重に身を外していた。振り返って、われわれへ命じた。

「先生の当直組は見張りにつけ。リヴジー先生、北側をお願いします。ジムは東。グレイは西。非番組は全員、マスケット銃へ弾を込めろ。素早く、だが慎重にな。」

それから再び反逆者たちへ向き直った。

「休戦旗を持って、何の用だ?」と叫んだ。

今度はもう一人の男が答えた。

「シルバー船長が、そちらへ行って条件を話し合いたいそうです!」と叫んだ。

「シルバー船長だと? そんな男は知らんな。誰だ、そいつは?」と船長は叫んだ。そして独り言をつけ加えるのが聞こえた。「船長とはな! こりゃまた大出世だ!」

ロング・ジョンが自ら答えた。

「おれです、船長。あんたが船を『見捨てた』あと、この哀れな若い衆がおれを船長に選んだんでね」――「見捨てた」という言葉を、ことさら強調した――「条件さえ折り合えば、面倒なしに従う用意はある。頼みは一つだけだ、スモレット船長。おれをこの砦から無事に帰すと約束し、発砲するまで射程外へ逃げる一分をくれ。」

「おい」とスモレット船長は言った。「私はお前と話す気など、これっぽっちもない。私と話したければ、勝手に来い。それだけだ。裏切りがあるならお前たちの側からだろう。そうなれば、せいぜい神に祈るんだな。」

「それで十分です、船長」とロング・ジョンは陽気に叫んだ。「あんたの一言なら十分だ。おれは紳士を見る目がある。そいつは保証しますぜ。」

休戦旗を持った男がシルバーを引き止めようとするのが見えた。船長の返事があれほど突き放したものだったのだから、無理もない。だがシルバーは声を上げて笑い、怖がるなど馬鹿げているとでもいうように男の背中を叩いた。それから杭柵まで進み、松葉杖を向こうへ投げ、片脚を引っかけ、並外れた力と技で柵を乗り越えると、無事こちら側へ降り立った。

正直に言えば、僕は目の前の出来事に夢中になりすぎ、歩哨としては何の役にも立っていなかった。とうに東側の銃眼を離れ、船長の背後まで忍び寄っていた。船長は敷居に腰かけ、肘を膝へ置き、両手で頭を支え、砂に埋めた古い鉄釜から水が泡立って流れ出すのを見つめていた。そして「娘たちよ、若者たちよ」を口笛で吹いていた。

シルバーは丘を登るのにひどく苦労した。急な斜面、密集した切り株、柔らかな砂のせいで、松葉杖をついた姿は帆船が風上へ回れず立ち往生しているようだった。それでも黙ったまま男らしく粘り、ついに船長の前へたどり着くと、最高に礼儀正しく挨拶した。めかし込んでおり、真鍮のボタンがびっしりついた巨大な青い上着は膝まで垂れ、立派な飾り縁つきの帽子を後頭部にかぶっていた。

「来たか」と船長は顔を上げて言った。「座った方がいいぞ。」

「中へ入れちゃくれねえんですかい、船長?」とロング・ジョンは不満げに言った。「砂の上に座るには、まったく寒い朝ですぜ。」

「シルバー」と船長は言った。「正直な人間でいることを選んでいれば、自分の調理室に座っていられたんだ。すべては自業自得だ。お前が今も本船の料理番なら、立派に扱われる。だがシルバー船長、ただの反逆者で海賊だというなら、さっさと吊られてしまえ!」

「まあまあ、船長」と船の料理番は言い、命じられたとおり砂へ腰を下ろした。「あとで立たせてもらえりゃ、それで結構。なかなかきれいで居心地のいい場所じゃありませんか。おや、ジムがいる! おはよう、ジム。先生、ご機嫌よう。いやはや、こうして皆さんそろっていると、さながら仲のよい一家ですな。」

「話があるなら、さっさと言え」と船長は言った。

「おっしゃるとおり、スモレット船長」とシルバーは答えた。「務めは務めだ。まったくな。さて、昨夜のあんたの策は見事だった。見事だったと認めますぜ。あんたらの中には、丸太棒の扱いがえらく達者な者がいるらしい。それに、おれの仲間の何人かが震え上がったことも否定しねえ――たぶん全員だ。ひょっとすると、おれ自身もな。こうして条件を話しに来たのも、そのせいかもしれん。だが覚えておきな、船長。同じ手は二度と通じねえぞ、畜生め! 今度はきちんと歩哨を立て、ラム酒も少し控えさせる。おれたち全員が酔っぱらってたと思ってるかもしれねえ。だが言っておく、おれは素面だった。ただ疲れ切ってただけだ。あと一秒早く目を覚ましてりゃ、現場であんたを捕まえてたぜ。あの男も、おれが行ったときにはまだ死んでなかった。」

「それで?」とスモレット船長は、どこまでも冷静に言った。

シルバーの話は、船長にはまったく謎だった。だがその声からは、そんなことは少しもわからなかった。僕の方は、事情が少し見え始めていた。ベン・ガンの最後の言葉を思い出したのだ。海賊たちが焚き火の周りで酔いつぶれている間に、ベンが訪ねたのではないか。そう考え、敵がもう十四人しかいないことを喜んだ。

「では本題だ」とシルバーは言った。「おれたちは宝が欲しい。必ず手に入れる――それがこちらの要望だ! あんたらは命を助けたいんだろう。それがそちらの要望だ。海図を持ってるな?」

「さあ、どうかな」と船長は答えた。

「いや、持ってる。そいつはわかってる」とロング・ジョンは言った。「そう人に食ってかかる必要はねえ。何の役にも立たんぜ、間違いなくな。要するに、こちらは海図が欲しい。おれ個人は、あんたらに危害を加えるつもりなんざなかった。」

「そんな話は通用せんぞ」と船長が遮った。「お前たちが何を企んでいたかは、正確に知っている。だが、どうでもいい。今のお前たちには実行できんからな。」

船長は平然とシルバーを見つめ、パイプへ煙草を詰め始めた。

「エイブ・グレイが――」とシルバーが口走った。

「そこまでだ!」とスモレット船長が叫んだ。「グレイからは何も聞いていないし、私も何も尋ねていない。それどころか、お前もグレイも、この島ごと炎の中へ吹き飛ぶ方がまだましだ。私の考えは以上だ。」

このひと吹きの怒りで、シルバーの頭も冷えたようだった。それまでは苛立ちを募らせていたが、ここで自制を取り戻した。

「そりゃそうでしょうな」と言った。「何をもって船乗りらしいとするか、紳士方のお考えに口を挟むつもりはありません。それに、船長がパイプをお吸いになるなら、おれも遠慮なくそうさせてもらいましょう。」

シルバーもパイプに煙草を詰め、火をつけた。二人はかなり長いこと、黙って煙をふかした。互いの顔を見たり、煙草を押し固めたり、身を乗り出して唾を吐いたりする。その様子は芝居にも劣らぬ見ものだった。

「では」とシルバーが話を再開した。「条件はこうだ。宝を手に入れるための海図を渡し、哀れな船乗りを撃ったり、眠っている間に頭を叩き潰したりするのをやめる。そうすりゃ二つから選ばせてやる。宝を積んだあと、おれたちと一緒に船へ乗るなら、名誉に懸けて誓約し、安全な場所へ上陸させてやる。それが気に入らねえなら――おれの仲間には荒っぽいのもいて、いじめられた恨みを持つ者もいるからな――ここへ残ってもいい。食糧を一人分ずつ公平に分ける。そして前と同じく誓約する。最初に見かけた船へ声をかけ、ここへ迎えをよこさせる。これならまともな提案だと認めるだろう。これ以上に気前のいい条件は望めねえ。そして」――声を張り上げ――「この丸太小屋にいる全員が、おれの言葉をよく聞いてくれるとありがたい。一人に話したことは、全員に話したことだからな。」

スモレット船長は立ち上がり、左の手のひらへパイプの灰を叩き出した。

「それで全部か?」と尋ねた。

「一言残らず全部だ、畜生め!」とジョンは答えた。「断れば、次に見るおれの姿はマスケット銃の弾丸だけだ。」

「よろしい」と船長は言った。「では私の条件を聞け。お前たちが一人ずつ丸腰で来るなら、全員に鉄枷をはめ、イングランドへ連れ帰って公正な裁判を受けさせる。断るなら、私はアレクサンダー・スモレット、国王陛下の旗を掲げた船長として、お前たち全員を海の藻屑にしてやる。お前たちには宝を見つけられん。船も動かせん――お前たちの中には船を操れる者が一人もいない。われわれとも戦えん――そこにいるグレイ一人を、五人がかりで逃したではないか。シルバー君、お前の船は身動きが取れず、お前自身は風下の岸へ追い詰められている。やがて思い知るだろう。ここで私が断言する。そしてこれが、私から聞ける最後の穏やかな言葉だ。次に会えば、神に誓って背中へ弾丸を撃ち込む。さあ、行け。とっととここから這い出せ。大急ぎでな。」

シルバーの顔は見ものだった。怒りで目玉が飛び出さんばかりだった。パイプの火を振り落とした。

「立たせろ!」と叫んだ。

「断る」と船長は答えた。

「誰か、おれを立たせろ!」とシルバーは怒鳴った。

誰一人動かなかった。シルバーは口汚い呪いを唸りながら砂の上を這い、張り出しにつかまって、ようやく松葉杖の上へ身を起こした。それから泉へ唾を吐いた。

「これがお前らへの答えだ!」と叫んだ。「一時間もしねえうちに、このぼろ小屋をラム酒樽みてえにぶち壊してやる。笑え、畜生、笑ってろ! 一時間もすれば、笑う側が逆になる。死んだやつが幸運だったと思うだろうぜ。」

そして恐ろしい悪態をつきながらよろめき去り、砂を掘るように丘を下った。四、五度失敗した末、休戦旗の男に助けられて杭柵を越え、その直後には木々の間へ姿を消した。


第二十一章 襲撃

シルバーが姿を消すと、ずっと注意深く見送っていた船長は小屋の中へ振り返った。そして持ち場にいる者が、グレイ以外一人もいないことに気づいた。船長が怒る姿を見るのは、それが初めてだった。

「配置につけ!」と怒鳴った。そして、われわれがおずおずと持ち場へ戻ると、「グレイ」と言った。「お前の名は航海日誌に記しておく。船乗りらしく任務を守った。トレローニーさん、あなたには驚きましたぞ。先生、あなたは国王の軍服を着たことがあるはずだ! フォントノワでもこんな働きだったなら、寝台にいた方がましでしたな。」

先生の当直組は全員、銃眼へ戻った。残る者たちは予備のマスケット銃へ弾を込めていた。言うまでもなく、皆が赤面し、こっぴどく叱られた顔をしていた。

船長はしばらく黙って見守った。それから口を開いた。

「諸君」と船長は言った。「私はシルバーへ一斉射撃を浴びせてやった。それもわざと、真っ赤に焼けたやつをな。やつの言葉どおり、一時間以内に敵は乗り込んでくる。こちらが数で負けているのは、言うまでもない。だがこちらには遮蔽物がある。それに一分前までなら、規律もあると言えた。諸君さえその気なら、連中を叩きのめせると私は確信している。」

それから船長は各所を回り、自分の言葉どおり、万事に抜かりがないことを確かめた。

小屋の短い東西の壁には、銃眼が二つずつしかない。張り出しのある南側にも二つ。北側には五つあった。われわれ七人に対し、マスケット銃は二十挺ほどあった。薪は四つの山に積み上げられ、いわば台のように各壁の中央へ一つずつ置かれていた。その台には守備側がすぐ使えるよう、弾薬と装填済みのマスケット銃四挺ずつが載せてある。中央にはカトラスが並べられていた。

「火を外へ出せ」と船長は言った。「寒さは過ぎた。煙で目を塞がれては困る。」

トレローニー地主が鉄の火籠を丸ごと外へ運び、残り火を砂で消した。

「ホーキンスはまだ朝食を食べていないな。ホーキンス、自分で取って、持ち場で食え」とスモレット船長は続けた。「急げよ。終わるまでには力が必要になる。ハンター、全員へブランデーを一杯ずつ配れ。」

その間にも、船長は頭の中で防御計画を完成させていた。

「先生は扉を」と船長は続けた。「身をさらさぬように。中にいて、張り出し越しに撃ってください。ハンターは東側。ジョイス、お前は西側だ。トレローニーさん、あなたが一番の射手です。あなたとグレイは、銃眼が五つある北の長い壁を受け持ってください。そこが最も危険です。敵が壁際まで来て、こちらの銃眼から撃ち込めば、厄介なことになる。ホーキンスと私は射撃の役には立たん。装填と援護に回る。」

船長が言ったとおり、寒さは去っていた。太陽が周囲の木々より高く昇るや、強烈な日差しが空き地へ降り注ぎ、霧をひと息に飲み干した。たちまち砂は焼けつき、丸太小屋の樹脂が溶け始めた。上着や外套は脱ぎ捨てられ、シャツの襟元を開き、袖を肩までまくった。われわれは暑さと不安に熱病のように浮かされながら、それぞれの持ち場に立った。

一時間が過ぎた。

「いまいましい連中め」と船長が言った。「赤道無風帯のように退屈だ。グレイ、風でも呼ぶ口笛を吹け。」

ちょうどその瞬間、襲撃の最初の兆候が現れた。

「恐れ入ります、船長」とジョイスが言った。「誰かを見たら、撃ってよいのでしょうか?」

「そう命じたはずだ!」と船長が叫んだ。

「ありがとうございます」とジョイスは、相変わらず静かで丁寧に答えた。

しばらく何も起こらなかった。だがその質問で全員が警戒を強め、耳を澄まし、目を凝らした。射手たちは銃を構え、船長は小屋の中央に立って、唇を固く結び、眉をひそめていた。

そうして数秒が過ぎたとき、突然ジョイスがマスケット銃をさっと上げて撃った。その銃声が消えぬうちに、外からばらばらの一斉射撃が繰り返し返ってきた。囲いの四方から、一発また一発と、ガンの群れのように続いた。何発かは丸太小屋へ当たったが、中へ入った弾は一つもなかった。煙が晴れて消えると、杭柵も周囲の森も、前と変わらず静かで空っぽに見えた。枝一本揺れず、マスケット銃の銃身の輝き一つ、敵の存在を示さなかった。

「当たったか?」と船長が尋ねた。

「いいえ、船長」とジョイスは答えた。「当たらなかったと思います。」

「正直に言うのは次善だな」とスモレット船長は呟いた。「ホーキンス、あいつの銃へ弾を込めろ。先生、そちら側には何人いたと思われます?」

「正確にわかっています」とリヴジー先生が答えた。「こちらからは三発です。三つの閃光を見ました。二つは近く、一つは西寄りです。」

「三人!」と船長は繰り返した。「トレローニーさん、そちらは何人です?」

だが、こちらは簡単には答えられなかった。北からは何発も撃たれ、地主の見積もりでは七人、グレイによれば八人か九人だった。東と西からは一発ずつしか撃たれていない。したがって主攻撃は北から行われ、ほかの三面では牽制だけが続くことは明らかだった。それでもスモレット船長は配置を変えなかった。反逆者が杭柵を越えることに成功すれば、無防備な銃眼を奪い、われわれを自分たちの砦の中でネズミのように撃ち殺すだろう、と考えたのだ。

考える時間はほとんど残されていなかった。突然、大きな雄叫びとともに、海賊の一団が北側の森から飛び出し、まっすぐ杭柵へ走ってきた。同時に森から再び射撃が始まり、一発の銃弾が戸口を唸って抜け、先生のマスケット銃を粉々に打ち砕いた。

乗り込み役たちは猿のように柵を越えてきた。地主とグレイは何度も撃った。三人が倒れ、一人は前のめりに砦内へ、二人は外側へ落ちた。しかし、そのうち一人は傷ついたというより驚いただけらしく、すぐに立ち上がって木々の中へ姿を消した。

二人が倒れ、一人が逃げ、四人が防御線の内側へ足場を得た。一方、森の陰からは七、八人の男が、それぞれ何挺ものマスケット銃を使い、激しいが効果のない射撃を丸太小屋へ浴びせ続けていた。

たちまち四人の海賊は丘を駆け上がり、われわれへ襲いかかった

侵入した四人は叫びながら、まっすぐ小屋へ突進した。森の男たちも励ますように叫び返す。何発か撃たれたが、射手が慌てていたため、一発も命中しなかったらしい。たちまち四人の海賊は丘を駆け上がり、われわれへ襲いかかった。

中央の銃眼に、甲板長ジョブ・アンダーソンの頭が現れた。

「かかれ、野郎ども! 全員かかれ!」と雷鳴のような声で怒鳴った。

同時に別の海賊が、ハンターのマスケット銃の銃口をつかんだ。力任せに奪い、銃眼から引き抜くと、凄まじい一撃を加えて、哀れなハンターを床へ昏倒させた。その間に三人目が、傷一つ負わず小屋の周りを走り、突然戸口に現れ、カトラスで先生へ斬りかかった。

立場は完全に逆転した。ほんの一瞬前まで、われわれは物陰から身をさらした敵を撃っていた。今や身をさらしているのはこちらで、反撃さえできなかった。

丸太小屋は煙で満ち、それがわれわれをいくらか守ってくれた。叫び声と混乱、拳銃の閃光と銃声、そして一つの大きな呻きが耳を満たした。

「外へ出ろ! 外で戦え! カトラスを取れ!」と船長が叫んだ。

僕は山からカトラスをつかんだ。同時に別の誰かがもう一振りを取ったため、僕の指の関節が刃で切れたが、ほとんど痛みを感じなかった。戸口から明るい日差しの中へ飛び出した。すぐ後ろにも誰かがいたが、誰かはわからなかった。正面では先生が、自分を襲った男を丘の下へ追っていた。僕が見た瞬間、先生は敵の構えを打ち崩し、顔を大きく斬って、仰向けに倒した。

「小屋を回れ! 小屋の周りへ!」と船長が叫んだ。大混乱の中でも、その声が変わっていることに気づいた。

僕は反射的に従い、東へ曲がり、カトラスを振り上げて小屋の角を回った。次の瞬間、アンダーソンと真正面から向き合った。男は咆哮し、短剣を頭上へ高く振り上げた。刃が日光を受けて光った。怖がる暇もなかった。斬撃が振り下ろされる寸前、僕は素早く横へ跳んだ。だが柔らかな砂で足を滑らせ、頭から斜面を転げ落ちた。

僕が戸口から飛び出したとき、ほかの反逆者たちもすでに、われわれにとどめを刺そうと杭柵へ群がっていた。赤いナイトキャップをかぶり、カトラスを口にくわえた男は、柵の頂へ上がって片脚をまたいでさえいた。それほど短い間の出来事だったため、僕が立ち上がったときも、すべてがほとんど同じ姿勢のままだった。赤いナイトキャップの男はまだ途中までしか越えておらず、もう一人も柵の上から頭を出しただけだった。だが、そのひと息ほどの間に戦いは終わり、勝利はわれわれのものとなっていた。

僕のすぐ後ろにいたグレイが、アンダーソンが外した斬撃から立ち直る前に、大柄な甲板長を斬り倒していた。別の一人は銃眼から小屋へ撃ち込もうとした瞬間に射殺され、まだ煙を上げる拳銃を握ったまま苦しんでいた。三人目は僕が見たとおり、先生が一撃で片づけた。杭柵を越えた四人のうち、残る一人だけが行方不明だった。だがそいつもカトラスを戦場へ捨て、死の恐怖に駆られて柵をよじ登り、外へ逃げようとしていた。

「撃て! 小屋から撃て!」と先生が叫んだ。「君たちも、遮蔽物へ戻れ!」

だが誰もその言葉を聞かず、銃声は一発も上がらなかった。最後の侵入者は逃げおおせ、ほかの者とともに森へ姿を消した。三秒後、襲撃隊で残っているのは、倒れた五人――柵の内側に四人、外側に一人――だけだった。

先生とグレイと僕は、全速力で小屋へ戻った。生き残った敵はすぐにマスケット銃を置いた場所へ戻り、いつまた射撃が始まるかわからない。

小屋の煙はかなり晴れていた。われわれはひと目で、勝利の代償を知った。ハンターは銃眼のそばで意識を失って倒れていた。ジョイスは自分の銃眼のそばで頭を撃ち抜かれ、二度と動かなかった。小屋の中央では、地主が船長を支えており、二人とも同じほど青ざめていた。

「船長が負傷した」とトレローニー地主が言った。

「敵は逃げたか?」とスモレット船長が尋ねた。

「逃げられる者は全員逃げたとも」と先生は答えた。「だが五人は、もう二度と走れん。」

「五人!」と船長が叫んだ。「よし、それなら上出来だ。五人対三人なら、残りは四対九。最初よりましだ。あのときは七対十九――少なくともそう思っていた――だった。あれはひどい差だからな。」


第五部 僕の海の冒険


第二十二章 僕の海の冒険の始まり

反逆者たちは戻ってこず、森からは二度と銃声一つ聞こえなかった。船長の言い方では、連中は「その日の分け前を受け取った」のだ。砦はわれわれだけのものとなり、静かなうちに負傷者を診て、昼食を作ることができた。地主と僕は危険を承知で外で料理したが、それでも先生の患者たちが上げる激しい呻きがあまりに恐ろしく、自分たちが何をしているのかさえ、ろくにわからなかった。

戦闘で倒れた八人のうち、まだ息があったのは三人だけだった。銃眼で撃たれた海賊、ハンター、スモレット船長である。そのうち最初の二人は、死んだも同然だった。反逆者は先生の処置中に息を引き取り、ハンターはどれほど手を尽くしても、この世で意識を取り戻すことはなかった。故郷の宿で、老海賊が卒中を起こしたときのように大きな息をしながら、一日じゅう命をつないだ。だが殴打で胸骨が砕け、倒れたときに頭蓋骨も折れていた。翌日の夜中、物音一つ、合図一つなく、神のもとへ召された。

船長の傷はたしかに重かったが、危険ではなかった。致命的な臓器は傷ついていない。アンダーソンの弾――最初に船長を撃ったのはジョブだった――は肩甲骨を砕き、肺にも触れたが、ひどい損傷ではなかった。二発目は、ふくらはぎの筋肉を裂いてずらしただけだった。必ず回復すると先生は言った。ただし当面、そして今後数週間は、歩くことも腕を動かすことも許されず、避けられるかぎり話すことさえ禁じられた。

僕の指の関節にできた偶然の切り傷など、蚤に刺されたようなものだった。リヴジー先生は膏薬を貼り、おまけに僕の耳を引っ張って叱った。

昼食後、地主と先生はしばらく船長のそばで相談した。十分に話し終えると、正午を少し過ぎたころ、先生は帽子と拳銃を取り、カトラスを帯び、海図をポケットへ入れ、マスケット銃を肩に担いだ。それから北側の杭柵を越え、木立の中へ足早に出ていった。

グレイと僕は、上官たちに聞こえぬよう丸太小屋の端へ離れて座り、相談していた。先生の行動を見たグレイは仰天し、口からパイプを外したまま、戻すことさえ忘れた。

「いったい全体」とグレイは言った。「リヴジー先生は気でも狂ったのか?」

「いや」と僕は答えた。「この一行で、いちばん狂いそうにない人だと思う。」

「じゃあ相棒」とグレイは言った。「先生が狂ってねえなら、よく覚えておけ、狂ってるのはおれの方だ。」

「たぶん」と僕は答えた。「先生には考えがあるんだ。僕の予想が正しければ、ベン・ガンに会いに行ったんだよ。」

あとでわかったことだが、そのとおりだった。だがその間、丸太小屋の中は息苦しいほど暑く、杭柵内のわずかな砂地も真昼の日差しに焼かれていたため、僕の頭には別の考えが浮かび始めた。それは決して正しい考えではなかった。先生が涼しい森の木陰を歩き、鳥の声を聞き、モミの心地よい香りを嗅いでいるのが羨ましくなったのだ。一方の僕は、服を熱い樹脂に貼りつかせながら焼かれ、辺りには大量の血と大勢の哀れな死体が横たわっている。僕はこの場所に、恐怖に劣らぬほど強い嫌悪を覚えた。

丸太小屋を洗い、食後の食器を片づけている間にも、嫌悪と羨望はどんどん強くなった。やがてパン袋の近くに来たとき、誰も見ていないのを確かめると、僕は冒険への第一歩を踏み出し、上着の両ポケットへビスケットを詰めた。

僕は愚かだった。たしかにこれから、馬鹿げた無謀なことをしようとしていた。それでも、できるかぎり用心して実行するつもりだった。何かあったとしても、このビスケットがあれば、少なくとも翌日のかなり遅い時間まで飢えずに済む。

次に手にしたのは二挺の拳銃だった。火薬入れと弾丸はすでに持っていたので、武装は十分だと感じた。

頭にあった計画そのものは悪くなかった。泊地と東側の外海を隔てる砂州を下り、前の夕方に見た白い岩を捜して、ベン・ガンがそこへボートを隠したのか確かめる。それは今でも、十分やる価値のあることだったと思う。だが砦を出る許可など得られないのは確実だったので、僕にできるのは無断で、誰も見ていない隙に抜け出すことだけだった。その手段があまりに悪かったため、行い自体も悪いものになった。だが僕は子供で、すでに決心していた。

そしてとうとう、絶好の機会が訪れた。地主とグレイは船長の包帯を替えるのに忙しく、誰もこちらを見ていなかった。僕は一気に杭柵を越え、最も深い木立へ駆け込んだ。僕がいないと気づかれるころには、仲間が叫んでも聞こえないところまで来ていた。

これは二度目の愚行で、最初よりはるかに悪かった。小屋を守れる健康な男を、わずか二人しか残さなかったからだ。だが最初の愚行と同じく、結果的には全員を救う一助となった。

僕は島の東海岸へまっすぐ向かった。泊地から見られる可能性を避けるため、砂州の外海側を下ると決めていた。時刻はすでに午後遅くだったが、まだ暖かく、日は明るかった。高い木々の間を進み続けると、前方から絶え間ない波の轟きだけでなく、葉が激しく揺れ、枝同士が擦れ合う音も聞こえた。海風がいつもより強いらしい。やがて冷たい風が届き始め、さらに数歩進むと森の開けた縁へ出た。水平線まで青く日に照らされた海が広がり、砕ける波が浜へ白い泡を投げかけていた。

僕は宝島の周りで、静かな海を一度も見なかった。頭上で太陽が照りつけ、風が一息もなく、水面が滑らかで青く見えても、外海に面した海岸には常に大波が押し寄せ、昼も夜も轟き続けていた。この島には、その音が聞こえない場所など一つもないのではないかと思う。

僕は波打ち際を気分よく歩いた。十分南まで来たと思ったところで、深い灌木に身を隠し、慎重に砂州の尾根へ這い上がった。

背後は外海、正面は泊地だった。海風は異常な強さで吹いたため早く尽きたかのように、すでにやんでいた。代わって南から南東の、弱く向きの定まらない風が吹き、大きな霧の塊を運んでいた。スケルトン島の風下にある泊地は、最初に入ってきたときと同じく、鉛のように静まり返っていた。その切れ目のない鏡には、ヒスパニオラ号がマスト頂から喫水線まで正確に映り、船尾にはジョリー・ロジャーが垂れていた。

船べりには一艘のギグがついており、船尾座にはシルバーがいた。僕ならいつでも見分けられる。二人の男が船尾の舷側から身を乗り出していて、一人は赤い帽子をかぶっていた。数時間前、杭柵の上へまたがっていた、まさにあの悪党だった。話して笑っているようだったが、一マイル(約1.6キロメートル)以上も離れていたので、もちろん言葉は聞き取れなかった。

突然、この世のものとも思えぬ恐ろしい金切り声が始まり、僕は最初ひどく驚いた。だがすぐにキャプテン・フリントの声だと思い出し、主人の手首に止まった鮮やかな羽の鳥まで見分けられそうな気がした。

間もなくジョリーボートが船を離れて岸へ向かい、赤い帽子の男とその仲間は、船室の昇降口から下へ消えた。

ちょうどそのころ、太陽がスパイグラス山の背後へ沈んだ。霧が急速に濃くなり、辺りは本格的に暗くなり始めた。今夜中にボートを見つけるなら、急がねばならない。

灌木の上へ突き出してよく見える白い岩は、砂州をさらに八分の一マイル(約200メートル)ほど下ったところにあった。低木の間を、たびたび四つん這いになって進まねばならず、そこへ着くまでかなり時間がかかった。夜がほとんど訪れたころ、ようやくざらついた岩肌へ手を触れた。その真下には、青い草に覆われたごく小さなくぼ地があった。周囲を土手と、膝まである密生した下草に隠されている。その中央には、まさしくヤギの皮で作った小さな天幕があった。イングランドでジプシーたちが持ち歩くものに似ていた。

僕はくぼ地へ下り、天幕の端を持ち上げた。そこにはベン・ガンのボートがあった。手作りという言葉がこれほど似合う物もない。丈夫な木材を不格好で左右不均衡に組み、毛を内側にしたヤギ皮を張ってある。僕にさえ極端に小さく、成人男性を乗せて浮かべるとは思えなかった。できるだけ低く取りつけた腰掛けが一つ、船首には足を踏ん張るための棒のようなものがあり、推進用に両端へ水掻きのついた櫂が一本あった。

そのころの僕は、古代ブリトン人が作ったようなコラクル[訳注:獣皮などを張った小型の丸い舟]を見たことがなかった。のちに見たが、ベン・ガンのボートを説明するなら、人類が初めて作った、しかも出来の悪いコラクルのようだったと言うのが一番近い。だがコラクル最大の利点だけは間違いなく備えていた。非常に軽く、簡単に持ち運べたのだ。

さて、ボートを見つけたのだから、これで無断外出は十分だと思うだろう。ところが僕はその間に、また別の思いつきを抱いていた。しかも頑固なほど気に入ってしまい、たとえスモレット船長本人に逆らってでも実行したと思う。その計画とは、夜の闇に紛れてヒスパニオラ号へ近づき、錨綱を切り、好きな場所へ漂着させることだった。朝の襲撃を退けられた反逆者たちが何より望んでいるのは、錨を上げて海へ逃げることに違いない。ならばそれを阻止できれば大手柄だ。しかも見張りをボートなしで船に残しているとわかった今なら、ほとんど危険なく実行できると思った。

僕はそこへ座って暗くなるのを待ち、ビスケットを腹いっぱい食べた。僕の目的には一万夜に一度の絶好の夜だった。霧が全天を覆っている。最後の日光が弱まり、消えていくと、完全な闇が宝島を包んだ。やがてコラクルを肩に担ぎ、夕食を取ったくぼ地から、つまずきながら手探りで外へ出たとき、泊地全体で見えるものは二つしかなかった。

一つは岸の大きな焚き火で、敗れた海賊たちが沼地で酒宴を開いていた。もう一つは、闇の中にぼんやり浮かぶ光で、錨泊中の船の位置を示していた。船は引き潮に合わせて向きを変え、今は船首を僕の方へ向けている。明かりは船室にしかなく、僕に見えたのは船尾窓から射す強い光が、霧へ反射したものにすぎなかった。

引き潮はすでにしばらく続いていた。後退する水際へ着くまで、湿った砂地を長々と歩かねばならず、何度か足首より深く沈んだ。それから少し水中を歩き、力と器用さを振り絞って、コラクルを船底が下になるよう水面へ浮かべた。


第二十三章 引き潮に流されて

コラクルは――乗り終えるまでに嫌というほど知ったが――僕ほどの身長と体重の者には非常に安全な舟だった。浮力があり、波への対応もよかった。だが操るとなれば、このうえなくひねくれた、傾きやすい舟だった。何をしてもほかの舟以上に風下へ流され、一番得意な動きは、その場でぐるぐる回ることだった。ベン・ガン本人でさえ、「癖がわかるまでは扱いづらい」と認めていた。

もちろん僕には、その癖がわかっていなかった。行きたい方向以外の、ありとあらゆる方角へ向いた。ほとんどの間、流れに横腹をさらしていた。潮がなければ、絶対に船へたどり着けなかっただろう。幸い、どんなふうに櫂を動かしても、潮は僕を下流へ運び続けた。そしてヒスパニオラ号は流れの真ん中にあり、見失いようがなかった。

最初は、闇よりさらに黒い染みのようなものが前方に浮かんだ。やがて帆桁と船体が形を現し、その次の瞬間には――進むほど引き潮が速くなったため、そう感じた――錨綱のそばへ着き、それをつかんでいた。

錨綱は弓弦のように張り詰めていた。潮流が強く、船が錨を引っ張っているのだ。暗闇の中、船体の周囲では波立つ潮が、小さな渓流のように泡立ってさざめいていた。船乗りナイフでひと切りすれば、ヒスパニオラ号は唸りを上げ、潮に乗って流れ出すだろう。

ここまではよかった。だが次に、張り詰めた綱を急に切るのは、蹴りかかる馬と同じくらい危険だと思い出した。向こう見ずにもヒスパニオラ号を錨から切り離せば、十中八九、僕もコラクルも水面から叩き飛ばされる。

それで僕は動きを止めた。再び幸運が特別な味方をしてくれなければ、計画を諦めねばならなかっただろう。南東や南から吹き始めていた弱い風は、日没後に南西へ回っていた。考え込んでいると一陣の風が吹き、ヒスパニオラ号を捉えて流れの上手へ押した。嬉しいことに、手の中で錨綱が緩み、それを握っていた手が一瞬、水中へ沈んだ。

僕は決心し、ナイフを取り出して歯で開いた。それから綱の撚り糸を一本ずつ切り、二本だけで船をつないだ状態にした。そこでじっと待ち、次に風が吹いて綱の張力が弱まったとき、最後の二本を切ろうとした。

その間ずっと、船室から大声が聞こえていた。だが正直に言えば、ほかのことへ気を取られ、ほとんど耳を貸していなかった。ところが何もすることがなくなると、注意して聞き始めた。

一人の声は、操舵手イスラエル・ハンズのものだとわかった。昔、フリントの砲手だった男だ。もう一人は、もちろん赤いナイトキャップの男だった。二人とも明らかに酔っており、今も飲み続けていた。僕が聞いている間にも、一人が酔っぱらった叫び声を上げて船尾窓を開き、何かを投げ捨てた。空瓶だと思った。だが二人は酔っているだけではなかった。激しく怒り狂っているのも明らかだった。罵声が雹のように飛び交い、ときおり、今度こそ殴り合いになると思うほどの怒鳴り声が爆発した。だがそのたびに喧嘩は収まり、しばらく声が低くなる。そしてまた次の山場を迎え、それも何も起きずに過ぎ去った。

岸では、大きな焚き火の光が海岸沿いの木々を通して暖かく輝いていた。誰かが古く陰気な船乗り歌を、単調に歌っていた。各節の終わりで声が下がり、震え、歌い手の忍耐が尽きるまで永遠に続きそうだった。航海中に何度も聞いた歌で、次の歌詞を覚えていた。

「七十五人で海へ出て、

生き残った船乗りは、ただ一人。」

朝にあれほどひどい損害を受けた一味には、あまりに陰気で似つかわしい歌だと思った。だが実際、僕が見たかぎり、海賊たちは自分たちが航海する海と同じほど無情だった。

ようやく風が吹いた。スクーナーは横へ動き、暗闇の中で近づいてきた。錨綱が再び緩むのを感じ、力いっぱい最後の繊維を断ち切った。

風はコラクルにはほとんど影響せず、僕はたちまちヒスパニオラ号の船首へ押し流された。同時にスクーナーは向きを変え始め、流れを横切りながら、ゆっくり前後を入れ替えるように回転した。

僕は悪鬼のように必死で舟を操った。いつ沈んでもおかしくないと思ったからだ。コラクルを真横へ押し離せないとわかり、今度はまっすぐ船尾の方へ押した。ようやく危険な隣人から離れたとき、最後のひと漕ぎをしようとした手に、船尾の舷側から水中へ垂れた細い綱が触れた。僕は即座につかんだ。

なぜそんなことをしたのか、自分でもよくわからない。最初はただの本能だった。だが綱を手にし、船へ結びついているとわかると、好奇心が勝ち始めた。船室の窓から中をひと目見ようと決めた。

手繰るたびに綱を握り替えて舟を寄せ、十分近づいたと思ったところで、大きな危険を冒して上半身を半分ほど起こした。おかげで船室の屋根と、内部の一部を見下ろせた。

そのころにはスクーナーも、その小さな連れの舟も、かなりの速さで水上を滑っていた。すでに焚き火と並ぶ位置まで来ていた。船乗りの言い方では、船は「喋って」いた。無数のさざ波を踏み分け、絶え間なくばしゃばしゃと大きな音を立てていた。窓枠の上へ目を出すまで、見張りの二人がなぜ異変に気づかないのか理解できなかった。だがひと目見れば十分だった。そして不安定な小舟の上では、ひと目見るのが精いっぱいでもあった。ハンズと仲間は死に物狂いで組み合い、互いに片手で相手の喉を絞めていた。

僕は腰掛けへ倒れ込んだ。危うく船外へ落ちるところだった。しばらくは、煙るランプの下でともに揺れる、怒りに燃えた血まみれの二つの顔しか見えなかった。僕は目を閉じ、再び暗闇に慣れるのを待った。

果てしない歌も、とうとう終わっていた。焚き火を囲む人数の減った一団は、僕が何度も耳にした合唱を始めた。

「死人の胸に十五人――

ヨーホーホー、ラム酒一本! 

酒と悪魔が残りを片づけた――

ヨーホーホー、ラム酒一本!」

酒と悪魔は、まさに今この瞬間、ヒスパニオラ号の船室で大忙しだ――そう考えていたとき、コラクルが突然大きく傾き、僕は驚いた。同時に舟首が激しく横を向き、進路が変わったようだった。しかも速さが異様に増していた。

僕はすぐに目を開けた。周囲では小さな波が、鋭くざわつく音を立てながら白い波頭を作り、かすかに燐光を放っていた。数ヤード先で、僕がまだ航跡に巻き込まれているヒスパニオラ号も、針路をよろめかせているように見えた。夜の闇を背に、帆桁がわずかに揺れるのが見えた。さらに見ていると、船も南へ向きを変えていることが確かになった。

肩越しに振り返ると、心臓が肋骨へぶつかるほど跳ねた。真後ろに、焚き火の明かりがあった。潮流が直角に曲がり、背の高いスクーナーと、踊る小さなコラクルを一緒に巻き込んでいた。流れはますます速くなり、ますます高く泡立ち、ますます大きく唸りながら、狭い海峡を回り込み、外海へ向かっていた。

突然、前方のスクーナーが激しく針路を振り、二十度ほど向きを変えた。ほぼ同時に、船上から次々と叫び声が上がった。昇降口の階段を踏み鳴らす足音が聞こえ、二人の酔っぱらいがようやく喧嘩を中断し、自分たちを襲った災難に気づいたのだとわかった。

僕は哀れな小舟の底へ平伏し、自分の魂を心から神に委ねた。海峡の出口では、激しく砕ける浅瀬へ必ず突っ込み、そうなれば僕の苦しみもすぐ終わると思った。死ぬことには耐えられたかもしれない。だが近づいてくる自分の運命を、目を開けて見ることには耐えられなかった。

僕はそうして、何時間も横たわっていたに違いない。絶えず波に揺すられ、ときどき飛沫を浴び、次に舟が落ち込めば死ぬのだと思い続けていた。やがて少しずつ疲労が募った。恐怖のただ中にあっても、身体が痺れ、意識が途切れるようになった。そしてついに眠りが訪れ、僕は波に翻弄されるコラクルの中で、故郷と、懐かしいアドミラル・ベンボーの夢を見た。


第三十四章 終章

翌朝、私たちは早くから作業に取りかかった。この莫大な金塊を、陸路でほぼ一マイル(約1.6キロメートル)先の浜まで運び、そこからボートで三マイル(約4.8キロメートル)離れたヒスパニョーラ号まで運ぶのは、これほど少ない人数には相当な大仕事だった。まだ島内をうろついている三人の男については、さほど心配していなかった。丘の中腹に見張りを一人置けば、不意打ちを防ぐには十分だったし、あの連中ももう戦いにはうんざりしているだろうと考えていた。

そこで作業は急ピッチで進められた。グレイとベン・ガンがボートで何度も往復し、その留守に残りの者が浜へ宝を積み上げた。ロープの端で吊った金塊二本は、大人一人が運ぶにはちょうどよい荷だった――もっとも、ゆっくり歩きたくなるほどの重さではあった。私自身は運搬にはあまり役に立たなかったので、一日じゅう洞窟で鋳造貨幣をパン袋に詰める仕事をさせられた。

それは貨幣の種類の多さという点ではビリー・ボーンズの蓄えにも似た、不思議な集まりだった。だが規模ははるかに大きく、種類もずっと豊富で、あれを選り分けていたときほど楽しかったことは、私にはなかったように思う。イングランド、フランス、スペイン、ポルトガルの貨幣、ジョージ金貨、ルイ金貨、ダブロン金貨、二重ギニー金貨、モイドール金貨、セキン金貨。過去百年にわたるヨーロッパのあらゆる王の肖像。糸くずか蜘蛛の巣の切れ端のように見える奇妙な文字を刻んだ東洋の硬貨。丸いもの、四角いもの、首に掛けるためらしく中央に穴の開いたもの――世界中のほとんどあらゆる種類の貨幣が、あの संग्रहに収まっていたに違いない。そして数にかけては、まさしく秋の落葉のようだった。かがみ続けて背中は痛み、一枚ずつ仕分ける指も痛んだ。

*世界中のほとんどあらゆる種類の貨幣が、きっとあの

集まりに収まっていたに違いない*

来る日も来る日も作業は続いた。毎晩、ひと財産ぶんが船に積み込まれたが、翌日にはまた別のひと財産が待っていた。その間ずっと、生き残った三人の反乱者については何の音沙汰もなかった。

とうとう――たしか三日目の夜だったと思う――博士と私は、島の低地を見下ろす丘の中腹を散歩していた。そのとき、下方の濃い闇のなかから、風が叫び声とも歌声ともつかぬ音を運んできた。耳に届いたのはほんの一節だけで、すぐに元の静けさが戻った。

「神よ、あいつらをお赦しください」と博士は言った。「反乱者たちだ!」

「すっかり酔っぱらってますよ、先生」背後からシルヴァーの声が割り込んだ。

言っておくと、シルヴァーには完全な自由が許されていた。毎日のように冷たくあしらわれても、自分はまたしても、かなり特別扱いされる親しい従者だと思い込んでいるようだった。実際、あれほど見事に侮辱を耐え忍び、疲れを知らぬ丁寧さで皆の歓心を買おうとし続けるのには驚かされた。とはいえ、犬よりましに彼を扱う者は誰もいなかったと思う。例外があるとすれば、かつての甲板長クォーターマスターをいまだにひどく恐れていたベン・ガンか、あるいは実際に彼へ感謝すべき理由のあった私くらいだったろう。もっとも、私こそ誰よりも彼を悪く思うべき理由があったのかもしれない。あの台地で、彼が新たな裏切りを企てているところを見たのだから。だから博士の返事は、いかにもぶっきらぼうなものになった。

「酔っているか、熱にうなされているかだろう」と博士は言った。

「そのとおりでさあ、先生」とシルヴァーは答えた。「だが先生やあっしにとっちゃ、どっちだろうと大した違いはありませんぜ。」

「君に人道的な人間だと呼んでくれとは、まさか頼まないだろうな」と博士は嘲るように言った。「だから私の気持ちは、君には意外かもしれん。だが、もしあいつらが熱にうなされていると確信できるなら――少なくとも一人は熱病で倒れていると、私は道義上疑いようもなく確信している――私はこの野営地を出て、自分の命をどれほど危険にさらそうとも、医者としての力を貸しに行く。」

「失礼ながら、先生、それは大間違いでさあ」とシルヴァーは言った。「大事なお命を失うことになりますぜ、こいつは間違いありません。あっしは今や先生方の味方で、すっかり同じ船に乗ってる身です。先生方には借りがありますからな。あっし自身は言うまでもなく、この一行が弱るところなんざ見たくありません。だが下にいるあの連中は、たとえ守るつもりがあっても約束を守れやしません。それどころか、先生方が約束を守れるなんてことさえ、信じられない連中です。」

「そうだな」と博士は言った。「約束を守る男は君だ。我々はよく知っている。」

さて、三人の海賊について得た知らせは、それがほとんど最後だった。遠くで銃声を一度だけ聞き、狩りをしているのだろうと推測した。話し合いが開かれ、あの者たちは島に置き去りにすることが決まった――ベン・ガンは大喜びし、グレイも強く賛成した。火薬と弾丸を十分に残し、塩漬けの山羊肉の大半、いくらかの薬とその他の必需品、道具、衣服、予備の帆、ロープ一尋か二尋、さらに博士の特別な希望で、上等な煙草をたっぷり置いていった。

それが島での、ほぼ最後の仕事だった。その前に宝を積み込み終え、万一の困難に備えて十分な水と残りの山羊肉も船に積載していた。そしてついに、晴れたある朝、私たちは錨を上げた――それだけでも私たちにできる精一杯だった――そして、船長が柵の砦で掲げ、戦いのもとにしたのと同じ旗を翻しながら、北の入江を出航した。

あの三人は、私たちの予想以上にこちらを注意深く見張っていたに違いない。それはすぐにわかった。狭い水路を抜けるには南端ぎりぎりを通らねばならず、そこに三人がいた。砂州の上で寄り集まり、両手を上げて哀願していたのだ。あの惨めな有様のまま見捨てるのは、私たち皆の胸を痛ませたと思う。だが再び反乱を起こされる危険は冒せなかったし、絞首台に送るため本国へ連れ帰るのも、残酷な親切というものだった。博士は彼らに呼びかけ、残してきた物資とその場所を教えた。だが三人はなおも私たちを名指しで呼び、神にかけて慈悲を乞い、こんな場所で死なせるために置き去りにしないでくれと訴え続けた。

やがて船が進路を変えず、急速に声の届かぬ距離へ遠ざかっていくのを見ると、そのうちの一人――誰だったのかはわからない――がかすれ声を上げて立ち上がり、マスケット銃を肩に当てると、シルヴァーの頭上を唸りながら越え、大帆を貫く一発を撃ち放った。

その後、私たちは舷側の防壁に身を伏せた。次に私が顔を出したときには、三人は砂州から消えており、砂州そのものも遠ざかるにつれて、ほとんど見えなくなっていた。少なくとも、これで一件落着だった。そして正午前には、この上ない喜びとともに、宝島で最も高い岩山が青く丸い海原の下へ沈み去るのを見た。

人手があまりにも足りなかったので、船上の全員が働かなければならなかった――ただし船長だけは船尾でマットレスに横たわり、命令を出していた。かなり快復してはいたものの、まだ静養が必要だったのだ。新たな船員を補充せずに帰国航海へ出るわけにはいかなかったため、私たちはスペイン領アメリカで最も近い港へ針路を取った。それでも、逆風や二度の激しい強風に苦しめられ、港へ着く頃には皆すっかり疲れ果てていた。

夕日が沈むちょうどそのとき、私たちは実に美しい、陸地に深く囲まれた湾内へ錨を下ろした。するとたちまち、黒人やメキシコ先住民、混血の人々を乗せた岸の小舟に取り囲まれた。彼らは果物や野菜を売り、金銭を少し投げてくれれば潜って拾うと申し出てきた。これほど多くの陽気な顔、とりわけ黒人たちの顔を見ること、熱帯の果物を味わうこと、そして何より、町にともり始めた灯火は、私たちが島で過ごした暗く血なまぐさい日々とは、じつに魅力的な対照をなしていた。博士と郷士は私も連れて、夜の早いうちを陸で過ごそうと上陸した。そこで二人はイングランド軍艦の艦長に会い、話を交わし、その艦へ招かれて乗り込んだ。要するに、それはあまりに楽しいひとときとなり、私たちがヒスパニョーラ号の舷側へ戻ったときには、すでに夜が明けかけていた。

甲板にはベン・ガンが一人だけいた。そして私たちが乗り込むなり、彼は奇妙な身振りを交えながら、告白を始めた。シルヴァーがいなくなったのだ。数時間前、島に置き去りにされていたベン・ガンは岸の小舟での逃亡に手を貸していた。そして「あの片脚の男が船に残っていたら」、私たちの命は間違いなく失われていたのだから、皆の命を守るためにそうしただけだと断言した。

しかし、それだけではなかった。あの船の料理人は、手ぶらで去ったわけではない。人目を盗んで隔壁に穴を開け、金貨の袋を一つ持ち去っていた。おそらく三百ないし四百ギニー金貨ほどの価値があり、その後の放浪の資金にするつもりだったのだ。

私たちは皆、あれほど安い代価で彼と縁を切れたことを喜んだと思う。

さて、手短に言えば、私たちは何人かの船員を雇い入れ、順調に帰国航海を果たした。そしてヒスパニョーラ号がブリストルへ着いたのは、ブランドリー氏が姉妹船を仕立てようかと考え始めた矢先だった。出帆した者のうち、帰還できたのはわずか五人。「酒と悪魔が残りの者を片づけた」のだ、徹底的に。もっとも、あの歌に出てくる別の船ほどひどい有様ではなかった。

「七十五人で海へ出た船は、

乗組員で生き残ったのが一人だけ。」

私たちは皆、宝の十分な取り分を得て、それぞれの性分に従い、賢く、あるいは愚かに使った。スモレット船長は今では海を引退している。グレイは金を貯めただけでなく、出世したいという思いに突然取りつかれ、航海術を学んだ。今では立派な帆装船はんそうせんの一等航海士であり、共同船主でもある。しかも結婚して一家の父親となった。ベン・ガンについていえば、千ポンドを手に入れたが、それを三週間――正確には十九日間――で使い果たすか失くしてしまい、二十日目にはまた物乞いに戻っていた。それから彼は、島にいたときにまさしく恐れていたとおり、門番小屋の管理人の仕事を与えられた。今も生きており、田舎の少年たちには多少からかわれながらも大変な人気者で、日曜日や聖人祝日には教会で歌声を響かせる名物男である。

シルヴァーについては、それきり何も聞いていない。あの恐るべき隻脚の船乗りは、ついに私の人生からすっかり消え去った。だが、昔の黒人の妻と再会し、彼女とフリント船長とともに、今も安楽に暮らしているのではないかと思う。そうであってほしいものだ。あの世で安楽を得られる見込みは、彼にはほとんどないのだから。

銀の延べ棒と武器は、私の知る限り、今なおフリントが埋めた場所に眠っている。そして少なくとも私に関する限り、これからもそこに眠り続けるだろう。牛の群れと荷車の綱を使ったとしても、私は二度とあの呪われた島へ戻らない。私が見る最悪の夢は、島の海岸を打つ波の轟きを聞くとき、あるいはフリント船長の鋭い声がいまだ耳に鳴り響き、「八分割銀貨! 八分割銀貨!」と叫ぶ声に驚いて、ベッドの上で飛び起きるときである。

公開日: 2026-07-01